瞬間小説『スパイ大失敗』
俺は、卓越した運動能力と明晰な頭脳を買われ、政府直属の極秘スパイ部隊のメンバーになった。初仕事は、未だに誰も達成できていない任務、いわゆるミッション・インポッシブルというやつだ。
さっそく、当局からの指令がテープレコーダーで再生される。
「さて、今回の任務だが・・・。」
お、さすがこのあたりは、昔テレビで見たスパイ番組と同じだ。
どうやら任務の内容は、某犯罪組織幹部の拉致らしい。確かに楽なミッションではないが、達成不可能という程の難易度とは思えない。なぜこれまで誰も達成できなかったんだろうか? 俺が優秀すぎるから、そう感じるだけなのか? 任務の内容より、そっちの方が気になってしょうがない。一体なぜなんだ?
「・・・例によって、君もしくは君のメンバーが捕らえられ、あるいは殺されても当局は一切関知しないからそのつもりで。なお、このテープは自動的に消滅する。」
お約束のセリフと共にテープの再生が終了すると、テープレコーダーからすさまじい閃光と核エネルギー並みの高熱が放たれ、隠れ家ごと俺を包み込んでいく。
俺は消滅しながら、手を打って納得した。
「なるほど!」
<完>
☆表紙絵 by さとねこと さん → https://note.mu/satonekoto
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