夢で逢えたら
ノンフィクションです。
#明け方
一度目が覚めて時計を見ると5時過ぎだった。
愛猫にごはんをあげるのは7時と決めている。
あと2時間弱ある。
もう少し眠るか…。
#友人たちと遊ぶ夢をみた
ショッピングモールの一画にあるカフェスペースで、
男女も年齢も様々に、楽しく会話をしていた。
前からオーダーしていたバッグがやっとできたらしい。
彼女はひとり立ち上がり、色々な持ち方でみんなにも見せる。
確かにあまり見ないデザインで、素敵だと思った。
#彼女たち
少し離れた席の青年の視線が気になった。
どうやら彼女たちに見とれているらしい。
一回り以上離れた後輩女性を見て、心の中で改めて思う。
(そうそう、やっぱ可愛いよね、おじさんも知ってる)
僕はわざと彼女たちに話しかける。
「結構久しぶりだよね? 前は何の時だっけ?」
話しかけていることに少し優越感のようなものが湧いた。
感情を拭って、我ながら意地が悪いと苦笑した。
(おじさんが何を張り合っているんだか、やれやれ)
すると遠巻きの彼が突然立ち上がって、こっちに向かってきた。
(何何? どうしたどうした?)
決心を固めたような、強い意志が宿った顔つき。
(着火してしまったか?)
手もギュッと握りしめている。
擬態語をつけるなら“ズンズン”といったところか。
(いきなり告白するの? どっちに?)
…そこで目が覚めた。笑
#不思議
時計は7時10分を指していた。
しまったしまった、ごはんごはん、ごめんごめん。
立ち上がってキッチンに向かい、猫のごはんに手を掛ける。
何だかやけに可愛かったなぁ、とムフムフ思い返す。(キモいw)
コロナの影響もあって、もう半年以上は会っていない。
「◯◯ちゃん、元気かなぁ」
ボソッと独り言を呟いて、ハッ!とした。
もう1人は誰???
“彼女たち”じゃない、“彼女”。
可愛い後輩女性は現実には1人だけ。
あんなに細部までリアルで、全員実在する人たちだった(はずなのに)。
そう思った瞬間、実在しない方の女性の顔がみるみるわからなくなった。
※画像はイメージで、実際の後輩女性ではありません。あしからず。