NYUKATU『乳活』note
はじめまして。「岡山こばっしーランド」Uターン酪農家のこばちゃんです。
以下、自己紹介をかねての記事を初投稿します。
よろしくお願いします。
突然ですが、質問です。
牛乳1リットル300円
高いですか?安いですか?
僕が3月から始めたポッドキャスト番組「酪していきぬくラジオ」が牛乳100杯目(100配信目)を迎える。この機会にNYUKATUという名でnoteにも活動の場を広げたいと思う。
雨の日も風の日も、主に酪農に関する話題を牛乳に見立てて毎日一杯お届けしてきた。
今日まで続けてこれたのは、他でもない毎日配信を楽しみにしてくれているリスナーさんがいたからだ。本当に感謝している。
僕がこの番組を始めたきっかけは…
①音声メディアが好きだから
(自分も発信者になりたい)
②自分磨き
(アウトプットして成長したい)
③酪農と牛乳の価値を高めたい
(牛乳を酪農家が食べていける適正価格にしたい!)
この3つの思いを軸に配信し続けてきた。
しかし、毎日配信するにつれて…
③酪農と牛乳の価値を高めていきたい!
という気持ちがどんどん大きくなっていった。
何故か…
配信して約3ヶ月。
コロナ、ウクライナ情勢、円安、燃料高、資材高、電気代値上げ、少子化、牛乳の消費低迷…などなどの影響が日を追うごとに悪化し、酪農家にかかる負担は日増しに拡大…そして、酪農家にとって1番の重荷になっているのが…
飼料代の爆上がり!!
である。
配信する回数が増えるたびに牛乳を生産するコストがどんどん上がっていった。
2年前のコロナが全世界にパラサイトする前に比べて、今現在乳牛に与える1キロあたりの飼料費は約35円値上がりしている。酪農関係者以外の方は35円と聞くと、「たった35円じゃん。」と、思うかもしれない。しかし、きいて欲しい。
乳牛の1日の採食量はうちでは約25キロだ。
これに、さっきの値上がり分35円をかけると…
25キロ×35円=875円
(1日一頭あたりにかかるコスト増分)
うちの牧場では経産牛(お産を経験した牛)が40頭いる。
875円×40頭=35,000円
(牧場1日あたりのコスト増分)
そして、31日をかけて1ヶ月分のコスト増はいくらになるのか?
35000円×31日=1085,000円
だ。では、1年で計算すると…
1085,000円×12ヶ月=13,020,000
1年で13,020,000円!!コスト増だ。
ここからが問題だ。では、この牛乳を生産するコスト増分が価格転嫁されているか?
いいえ、まったくされていません!
今現在、各地域の指定団体を通じてメーカーと値上げ交渉中ではあるが、値上げ交渉の値段もキロ15円と酪農家が経営を立て直せるような値段ではない。
うちの牧場のようにオール購入(全て買い餌)で経営している酪農家は手取り乳価が最低35円上がらないと採算が合わない。少なくともコロナ前の経営状態に戻れないのである。
仮に酪農家の手取り乳価が35円上がったとしたら、スーパー等で売られる末端価格はどうなるだろう?
ちゃんとした計算式はわからないが、末端価格は酪農家の手取り値上げ分の約3倍になると言われている。
35円×3倍=105円
某乳業メーカー1リットル販売価格は198円
198円+105円=303円
ここで改めて問いたい。
牛乳1リットル300円
高いですか?安いですか?
一酪農家の代表として答えたい。
高くも安くもない。適正価格だ。
もちろん、生産者として消費者様に安くて良いものを提供できればどれだけ良いことかと思う。
しかし、これが現実だ。この現実を一人でも多くの人に伝えたい。分かってもらいたい。
その活動がNYUKATU(乳活)だ。
今後もSpotifyをキーステーションに活動の幅を広げていきたいと考えている。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。
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