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時代に即した物語

※ 口が悪いので読まない方がいいです


Audibleで『ほろよい読書』という小説を聴いている。お酒や料理にフォーカスを当てたオムニバス形式の作品なのだが、時世柄か同性愛や男女平等をテーマにした話が多い。

当然、マイノリティへの差別や男尊女卑などの問題が軽んじられていいわけはないし、今の時代そういった作品があっても別にいいのだが、この作品に関しては「ここでその同性愛設定いる?」などと違和感を抱いた箇所がいくつかあった。
世の流れに乗るためだけにねじ込まれた設定というか…なんというか強引だなぁと感じた。(もちろん純粋に面白く、温かい気持ちになれる話もあった)

やはり実力のない作者はそういった問題に理解があるフリをし、時代と単純な読者に媚を売り話題にしてもらう、といったような手法を取らなければ売れないのだろうか。
実際に、寄稿しているのは聞いたことがない作家がほとんどだった。もちろん私が勉強不足なだけかもしれないが。

コロナなどの問題も同様に、現実の世相を小説に反映するのはやめてほしいと常々思っている。

インスタントな娯楽で溢れかえっている現代で、わざわざ他人の空想を時間をかけて接種するのが好き、といった我々小説好きという人種はそういう陰鬱としたものからひと時でも距離を取りたくて物語を読んでいるのだから。

リアリティを孕んだ諸問題に鐘を鳴らすのは、うさんくさいビジネス書やどこぞの専門家()が出した啓発本なんかで十分だ。

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