日本国憲法 総論その1
日本国憲法 前文と、憲法の特色について
憲法は、国民の権利や自由の保障を目的とし、国家権力を制限するために作られた国の基本のルールです。
日本国憲法 前文は法的拘束力があると考えられています。
なので、99条で書かれている、憲法を守らないといけない人たちに日本国憲法 前文の拘束力が及びます。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
日本国憲法 前文
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
『そうだ、憲法を知ろう』 という、憲法を分かりやすく説明してるサイトで、前文について詳しく記載されています。
99条に憲法尊重遵守義務がある者が書かれてます。
憲法を守らないといけないのは99条に書かれてる者です。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
・憲法は、人権を保障する規定を多く決められていて、その規定の多くが「〇〇の自由」という名称なので、国民の自由を基礎付ける法です。
・憲法で自由を定められてるということは、同時に国家権力に対してこの自由を妨げてはいけないと宣言してるということです。
・憲法は法律等のどんなルールよりも上位に位置づけられている最高法規です。
以上が
・自由の基礎法
・制限規範
・最高法規
という憲法の特色です。
ちなみに制限規範は国家権力を制限するものであって、国民を制限するものではなく、むしろ国民の暮らしを守るものです。
国民は憲法を守らないといけないとは書かれていません。
あくまでも憲法を守らないといけないのは国家権力です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?