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規制予告標識の規制実施基準及び設置基準の検討
規制予告標識と規制標識の間に迂回路があったりなかったりするのは交通の安全と円滑が図られているとは思わない
規制予告標識と規制標識の間に迂回路があるケース
規制予告標識と規制標識の間に迂回路が無いケース
バイパスや自動車専用道路インターチェンジ付近では規制予告標識と規制標識の間に迂回路があり側道に抜けることができることが大半だろうと思います。車両通行止めの規制予告標識は通過するものという経験則から、規制予告標識後に迂回路が無いケースがあると袋小路にハマってしまい、予告の意味合いをなしておらず、交通の安全と円滑が図られているとは思いません。
規制予告標識と規制標識は同一進路という基準
警察庁の「交通規制の目的、基準等」
にある交通規制基準の第4章交通規制の実施基準及び道路標識等の設置基準の第64規制予告を見ると基準に迂回路の有無は関係なく、規制目的が
「標示板に表示されている交通の規制が当該道路の前方の場所において行われていることをあらかじめ示すことにより、交通の安全と円滑を図る。」
対象道路が
次のいずれかに該当する場所
1 道路の構造又は交通の状況により、前方で行われている規制が認識しにくい場所
2 その他交通の安全と円滑を確保するため前方の規制をあらかじめ示す必要がある場所
設置場所が
標示板に表示される交通の規制が当該道路の前方の場所において行われていることをあらかじめ示す必要がある場所内の必要な地点
と、規制予告標識と規制標識が同一進路の前後関係を有することが基準の一つになっているようです。したがって「右折先〇〇mに車両通行止め」や「左折先〇〇mに車両通行止め」といった規制予告標識は進路が同一でないため基準を満たさず設置できないように思います。
設置方法の図例(1)
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https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/mokuteki/kiseikijun/240301kiseikijun.pdf#page=179
を見ると、規制予告標識後に迂回路がありません。したがって、交通の安全と円滑を図るために設置されたこの規制予告標識の意図を汲むと、「二輪の自動車以外の自動車は踏切を通れないから、規制予告標識と規制標識の間に用がなければ、右左折しないほうがいいよ」ということだと思います。
この図についてセンターラインが無い道に限定しているといった記述がないため、車線や車両通行帯の描写を省略していると私は解釈します。左右方向に走っている道路が片側複数車線の大きな道路で右折レーンや左折レーンが存在した場合、この図のように設置された規制予告標識を確認できるのは右折レーンや左折レーンに入り込んで右折するしかない、または左折するしかない状況になった時点です。
これは交通の安全と円滑が図られているとは言えず規制目的を果たしていないので基準が間違っていると思います。
設置方法の図例(2)
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https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/seibi2/kisei/mokuteki/kiseikijun/240301kiseikijun.pdf#page=179
を見ると、図に「う回路」と記述があります。この規制予告標識の意図を汲むと「この先〇〇mに大型貨物自動車等通行止めがあるから、規制予告標識と規制標識の間に用がなければ、規制予告標識の手前の道でう回したほうがいいよ」ということだと思います。
しかし、これは道路標識「規制予告(409-A)」の図例ですが、図外の規制実施基準・設置基準の文言に道に「う回路」といったような道路標示等を指示する記述がありません。したがって、図内の「う回路」の記述は単なる補足説明にすぎず、基準として定められていないと私は解釈します。
迂回路の案内がない場合、規制予告標識後に迂回路が存在する経験則があると迂回し損ねて袋小路に入ることになります。また、前述と同様に図の「う回路」に左折レーンが存在した場合、規制予告標識を確認できるのは左折レーンに入り込んで左折するしかない状況になった時点です。
やはり交通の安全と円滑が図られているとは言えず規制目的を果たす基準になっていないと思います。
運転手にとって規制予告と迂回路はセット
規制予告標識後に迂回路がないなら、必ず迂回路の案内をすることを基準を加えたり、規制予告標識の同一進路の前後関係を要する基準を変えて右左折しようとする前に「迂回路がないから右左折しないように誘導する」基準が必要ではないかなと思います。
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