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マーケティング施策と組織改革を経て、エリアNo.1を目指す。少子化時代に立ち向かう学習塾の取り組み
「今はもう、新規教室を出店すれば生徒さんが集まるという時代ではありません。」「これまでのやり方が通じない。危機感はありながらも打ち手がない状況でしたね。」
過去を振り返って、そう仰るのは八王子・町田・あきる野エリアで学習塾を9教室展開する、株式会社翔栄学院の及川社長です。今回お伺いした八王子みなみ野教室も、駅からの道すがらには大手塾を始めいくつもの学習塾が並んでいました。
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右 NYC シニアアソシエイト 駒野谷
少子化時代もさることながら、ネットやSNSの普及によりお子様や保護者様が情報を得る手段も変化しています。及川社長は後継者不在をきっかけに事業承継を考え始めたとのことですが、それ以外にも学習塾を取り巻く環境の変化が大きかったようです。
事業を守り引き継ぐだけでなく、さらなる成長基盤を作るために投資会社への事業承継を決断。2年が経ち、Webマーケティング施策と組織改革を進めることで「次のステージが見えてきた」と仰るこれまでの社内や及川社長ご自身の変化を、シニアアソシエイト・駒野谷と共に振り返りました。
【お話を伺った方】
株式会社翔栄学院 及川 裕巳氏
【株式会社翔栄学院】
八王子・町田・あきる野エリアに密着した集団学習塾を運営。アルバイト講師を登用せず、専任講師陣による質の高い授業、丁寧な指導により、生徒の成績向上・志望校合格を実現しています。2022年10月にNYCが投資実行。
http://www.shoeigakuin.co.jp/
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後継者不在と「これまでのやり方」からの脱却を目指し、事業承継を決断
ーーまずは、事業内容とNYCへ事業承継をご決断いただいた経緯についてお聞かせください。
及川氏
翔栄学院は昭和62年に友人と立ち上げ、多摩・あきる野・八王子エリアで地域密着型の総合進学塾として歩んでまいりました。アルバイト講師を登用せず専任講師陣による『わかりやすい授業』を提供し、『きめ細かい授業、学習指導』を実践することにこだわりを持ち、口コミを中心に生徒数を増やし現在はエリア内で9教室を運営しております。
私自身が60代に差し掛かって、自然と事業承継を意識するようになりました。親族へ引き継ぐことは考えておりませんでしたが、一方で社員にも適任者がおらず、ならば自分が動けるうちに成長基盤を固めておきたいと考え事業承継を決断いたしました。
様々な選択肢を模索する中で、NYCは年齢の若さが際立ちましたが、とてもエネルギッシュな印象を受けましたね。お若いながらもご提案いただく内容にも納得感があり、経験豊富でレスポンスも早かったため、非常にスムーズに話を進めることができました。
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及川氏
後継者不在も経営者としては大きな課題でしたが、一方で会社として自力での事業成長に難しさを感じていたことも事業承継に踏み切った理由のひとつです。
創業当初から口コミをきっかけに新規入塾者を増やしており、他には新聞などの折り込みチラシ、ポスティングなどを行っていました。ただ最近はネットやSNSで情報を得る方が増えてきたこともあり、これまでの知見が通用しなくなってきたという危機感はありました。
新規施策や経営判断は私ともう一人の創業者で行ってきましたが、ウェブマーケティングなどの知見もなく、専任スタッフを雇うことも現実的ではありません。外部の専門家に協力を仰ぐにしても、誰に、どのような形で頼めばいいのかもわからないでしょう。事業承継は事業成長を維持していくためにも必要な選択だったと感じています。
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NYC 駒野谷
学習塾業界全体が大きな局面を迎えているように感じますね。少子高齢化が進み、保護者の方々や生徒さん自身が情報を得る手段も変わってきています。価格面で強みを持つ大手塾の参入、入試制度やお子さんを取り巻く環境も大きく変化する中で、いかに変化を早くとらえ対応していくかはみなさん苦慮されているところでしょう。
課題のウェブマーケティング施策は専門家を交え大幅に改善
ーーここからはNYCへの事業承継後の取り組みについて教えてください。新規集客については、どんな施策を取り入れたのでしょうか?
NYC 駒野谷
初めに着手したのはホームページの改修です。その後リスティング広告やSEO、SNS広告など手段を増やして仮説検証を繰り返し、徐々に勝ち筋を見極めていきました。限られた予算でどう効率よく結果を出していくか、ある程度は成功パターンが見えてきましたが、絶対的な正解があるものではないですし、状況を見ながら複数の施策を走らせています。
ホームページの改修やウェブ広告については専門家と手を組んでおり、運用やクリエイティブの作成などはお任せしている状態です。基本はNYCが主体となってやり取りを重ね、及川社長とは運用成果を共有しながら、現場の反応を見つつ連携を取って進めています。
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及川社長
適切な専門家と繋いでいただき、スピード感をもって施策を勧められることはNYCと手を組んでよかったと感じる大きなメリットです。私たちだけでは業者の選び方もわからないですし、社内で誰が担当し、どう実行していくか、見当もつきません。
ウェブ施策を始めた当初は、正直なところ打ち合わせについていくだけでも精一杯でした(笑)。専門用語を調べながら話を聞いて、徐々に理解できることが増えましたが、社員に説明する際にも自分が全く理解していないことを発信するわけにいきません。
ウェブ施策に限ったことではありませんが、NYCの皆さんは本当に翔栄学院のことを真剣に考え、取り組み、ご尽力いただいていることを日々感じています。だからこそ私がNYCと現場の社員との間に立ち、調整役として伝えるべきことを伝え、社員にも私自身が変わっていく姿を見せていく必要があると考えていますね。
NYC 駒野谷
最近は先生方からの発案で、新しい集客チャネルを増やしましたね。NYCへの事業承継から2年が経ちますが、他塾の取り組みを知って翔栄学院でも取り入れようという動きが出てきたり、教室で独自のキャンペーンをやってみようとか現場主体での取り組みも増えており、先生方の意識も大きく変わってきていると感じます。
もちろん、初めからすべてがうまくいくことばかりではないですが、現場の先生方が自分事として経営や集客を考えていただけるようになったのは大きな変化です。
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人事制度の見直しと経営人材の育成で、事業拡大フェーズを目指す
ーーNYCへの事業承継を経て、現場の先生方にも様々な変化が出てきたというお話がありましたが、及川社長からは社内にどんな変化を感じますか?
及川社長
やはり最初は驚かれたと思いますし、戸惑いもあったでしょう。塾講師だから授業をすること、生徒や保護者の方々への指導が仕事だというスタンスの方がほとんどだったと思います。以前は会社の経営状況や数字面について社員に語ることもあまりなかったですし、逆に社員の声を経営陣が拾う機会や仕組みもありませんでした。
今は各教室ごとに経営管理を任せる取り組みを始めています。例えば授業で使用する教材の価格を知ってもらったり、集客に向けたイベントを企画運営していただくと、収支もわかるようになります。経営をオープンにすることで、主体的に考え行動できる社員が増えてきました。さらにその取り組みがきちんと評価されるよう人事制度を整えることで、徐々に意識が変わってきたと感じます。
またNYCへの事業承継を経て、私自身も経営に対する意識が大きく変わりましたね。以前は私ともう一人の創業者とで話し合ってあらゆる経営判断を行っていましたが、今はNYCと共に会社を経営する立場です。
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駒野谷さんを始め、NYCの皆さんは自分たちで思いつかないような解決策やアドバイスをいただけて、かつ常に寄り添ってもらえるため安心感があります。また、初期的には社員と対面で話す機会を設けたり、教室間の交流も増やし、さらにチャットツールを導入して些細なことでも声を上げやすい環境を整えてきました。
現場を巻き込みながら、組織風土や社員の意識の変化はこの1年ほどでやっと目に見える変化が出てきたと感じています。今はNYCと、社員と、私たち経営陣と、組織で会社経営をしている実感がありますね。
NYC 駒野谷
人事制度の設計は早い段階で着手しましたね。役割と給与レンジを紐づけ、半期ごとに目標設定を行い、評価とフィードバックを行うようになりました。
初めは何を目標に立てたらいいかわからない、評価をする側もされる側もどのようにしたらいいかわからないという状況から、少しずつ努力や期待感が見える化されることで、モチベーションにも繋がります。まだ制度と実情のギャップは完全になくなったとは言い切れませんが、かなり定着してきたと感じます。
NYCとして翔栄学院の新規集客のマーケティング施策も進めていますが、一方で最終的な入塾の決め手になるのは現場で対応いただく先生の手腕に頼る部分も大きいため、両軸が揃わないと成果には繋がりません。情報を適切に開示し、各教室、先生方のおひとりおひとりの顔が見える関係性を作りながら、徐々に成長基盤ができてきました。
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投資会社と手を組むことで、圧倒的なスピード感で大きな変化を感じられる
ーーNYCへの事業承継から2年が経過しました。これまでの基盤づくりを踏まえて、これからを見据えた取り組みがあれば教えてください。
及川社長
新教室の出店に向けての動きを増やしていきたいですね。ただ、昔のように「教室を増やせば人が集まる」いう時代ではありません。翔栄学院として培ってきた専任講師による質の高い授業やエリアに特化した受験対策といった強みを活かしつつ、集客を含めた教室経営をしっかり担える人材が社内に増えることで実現できると考えています。
またNYCの皆さんが主体となって、現場の先生方に向けて教室経営を学ぶ経営研修を立ち上げていただきました。このような取り組みは私一人では考えつかなかったですし、NYCが持つ経営のノウハウを惜しみなく共有していただけるので成長スピードはどんどん加速していると感じます。
NYC 駒野谷
NYCへの事業承継からこの2年間は、言わば基礎固めを行ってきた時期でした。さらにここから事業の拡大フェーズへと移行していきたいですね。これから徐々に教室ごとの経営管理が定着し、現場からアイデアが出て実行から検証まで行い自走できるようになれば、今後の新規教室展開にも追い風になっていくでしょう。
翔栄学院はいわゆる大手塾でも個人塾でもない、地域に根差したローカルチェーンという立ち位置を目指しています。地域との結びつきを深めながら、経営目線を兼ね備えた人材が社内に増えていくことで、認知拡大や事業成長を実現していきたいと考えています。
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ーーお話を伺う中で、学習塾がおかれている様々な経営課題が浮き彫りになってきました。自力での事業成長に課題を感じる経営者の方々へ、投資会社への事業承継という選択肢をどう感じていらっしゃいますか?
及川社長
昨今の学習塾を巡る経営状況は、これまでになく難しくなっていると感じています。マーケティングや価格面に強みを持った大手塾の参入が増え、子どもや保護者の方々を取り巻く状況も大きく変化し、個人での塾経営はどこも強い危機感を持っていると思います。
ただ、経営に対しての考え方についても、集客方法についても、これまでのやり方にこだわっていたら事業は衰退していってしまいます。NYCのみなさんは幅広い業種・業界の経営支援を行われているため、社内で出てこなかったようなアイデアや施策を次々とご提案いただけますし、現場の社員と共に歩むパートナーだと感じています。
経営者がひとりで悩んだところで、これまでの知見に頼るだけでは良い解決策は生まれません。社員はもちろんですが、私自身もNYCへの事業承継を経て、経営者として様々な気づきや変化がありました。NYCが培ってきた経営のノウハウを受け取ることで、短期間で大きな変化をもたらしてくれるということが一番のメリットですね。
NYC 駒野谷
これまでの翔栄学院との取り組みを振り返ってみると、様々な施策を進めながら、時にはうまくいかないことももちろんありました。ただ結果がどうであれ適切に振り返りを行い、すぐに次の施策を考え精度を上げていくことは私自身が心掛けていたことですね。
また、提案と施策を行うことや経営者の良きアドバイザリーになることは、あくまで手段であって最終的な目的ではありません。NYCへ事業承継を行い会社の未来を託していただいた経営者の方々、現場で業務にあたっていただく従業員の方々のためにも、数字で見える形で会社が良くなっていることを示していくことが投資会社としての責任です。
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NYC 駒野谷
NYCのミッションとしても掲げていますが、新しいアイデアを持ち合わせ、経営へ泥臭くコミットし、しっかりと結果を出すことにメンバーそれぞれが本気で取り組んでいます。
私自身も翔栄学院に取締役として関わっていますので、浅い理解で施策を進めたり、外部の専門家がいるからと言って丸投げすることはできません。NYCグループ企業が増えることでインプットも増えますが、経営や人材育成のノウハウが蓄積されることでより早く、多くの企業を支援しその価値を引き継いでいくことができます。
現場と共に歩み、中小企業を支援していきたいという想いはこれまでもこれからも変わりません。これまでの取り組みを踏まえ、事業承継から3年目を迎える翔栄学院がさらに上のステージを目指していけるよう尽力していきたいですね。
翔栄学院の事業承継の経緯や組織改革については、こちらの記事も併せてご覧ください。
【弊社youtubeでは及川社長に、事業承継のリアルな体験をお話いただいております】
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※記載内容は2024年10月・取材当時のものです。
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