「アードベッグ10年みたいな女。あるいは檸檬とのフュージョンについて」
私はウイスキーが好きだ。
ハイボールでしゅわしゅわとさわやかでゆるやかな酔いに浸るのは良い心地だし、ロックやストレートで脳天をつきやぶるアルコールに笑いながら溺れるのも楽しくて良い。
しかし、最初から好きだった訳ではない。むしろお酒は苦手だった。
「お酒なんか無くたって、シラフで酔える!」がモットーだったのだ。
お酒を飲み始めて半年目、20才を半年過ぎた頃までは。
とあるバンドサークルのセッションで顔と雰囲気に惚れ込んだ男の子がきっかけだった。 それはあまりに突然で、2