一般的な4つの情報ニーズとは?
主にウェブサイトやアプリを使うとき、私たちは頻繁に「情報を探す」行為をしています。
特定の探しものが決まっている場合もあれば、特に決まっておらず、何か良いものがあれば良いな、くらいにしか思っていない場合など。
書籍「情報アーキテクチャ」を読んで、学んだことを自分なりの解釈を交えて一部アウトプットしてみようと思います。
この本では、人が情報を探す時の行為を魚採りの比喩を使って4つの情報ニーズに分けて書かれています。
参考書籍「情報アーキテクチャ 第4版 —見つけやすく理解しやすい情報設計」
https://goo.gl/zM8RSW
1. 欲しい魚の一本釣り(既知情報探索)
2. 罠かごでのロブスター捕獲(探求探索)
3. 流網による無差別捕獲(全数探索)
4. 「白鯨」くん、また会ったね(再検索)
1. 欲しい魚の一本釣り(既知情報探索)
“一本釣りをしたい時、あなたは探しているものが何か、誰に聞けばいいか、どこで探せばいいのかを知っています”
例えば、東京都の人口を知りたいと思った場合、Googleなどの検索窓に「東京都 人口」と入力すると、Wikipediaで「人口は13,784,212人(2018年4月1日現在)」と知ることができます。
これは自分が探しているものが何かハッキリ分かっており、どう探せば見つかるのかを知っています。
ある企業サイトを閲覧中で、資本金がいくらか知りたいと思った場合、ナビゲーションに「実績」「会社概要」「お問い合わせ」があるとしたら、きっと「会社概要」の中に書かれているだろうなど、どこを探せばお目当の情報があるかを知っています。
他にも色んなサービスを利用する際、例えば以下のような探索行為をします。
・動画見放題アプリの中で「007が見たい」と思い探す
・App Storeでゲーム「どうぶつの森」をやりたいと思って探す
・Facebook上で友人の名前を探す
・Amazonで本「情報アーキテクチャ」を読みたいと思って探す
・メモ帳の中からある特定のメモを探す
これらの場合、ユーザーは「特定のもの」を探しているので、コンテンツの量が膨大であれば自由にキーワードを入力するような、検索フォームを置くとユーザーは探しものを最短で得る事ができるかもしれません。
2. 罠かごでのロブスター捕獲(探求探索)
“探求探索をしているユーザーは、自分が本当に探しているものを把握していません。”
“ユーザーは検索やブラウジングのプロセスで自分が何を求めているかを知るのです”
“ユーザーはいくつか良い結果を得られれば満足で、それを踏み台として次の検索を繰り返します”
“探求探索の終わりは、はっきり定義できません”
これらはウィンドウショッピングに似ていると思います。
見て回るということ自体が楽しみだったり情報収集をしていたり。
特定のものが欲しいと思って訪れているわけではなく、何かいいものがあれば良いな、と期待感がある状態です。
例えば
・動画見放題アプリで「洋画のアクションで面白そうなのが見たい」と思って探す
・App Storeで「人気の無料ゲームで何か面白そうなのないかな」と思って探す
・Facebookで「最近の友人の投稿で何か面白そうな投稿はないかな」と思って探す
・Amazonの「この商品を買った人はこんな商品も買っています」から面白そうな本を探す→探した本からさらに関係性の高い商品をさがす
自分が興味のある画像や文言をキッカケに、そこからさらに探索していく…。
これらの場合、人気ランキングやおすすめ、カテゴリごとなどの探索の切り口を用意することで、ユーザーはウィンドウショッピングのようにコンテンツをブランジングしていくのだと思います。
そして探索の切り口は、サービスの特性によって様々な切り口を用意できるかもしれません。
例えば、待てば無料で漫画が読めるアプリでは「待てば¥0」「今だけ¥0」の切り口が用意されており、その中から作品を探すことができます。
3. 流網による無差別捕獲(全数探索)
“「関連情報をひとつ残らず知り尽くしたい」と思うこともあるでしょう”
“「あらゆる物を手に入れたい」時に行うのは全数探索です”
“ユーザーは特定のトピックに関するものは何もかも、一つ残らず探しています”
”この場合、ユーザーは多様な言い方で探しているものを表現でき、さまざまな用語を駆使して忍耐強く検索を続けます”
“この場合のユーザーは、他の情報ニーズと比べてより多くの検索結果を辛抱強く渡り歩いていきます”
この場合も2の探求探索と同様に、探索の終わりはハッキリ定義ができず、探求探索と似ているように思いますが、”多くの検索結果を辛抱強く渡り歩く”ところから、情報を探す時の姿勢が違う気がします。
探求探索では、2~3個良い結果が得られれば満足なのに対し、全数探索は「関連する情報は調べ尽くしたい」探索姿勢です。
例えば、世界にはどんなカレーがあるのか調査したいと思った場合、「世界 カレー 種類」などと検索していき、味や名前、特徴などを検索していくと思います。
あるアーティストの大ファンで、このアーティストが発売したアルバムやDVD、グッズ、ライブ、インディーズ時代のもの、プロフィール情報や生い立ちなどそのアーティストに関する情報は全て知りたいといった場合は忍耐強く検索を続けるかもしれません。
ほかにもUXデザインとは何か?を調べるときに「UXデザイン」「人間中心設計」「ユーザー体験」などと様々な言語を駆使して検索を続けていくと思います。
これらの場合、キーワードを入力した時にそのキーワードと関連性の高いキーワードが自動的に表示されるようなサジェスト機能や、〇〇を含まないなどのNOT検索など、全数探索するユーザーの検索をサポートするような機能があると嬉しいかもしれません。
4. 「白鯨」くん、また会ったね(再検索)
“もの忘れと忙しいスケジュールのために、これまでに見つけた便利な情報の断片を再検索せざるを得ない場合があります”
例えば、あとでまたこの記事をみたいと思った場合は、「お気に入り登録」や「履歴」などからすぐに情報にアクセスできるのが有効だと思います。
まとめ
これらのユーザーの情報ニーズは、1サイトもしくは1アプリに1つのニーズがあるわけではなく、情報の探索行為は時と場合によって変化するものだと思います。
そのサービスで提供しているものの特性や、ユーザーはそこで何を見つけようとしているのか?を知ることができれば、最良の方法で探索の手助けができるのだと思います。
一般的な4つの情報ニーズについて学んだことを自分なりの解釈を交えてまとめてみましたが、間違っていたり、他にもこんな解釈があるよ、といった場合は教えていただけると嬉しいです。
引き続き本は読み進めて、気になったことがあればまとめていこうと思います。