リアル #ひとりスケッチ合宿 をしてみてわかったこと
1
夫を置いて京都で一人暮らしをしている。
彼が上洛するのは8月の末である。
本来の滞在スケジュールでは、私も8月末ごろに引越し予定していた。
運よく街中の、家賃も比較的安いアパートを見つけられたのだが、契約の関係で6月中旬までしか待てないという。いい物件であるから2ヶ月分を多く払ったとしても借りたほうがいい、と話していたのだけれど、
「スケッチ修行をしたいから、6月末から京都に行かせてほしい」
と夫に願い出たのは私だ。
アパートの家賃が無駄になるし、何より7月からは1000年続く日本有数の祭礼が見られる。前回の日記にも描いた通り、祇園祭を観られたのは大変に良かった。(自分で言い出したのにも関わらず荷造りをしていた間は気が遠くなりそうだったけれど)
2
結婚で美術教師を辞める時は複雑な気持ちだった。(複雑というか無念だったという思いに近い。)しかし、50歳を過ぎて見知らぬ土地で生活するとは夢にも思わなかった。
Twitterでは、#ひとりスケッチ合宿っていうタグで10年ぐらい仮想合宿をしているのだけれども、今回は2ヶ月間の合宿のようなものだ。
毎日こんなに絵を描いて過ごすなど学生時代以外にはなかったことだから大切に過ごさねばと思う。
夫には本当に感謝している。
それにしても夫、よくもまあ、「行ってきなよ〜」と応じたものだ。
なんていい夫なんだ(絶賛)。
ひとりで過ごす京都は寂しくはあるが、新鮮でもある。
綺麗な菓子が並ぶお店を見る時「彼と一緒に食べたいな」と思い、通り過ぎる。9月には夫がやってくるから、その時に一緒に食べればいいのだと思う。
そしてまた、いつか配偶者を亡くした時の日々のこと想像もする。
いつになるかはわからないが、どちらかがどちらかを亡くし、二人で過ごした日々を懐かしく思うことが来るのだ。いまは、数日に1枚、夫にハガキか手紙を描いている。
3
リアルスケッチ合宿1ヶ月目の感想としては、
体力と根性がついた。
描くスピードが上がった。
「SNSなどで評価される人」と「現場でスケッチできる人」は違うってことがわかった。(こんかい、「現場で描く」ことを大切にしたいのであって、SNSで人気にならなくてもいいのだということを実感できた。出来栄えはどうあれ、現場で描く心地よさは格別であった)
それから、「絵を描いて生きる」って大変なんだなってことが心底わかった。絵を描くことに関しては努力を続けるつもりではあるが正直いえば毎日朝から晩まで、こんなにたくさんは描かなくていい。自分にとってのちょうどいいボリュームを探っていきたい。
夫が来たら家事に追われるし、仕事も始まるからまた違う気持ちになると思うけれど、適当に夫に甘え(甘やかし)て生きていきたい(笑)。
朝晩のスケッチ生活は続かない。大変すぎる。
合宿はあくまで合宿だなってわかった。