低カルシウム血症の予防策とは
こんばんは。こばちゃんです。
NYUKATU「乳活」ということで、noteを初めたと同時にTwitterも始めました。ん〜〜面白いんですが・・
いまいちTwitter社会の空気感がよく分からないのと、そこでの立ち振る舞い方がよく分からないので戸惑ってます。リプライってなに?
習うより慣れろですかね。楽しみます。
さて、更新が遅れましたが前回は低カルの主な原因をピックアップしてみました。
今回の低カルになった当該牛はどれに当てはまるのか?
合わせて改善策も考えてみました。
1、クローズアップ期(分娩2週間前)
のカリウム・ナトリウムの過剰摂取
少し当てはまるかも。
乾乳期に給与する乾草は、チモシー・オーツ・スーダンとどれもイネ科の牧草です。カリウムが多い牧草はマメ科のアルファルファなので該当しません。
しかし少し気になるのは、オーツがナトリウムを多く含むと聞いたことがあるいうこと。
また、USチモシーはロットによってはカリウムが沢山含まれている場合がある。ですが、チモシー・オーツ・スーダンと等分に与えているので過剰摂取にはならないはずです。
【改善策】
USチモシーではなくカナダチモシーの方がカリウムリスクが低いので、乾乳牛にはカナダチモシーを給与した方がいいかも。
だが、、USもカナダも値段・・・高っ!!です。
2、ビタミンD不足
当てはまるかも。
ビタミンDは外で日光浴させると体内で作られるようです。
当該牛に関しては牛舎の中でも日当たりがあまり良くない場所だったのです。
ビタミンDは骨からのカルシウム動員を助ける役割がある為、低カル予防に効果があると言われています。
うちの牧場ではビタミンD3の注射を分娩7日前に注射しています。
しかし、注射して7日後に分娩がないと、あまり効果を発揮しないみたいなんです・・
今回は注射後4日目で分娩があったので効果がなかったかもしれません。
【改善策】
今すぐ出来ることは、乾乳牛は牛舎内でも日当たりが良い場所に移動することでしょうか。
3、乾乳期期間中のカルシウム蓄積不足
当てはまらない。
乾乳期間中も毎日200gカルシウムを与え続けいるので該当しません。
ただ、個体によっては体にカルシウムを蓄える機能が低下している可能性はあるかなと思っています。
4、分娩時の急な乳生産において、
骨からのカルシウムの動員と腸などからの
吸収が間に合わない
分からない。
はい、分からないです。
しかし、予防策として分娩直前と直後にカルシウムドリンクを経口投与する!
普段この投与はルーチン化しているのですが、今回の分娩は気が付いた時に、すぐに逆子と分かったので牽引することを優先した為、直前のカルシウム投与ができませんでした。
【改善策】
産次が6産目だったので、カルシウムを経口投与してから牽引した方が良かったかもです。
5、高齢による消化器官などの機能低下
あると思います。
低カルは産次を重ねるごとに疾病リスクが高くなると言われています。
消化器官に限らず体のどこかに機能障害を抱えていると循環が上手くいかず、カルシウムの骨からの動員や腸からの吸収に弊害がでた可能性があります。
【改善策】
5産目以降の高齢牛は繁殖除外にして乳生産のお仕事を引退してもらうことでしょうか。
6、乾乳期間の環境・環境変化
あると思います。
うちの牧場では乾乳牛も搾乳牛と同じく牛舎内に繋いでいます。
妊娠牛は胎児がお腹の中にいるので、なるべく広い空間の方が楽でしょうし、土を踏ませて太陽の光を浴びストレスなく過ごす期間はやはりあった方が良いと思います。
また、今年は梅雨明けが早くクローズアップ期に暑熱ストレスを強く受け免疫力を低下させた可能性があります。
【改善策】
せめて乾乳前期は放牧場に放したり、クローズアップ期は分娩パドックでゆったり過ごして分娩に向けてストレスを軽減させることでしょうか。
しかし、これはこれで移動のストレスがあるので賛否あると思います。
暑熱対策としては、乾乳牛には牛舎内で一番涼しい場所に過ごしてもらうことですね。
7、高能力牛の初回完全搾乳
今回は当てはまらない。
要するに分娩後の初回に完全にお乳を搾りきると、カルシウムが一気に抜けて低カルのリスクが高まるということです。
これについては、牛さんの産次や乳房の張り具合などを考慮して調整してます。
ちなみに、初産牛は低カルのリスクがほとんどないので、初回完全搾乳してます。
ここまで原因と改善策を自分なりにまとめてみました。
今回、低カルになった牛は残念ながら治療の甲斐なく廃用となります。
正直、これだけ全て改善しても低カルの牛をゼロにする事は難しいと思います。
でも、ゼロに近づける努力はできますよね。
牛って人間と同じで一頭一頭で性格も能力も違いますから、適当に飼ってると必ず失敗しますね。大事なのは一頭一頭をよく観察して牛が出してくれるカウシグナルを見つけて対応していく事の繰り返しなのかなって思います。
以上でーす。
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