永住許可申請で不許可理由がわからない時の対応法
あけましておめでとうございます。行政書士鎌倉国際法務事務所の伊藤です。2024年は元日から地震があったり、羽田空港で航空機事故が起きたりと波乱含みの年明けでしたね。被災地の人々が一日でも早く元の日常生活に戻れることを祈っております。
永住が不許可になった理由がわからない
通常は不許可理由説明で判明しますが・・・・
さて、今回のトピックは永住許可申請が不許可なった人向けのものです。日本で長く住みたい外国籍の方が選択するゴールの一つである永住許可、その申請件数が増えて行っていることから、日本で永住したいという人は増えて行っているのでしょう。
ただし、非常に厳しいことを言うようですが、永住許可は書類を出せば貰えるような簡単なものではありません。実際、弊所では「自分で永住許可申請をやったのだけど、不許可になってしまった」という相談を時々受けます。
通常であれば、入管から不許可処分の通知書(これは大抵の場合書留できます)を受け取って後、入管に行くと、不許可理由説明を受けることができます。審査官と個室で面談し、不許可理由に関して説明を受けることができますので、ここで不許可理由は判明することが多いです。
意外と多い「不許可理由説明にいっていない」と言う人
ただ、永住許可申請に関して相談に来た人の中には入管で不許可理由説明を受けることができることを知らないという人が時たまいらっしゃいます。また、仕事が不許可処分の通知書をもらったのだけど、仕事が忙しく、ついつい入管に行くのを後回しにしてしまい、数年近く経過してしまったという方もいらっしゃいました。
入管での不許可理由説明というのは、明確な日付が決まっているわけではありませんが、あまりに長い時間(1年等)経過してしまうと、不許可理由を断られることもあります。そうなってしまうとなんで不許可になったのかわからないという事態に陥ります。
不許可理由を分析することの重要性
不許可理由がわからなければ再申請をしても意味がない
もし、あなたが永住許可申請で不許可処分を受けたとしても、再申請をすること自体はできます。但し、前回の申請における不許可理由が全く分からない状況で再申請をしても、同じ理由が不許可になる可能性がありからです。
入管の審査官も役人です。彼らは法令や内部の審査基準を元に審査を行っております。不許可処分が出たということは、何かしら申請書類の内容に問題があったか、申請人の状況に問題があった可能性が高いです。
だからこそ、再申請をする前に、「なぜ前回の申請は不許可になったのか?」をしっかり分析することが必要となります。
不許可理由を分析するための方法
では不許可理由を分析するためには何をすればいいのか?
皆さんもこれが気になると思います。不許可理由を分析する為に必要なことはずばり「前回の申請で出した申請書類をチェックする」です。そう、申請時に出した書類をもう一回チェックするのです。
永住許可申請に関する審査は基本的に書面審査です。不許可理由というのも申請書類の中に隠れていることが多いです。
申請書類のコピーがない場合の対処法
申請書類というのは入管に提出してしまいますので、手元には残りません。コピーを取っていれば申請書類の内容を確認することができますが、大抵の人はコピーを取っていないです。
そんな場合、お勧めするのが「保有個人情報開示請求」です。あまり知られていないのですが、入管に提出書類に関しては開示請求をかけることがことができます。
https://www.moj.go.jp/isa/applications/privacy/index.html
そして開示請求が認められると、申請時に提出した書類のコピーをもらうことができます。弊所でも過去にいくつか提出書類の開示請求手続きを行い、入管から出された申請書類の写しを確認して、不許可理由が判明したことがあります。
再申請を検討されている方には、まずは「保有個人情報開示請求」を行うことをお勧めしております。
伊藤大智
行政書士
daichiito@kamalegal.com