にゃんたろう

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最近の記事

【短い物語】 魔法のメガネ

なんかさ、 ふと思うんだけど、 魔法のメガネか何かで、 服の中が透けて見える、なんてことは、 たまに未来道具で想像しちゃうけど、 ほんとにできちゃったら、それはもちろん社会的に問題だから、 そんなメガネは発売されないだろうけど、 服の中、を飛び越えて、 相手の内臓が見れるようなメガネとか出てきちゃったりすると、 なんかそこまで問題にならなそうな気もしていて、 だって普段、自分がどんな内臓で、相手がどんな内臓か、 なんて気にもしてないから、 別に見られた

    • 【短い物語】 電車と売り子

       電車というものはいいものだ。  座っているだけでどこかに連れて行ってくれる。  窓から見える景色もいい。変わらない景色だったとしても、自分とは違う世界がそこにあるのだと想像させてくれる。  ふと感じることがある。  今、窓から見えて、通り過ぎて行ったあの人は、どんな世界を見ているのだろうか、と。  それは絶対に知り得ない。自分とはまったく違う。か、どうかもわからない。わからない世界。  そう、わからない世界。  それが電車の「外」なのだ。  ふと気づくと、あちらのほ

      • 【短い物語】 1日世界

        「おはよう」  そう言うと、我が家の執事ロボットはこう応える。 「おはようございます。今日はどんな1日にしましょうか」  毎回同じことを問うてくる。さすがはロボットだ。やはり人間にしか分からないのだろうか。今日という1日は、昨日の延長線上だということを。  今日なんてものは、だいたい朝起きた時点で決まっているものなのだ。 「いつものようにしてくれ」  そう指示する。 「わかりました。「いつものように」という1日でございますね」  ロボットは応える。  ロボット

        • 【短い小説】 第二章 身なり

           ある時代、その社会では、クラスという「階級」が人々に与えられていた。その「階級」が、社会を構成していたと言ってもいい。 「その身なり、クラスCか?」  そう言われた母子は、 「すみません、すぐ道をあけますので」  見ると、子が道の真ん中に座り込んでいた。  どうやら、道沿いの家の脇に入った猫を探していたらしい。  そこへ「上級」のクラスBの人間が通ろうとしていた。つまり、クラスCの母子の「上級」の人間だ。 「下級」の人間は、「上級」の人間に、逆らってはならない、その

          【短い物語】 宇宙カジノ船

           トントン、とノックする音が聞こえた。 「失礼します。お昼のお食事が出来ました」  部屋の脇に、荷物などを出し入れさせる専用の小窓がある。  その小窓を開けると、きれいに1つのプレートに乗せられた昼食が置かれていた。それを受け取ると、おれは小窓を閉めた。  小窓と言っても透明なガラス部分はなく、そのほかにも、この部屋には外が見える窓はない。  その小窓を開けて食事を取る際も、食事が置かれているスペースの奥にもうひとつ扉があり、こちらが開ける時には奥側が閉まっているので、外

          【短い物語】 宇宙カジノ船

          【短い物語】 青いバラの花言葉

          電車の扉が開く。並んでいた何人かが乗り込む。 自分以外の人たちは、空いていた席に座りに行く。 そんなに混んでいない時間。空席率は60%といったところか。 別に、座ろうと思ったら座れるが、 自分は座らず、扉の横のスペースに立つ。 なぜか。 誰にも邪魔されないスペースだからだ。 ここであれば、立ちながらではあるが、扉側に体重を預けることができる。 混んできた時に、立つべきか悩むこともない。 電車の絶対領域だ。 そんな扉の横スペースを今日も獲得することができた。 ここから

          【短い物語】 青いバラの花言葉

          【短い物語】 脱出させてくれない迷路

          「では、どうぞ」  この無機質な案内音声を聞くのも何度目だろうか。  2つの扉があり、その扉から始まる無限の迷路が、俺をこの空間から脱することを許さない。  さっきは左の扉を、そのまえは右の扉を開けて進んでみた。  そのまえは、右のあとまた右を選び、そのまえは、右のあと左を選んだ。  しかし、その先にまた2つの扉が出てきて、選択を迫られる。  本当に出口はあるのだろうか。  あるひとつの疑念が生まれる。 「この扉の先にある道が、都度変化しているのではないか」  そう考えて

          【短い物語】 脱出させてくれない迷路

          【誰かの独り言】 敵と仲間の違いについて

          ふと思ったこと。 なんとなく、最終的に「裏切られる」かどうかが、その冒険の「苦悩度合い」を決める。 ただ、当初にはなかなかわからない。 冒険の序盤にわかるのは、その時点での「共鳴度」だ。 共鳴度というのは、ざっくり言って終えば、「気が合うかどうか」で、仲良くなって一緒にいることが多いかどうか、ということ。 冒険の中で、「ぜひ一緒に仲間になって冒険しよう!」となるのが、共鳴度が高いキャラだ。 だから、 冒険のストーリー全体で登場するのは、こういう4種類のキャラに分かれる

          【誰かの独り言】 敵と仲間の違いについて

          【短い物語】 幸せとは何か

           幸せとは何か、  それは、常に良い選択をした結果、得られるものだろう。  かならず行動には選択肢が存在する。  そんな選択肢の中で、何らかの基準をもち、結果良い選択をした時に、その都度、快感が得られる。  そして、そんな快感の蓄積総量が、幸せというわけだ。  だから、  都度生まれる選択肢から最良の選択をし続けようと思考することが、幸せへの道ということなのだ。 「おはよう」  目が覚めると、彼女が私に声をかけた。 「おはよう」  私は同じ言葉を彼女に返した。  

          【短い物語】 幸せとは何か

          【誰かの独り言】 夢の国

          もしも、ぼくが王様だったとして、 ゼロから国を、無限の資源をつかえるとして、 理想の王国をつくるとしたら、何をつくるだろう。 理想の街、 たぶんそれは、四方に自分好みの四様な景観が広がる。 北にはヨーロッパのような街並みで、 石造の厳かな建物が並ぶ。 時折、寺院のような人々が集まる場所もあり、 夜になるとライトアップされ、高台から見ると、雰囲気の良い景色が広がる。 南にはアジアの市場のような雰囲気で、 活気があって、野菜や果物、お肉やお魚が露店で売り買いされている。 背

          【誰かの独り言】 夢の国

          【短い物語】 冒険者の苦悩

          ここはゲームの世界。 どうやら俺は「勇者」となり、仲間を集めて、「冒険」に出るらしい。 まさに今、その「冒険」がはじまるところだ。 ちなみに今いる場所は、「はじまりの村」 ここで、「王様」から冒険に出ることを言い渡され、出発する。 まずは、「はじまりの村」の周りに出る、弱い「魔物」と戦い、 「レベル」を上げて、「次の村」へと「冒険」を進めていく。 そんな流れが、この「冒険」の「進み方」だそうだが、 ひとつだけ大きな留意点がある。 それは、死んだら「リセット」されると

          【短い物語】 冒険者の苦悩

          【短い物語】 戦い続ける人の病

          「待て、止まれ!」  そう言うと、前の男の鼻先を弾丸がかすめた。 「お、おう、助かったぜ・・・」  目の前の男は俺の肩に手を置きながら礼を言ってきた。  戦いの中に身を置き続けて長くなると、戦場の大局が目に見えるようにわかる。  頭の中で、空から見た地図を同時に見ているかのようだ。  もちろん敵の配置もわかる。敵の狙い先もわかる。だから、指示も的確に出せる。  しかし、他のメンバーたちにはわからないらしい。  目の前の景色だけで精一杯らしい。  俺が見えている地図は一切見

          【短い物語】 戦い続ける人の病

          【誰かの独り言】 本当に教えて欲しかったこと

          天使と悪魔がいる。 しかし世の中難しいのは、 天使の顔した悪魔と、悪魔の顔した天使が、いることだ。 この見分けが本当に難しい。 いや、見分けようと思うのが間違いなのかもしれない。 けれど天使は必ずいる。 その上で、自分が天使になりたいと願うのであれば、 天使たちが集まる場に身を置くべきだ。 そして天使たちが集まる場も必ずある。 辿りつかない間は苦しいが、 辿りついたら先には当然幸せが待っている。 がんばれ。 天使になろうとしながら目指せば、必ず辿りつくはずだ。

          【誰かの独り言】 本当に教えて欲しかったこと

          【誰かの独り言】 人生ゆえに泥酔する

          社会を生きるということは、社会が用意したステレオタイプに自分を合わせるということであり、それは誰かの真似をして生きることとも言える。 誰かの真似であるならば、そこに自分なんてものは存在せず、ただの器として自分は存在し、中身は外から与えられたなにかでしかない。 つまり、頭で社会にあわせようなんて利口に考えてるうちは、自分の人生なんてものは存在しない。 それっぽく振る舞い、それっぽく話し、それっぽい役割を果たして、人生の幕を下ろす。 なんて、くだらない。 ならば頭をとっ

          【誰かの独り言】 人生ゆえに泥酔する

          【誰かの独り言】 「相談」と「雑談」と「応援」の不思議な関係

          相談するのは難しい。相談したいとは思うが、どうも相談しにくい。 相談しようと思うと、とても億劫になってしまう。 なぜだろうか。 それは「相談のはじめ方」が難しいからではないだろうか。 相談のはじめ方には3種類ある。 1つ目は、Yes/Noや選択式で答えられる設問でのはじめ方。 「これ買ったほうがいいかな」「今の仕事辞めるべきかな」や、「どっちのほうがいい?」など。 ぶっちゃけ、ここまで悩みが言語化されているなら、もはや自分のなかで決まっていることが多い。自分の答えを後押

          【誰かの独り言】 「相談」と「雑談」と「応援」の不思議な関係

          【短い物語】 チャンスの追いかけ方

          自宅の近くに喫茶店ができた。 別に洒落た店じゃなくて、よくあるチェーン店だ。 その店ができて少し経ったあるときから、毎日通っている。 お目当ては、店長の女の子だ。 ずばりタイプである。 見た目、雰囲気、話し方、すべてがど真ん中だ。 そして、通っている間にわかったのは、その日のバイトが一斉に休憩に入る時間帯がある。ランチどきのピークタイムの少しまえだ。 ゆえに客席も嵐の前の静けさをみせるように、店内がまばらになる。 つまり、店長を独占できる確率がとても上がる時間帯なの

          【短い物語】 チャンスの追いかけ方