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じっと目を見るのはあなただけ②

(241011 じっと目を見るのはあなただけ① 続き)

そんな風にあなたと近づくにつれて、あなたの無意識下の些細な仕草も見逃さないようになりました。あなたがわたしのことをちゃんとすきだと、自惚れてるくらいでちょうどいいって。

久しぶりに会って話して、あなたのワーカーホリックぶりは相当でしたね。あと職場環境も相変わらず。様子を伺いつつ、いそいそ寄ってきたと思ったら、ひたすらに大変だった話、大変な話が降ってきて、それはもう、ちょっと笑えるくらいに。

でももはや、それさえも愛おしい目で見てたの気づきましたか。素直にそう思ったんだよ。こんなに無茶苦茶なのに、なんで愛おしいって思うのかな。

楽しそうに、って訳ではもちろんないんだろうけど、とにかくわかってくれる人がきた!って感じで話すから、その日もずっとずっと聴きましたね。わたしはあなたの話に復唱ばっかしてるけど、なんでそんなに目を輝かせて話すの?

わたしがどんな気持ちだったかなんて、きっと考えてないんだろな。ふふ
それとも考えてるけど出ないだけ?
考えてるけど、自分の気持ちが先に出ちゃうだけ?
それとも、話してるこの瞬間も、そんな余裕なんてないの?
って思うのも、あなたと話し終わってからで。

不思議と話を聞いてる間は、そうかそうか、しんどかったんね、こうしてお話しできて良かったね、っていう気持ちにしかならないんだよ。
それと同時に、自分自身に対して、よくここまでがんばったねわたし、って気分になるような、そんな感じ。


一昨日も、昨日も、あなたが休みだと思ってたから会いたいねって言ってたんだよ。連勤して休日出勤してそんな遅くまで働いてるなんて知らないよ。
今日顔を合わせて話してなかったら、わたしが気づかなかったら、結構大事故だよ。一言教えなよ。察せないよ。エスパーじゃないんだよ。

でも今日の話しぶりだと、一言伝える余裕もなかったんだよね。あなたにとっては。あなたが言葉をさぼるから、今日わたしが大義名分を使って会いに来たんだよ。それが使えるのは、わたしの方だけだから。

「○○(用事)があったから来たの?」って本気で言ってるの?
それは大義名分ってわかるでしょ、顔見に来たに決まってんじゃん。
いや、あなたには分からないかな。

でも答えは「うん」って伝える。
「でももしかしたらお顔見れるかなとも思った」って続ける。
「でも来てみてよかった。〇〇もよかったけど、こうやってお顔見て話せたからそれがもっともっとよかった」ってずっと顔見ながらわたしは勝手ににこにこしてる。大義名分がお互いの何かを守ってる。

よかったって言ってにこにこしてるわたしに
「よかったですか」って。
あげたお菓子見ては
「こんなの持ってきてくれたんですね」って。

ねえ、何を確認してるの?ふふ
それは嬉しい時の顔だよね。
「僕も嬉しかったです」
「ありがとう」っていう言葉の代わりで大丈夫ですか。

ただでさえ前提が危うい中、「会いたい」をスルーされたら、言葉をサボったメッセージを送られたら、普通は笑顔で会いになんかこないよ。だって怖いもん。
拒否されてるのかなって。迷惑なのかなって。
もっといえば、ポジティブ通り越しておめでたいんじゃないかって。
おめでたい通り越してもはやわたしが利己的なんじゃないかって。

でもそうじゃないんだよね。あなたは。
今だってもちろん120パーセントの確証は得られないけど、何度もそうやってコミュニケーションを続けてきたし、正解を作ってきた。

自分が言葉をさぼっといて、返信を放置しておいて、
わたしが本当に怒ってないか確認してるの分かってるよ。
本当に大丈夫って言っても、わたしの顔見るまで信じてないでしょ。

わたしだって、あなたのスルーや幼稚で下手くそすぎる文面のせいで、
もしかしたらすべってるかな、なんか違ったかな、もう気なんかないんじゃないかななんて浮かんでくる思いを消しながら、
今日も先に、あなたにただ笑顔向けてるのわかりますか。

それに返って来る、どうしていいかわかんないような、あなたの何か探るような視線や表情で、わたしは今日も確証を得るんだよ。あなたは表情や態度が素直すぎて隠せてない。でも、顔見て安心するのは、お互いおんなじだね。


無視しちゃダメだと思ったからヘンテコなメッセージを送ってきたの?
それとも何とか辛い状況を察して欲しかったの?
前もこれですれ違ったのに、またおんなじ事やるの?

ちょっと疲れるね。ふふ

でもわたしもそれを無視して眠れるくらいには成長してしまったからね。
もっとも、それは返さないわたしを察して欲しいんじゃないよ。
返せない状況があることくらいは想像してくれてもいいけど。
余裕がない時に送ってしまったら、それは嘘の気持ちになってしまうから。
嘘の気持ちは知らず知らずわたしを削ってしまう。

「前もやめてって言ったじゃん。意図がわからないから怖く感じるしそれなら送らないで。」と
「多分しんどくてこうやって送ってしまったんだろな、わたしに向けた苛立ちではなくて。」は同じ割合で存在するのに、
後者を優位に立たせるには、心身の余裕が必要だから。

もっというなら、返せない状況でもあなたを気にかける気持ちは変わらない。
わたしも同じように捉えていいって、そんな会話ができるのはいつになるかな。


共感は難しくても理解はできる。
3ヶ月前、わたしの中でここに続く言葉は「理解はできるけど、適応できるかは別」だったし、あなたにもそう伝えたね。

今は「理解はできるし、今のところは適応できる」になったよ。伝えないけど。笑



続く




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