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スマホの功罪を問う
世は AI 時代です。
昨今「デジタルデトックス」なる言葉を耳にしますが、そんなことはお構いなしに情報はさらにあふれ、AI までもが創造力を競い合うという時代にあって、我々はどう生きるべきなのでしょうか。
いまや片時もスマホを手放せないボクたちが、情報の豊かさを享受する代わりに失ったものは何なのか。
そういうことをボク自身のエピソードを交えて深く掘り下げ、現代のスマホ社会への警鐘を鳴らしてみようというのが今日のテーマです。
何だか、のっけから地雷臭がします。
スマホを持たないボク
まず、ボクの言う「スマホ」には、タブレットや小型の情報端末も含まれるとお考えください。
というのも、ボクはスマホを持っていないのです。
これはある意味、ボクの仕事的には爆弾発言ではあります。
ウチはデザイン事務所なので、ホームページを作ったり、イベントの企画で紙面とスマホを連動させたキャンペーンを行ったりすることがあります。
いわゆる販促・プロモーションがメインの仕事ですから、お客さんには
「いまどき、SNS を活用した集客はマストです」と説明して、モデルさんやインフルエンサーに、その運用を依頼したりもします。
そんなことを生業とする人間が、スマホを持っていない、SNS も年始から書き始めた note が初めて、というのですから摩訶不思議な世の中です。
ボクがスマホを持たないのは「必要ないから」という理由に尽きます。
ボク自身も、かつてはデザイン制作をしていましたし、今でも Xcode で簡単なアプリくらいは作れたりします。
でも、ボクの生活にはスマホは必要ないのです。
老眼なので小さい文字を見たくないというのもありますが、電話はガラケーを持っていますし、競馬場へいくときはタブレットを持参し、モバイル Wi-fi を利用すれば事たります。
余談ですが、武豊騎手も数年前までスマホを持たず、ガラケーを使っていたそうです。
香港の国際レースに出場する際、専用のアプリが必要になり、仕方なくスマホに乗り換えたという記事を読んだ覚えがあります。
まぁ、とにかくボクはスマホを持たず、地球上で最後のガラケーユーザーになるまで頑張るつもりでいるのです。
サブスクあるある
ここから本題に入ります。
ウチの事務所には社用の iPad がいくつかあるのですが、ボクは Amazon や楽天のブックサービス(サブスク)に加入していることもあり、この端末でよく本を読むのです。
ボクは雑誌が好きで、オールジャンルどんなものでも読みます。
「新潮、文春」などの週刊誌はもちろん、「ヴォーグ」や「マリ・クレール」みたいなファッション誌、ほかにも旅行ガイドやペット関連のムック本、いま見たら「すてきにハンドメイド」とか「日本の城100選」なんていうのもダウンロードしていました。
わざわざ、お金を出してまで買わないという雑誌でも、サブスクなら気軽に読めて、自分の知らない世界をのぞけるというのが楽しいのです。
この間、こういうことがありました。
事件と言ってもよいと思います。
その日、ボクはデザイナーのRちゃんと一緒に、取引先での打ち合わせに出向きました。
取引先というのは都内のとある劇場で、近々リニューアルを行うため、そのデザインまわりをウチが手がけています。
ボクのお客さんは、いわゆる業界や現場の人が多いのですが、そういう人たちはオンラインではなく、今でも対面でのやり取りを好むことが多いのです。
ボクはデスクワークをするよりも外に出るほうが好きなので、お客さんに呼ばれることは、やぶさかではなく、この日も気楽な気持ちで出かけました。
で、打ち合わせの途中、お客さんに
「デザインのサンプルをお見せしましょう」ということになって、ボクは持ってきた iPad を立ち上げました。
すると、あろうことか画面には、事務所を出る前に見ていた、えなこちゃんの水着のグラビアが現れたではありませんか。
「あー、kindle 閉じるの忘れたー」と心の中で舌打ちします。
(過去には Gallop の出馬表が出てきたこともありました)
一瞬、沈黙があったのですが、でも、こういうときは、いつもRちゃんが機転を利かせ
「失礼しました。それは別の案件で使った宣材なんです。ウチは紙面もやりますので」
とフォローしてくれるのです。
ボクもすかさず
「そうなんですよ。えなこちゃん、ご存知です?なかなか性格のいい子なんですよ」
と知りもしない話をテキトーに繋げます。
「あぁ、そうなんですね」と、うまく誤魔化せたどうかは分かりませんが、何とか事なきを得たのでした。
もちろん、打ち合わせの後にはRちゃんから
「社用の iPad でフライデー見ないでって言いましたよね!」
と叱られました。
「サブスクあるあるだよねー」
「ねーよ!」
そんな、ほのぼのムードの中、ボクたちは帰りの途についたのでした。
えーと、今日のテーマは何でしたかね?
そうそう、スマホの功罪についてでした。
現代人がスマホの恩恵を受ける代わりに手放したものは何か。
んー、まぁ「羞恥心」あたりではないでしょうか。
ボクの場合は、ですが。
皆さんも客先でタブレットを開くときには気をつけてくださいね、という話でした。