暗闇のエーテル(第4章 レンズ工房)
目を覚ますとまだ薄暗かった。表が何やら騒がしい。もぞもぞと寝袋のジッパーを開け、様子を伺いに入口の扉を開ける。眠い目をこすりながらぐるりと灯台を半周して桟橋を眺めると大勢の人が蟻ほどの大きさで見えた。どこから現れたのか昨夜灯台のテラスから見た小型漁船の殆どに二、三人ずつ人が群がっている。女達は漁に使う網を積み、ビットに繋いであるロープを外している。
波止場には夜見えなかった大きな魚市場があった。ゴム長を履いた人々がフォークリフトを運転し、発泡スチロールの箱を運ぶなど慌た