パパ活嫌いの「sio 代々木上原」レビュー/感想 〜テンションのジェットコースター〜
飲食店レビュー4軒目は、TwitterやYoutubeでもインフルエンサーとして活躍する鳥羽氏を代表とし、ミシュランガイドでも2020から3年連続で星を獲得している「sio」。
代々木上原駅で降車。初めての代々木上原ですが、ちょっと調べてみると食べログ100名店に選出される様々なジャンルの飲食店が立ち並んでいるようだ。昼間から腹を空かせた若者で街全体が賑わっている。
Google Map を頼りにsioに辿り着くと、高級フレンチとしては素朴な外観が見える。高級フレンチということで、慣れない襟付きシャツにジャケットのスタイルで訪れたが、杞憂だったようだ。「服装の規定はございません」と伺った面接に慣れないスーツで来て浮いてしまった気分だ。
本日は13,000円でメインハトの10品コース。「前回のひらまつ」で学んだということで、サービス料10%は予算に織り込み済み。
入店するとドリンクの注文。酒好きな奴は8,800円のアルコールペアリングを、酒が苦手な奴は6,600円のノンアルコールペアリングを注文。
それぞれ乾杯込みで6種のペアリングでこのお値段はGoodだね!
さて、ドリンクを注文したところでコースが開始。
ペアリングワイン1杯目。
乾杯用のスパークリング。1~2品目はこいつ。
乾杯用のスパークリングをペアリングで出してくれるのはありがたい。
1品目は舞茸のコンソメスープ。メニュー紹介が長くて早口で頭に入ってこないので、いまいちわからんかったが丁寧に鳥と乾燥舞茸から出汁をとったとのこと。
んー、白湯。うっすらと味と香りのついた白湯だ(味と香りがついてる時点で白湯では無いのかもしれないが)。フレンチのアミューズとしてはフィンガーフードから始まるスタイルと、フィンガーフードの前に食前酒的なテンションでスープが出るスタイルがあるみたいですが、sioは後者のようだ。
単体として美味いかどうかは諸説ありだが、暖かくて優しいスープをいただいて胃が活性化してきた。さて見せてもらおう。ミシュラン1つ星の実力を。
2品目は食パンをカリッと焼いたラスクの上に馬肉のユッケとベルギーエシャロット。こちらsioのスペシャリテということです。言われてみればスペシャリテっぽい見た目をしてやがる。馬肉となんか色々混ぜてるみたいだけど、馬肉にしか見えない。
やはり解説がいまいち聞き取れず。
馬肉は大好物だ。手でいただくということで、それ一口。
おぉ、食パンのラスクがカリカリっと心地よい食感。
ン。
ンンン。
なんか、酸味?がめっちゃ強いな。美味いかまずいかって言われるとちょっとわからん。
あれかな。ベルギーエシャロットかな。ちょっと強いな。
ペアリングワイン2杯目。
可愛いグラスに入って登場。ヨハネス・ツィリンガーのVELUE Muskateller。
すっきりした味わいで葡萄の香りがいい感じ。
3品目はアジのタルタル。下にキヌアを敷いて、夏野菜、アジとイカをタルタルにし、ドライトマトと鰹の出汁をかけて冷製のお茶漬け風にしていただく。
見目麗し。ソースをかけていただいてお茶漬け風というのも、日本人には嬉しいね。
お花も食べられるのかな?と恐る恐るだが食べてみる。
ドライトマトとカツオのスープはドライトマトの酸味が強めだが、カツオの旨味もあり、全体をよくまとめてくれる。
キヌアという食材自体に馴染みがないので、多少違和感を感じつつもアジやイカのタルタル部分は美味しい。
ヤバい。今の所いまいち口に合わない。薄味 or 酸味強め。自分の舌がボケているのかと不安になってくる。
いやいやまだ前菜だ。そもそも俺は野菜嫌い。苦手なパートが続いているだけだと信じて4品目へ突入。
4品目に突っ込む前に
ペアリングワイン3杯目。
ダミアンのリボッラ・ジャッラ。こちらオレンジワインになりまーす。
ということで、本当にオレンジのワイン。
デザートワイン系の貴腐ワインはこれまで多少飲んだことがあるものの、こちらは特に甘いわけではなく、どちらかというと酸味が強い感じかな。
4品目、生地に赤ワインを練り込んだラビオリ。「くるみやりんごであまみ、酸味を楽しみながら様々な味を探してください」とのこと。
やはり早口で長い説明。あいにく食べるだけで色々わかる舌を持ち合わせていないので、料理の説明はしっかり聞きたい派としてはちょっとしんどい。
ここまでの3品で口に合わなかったので、警戒しながらもにゅっと一口。
うまっ!!!
ここにきてsioが本気を出してきた。これは美味。
ここに来てようやく馴染みのあるフレンチっぽい味が。あぁ、赤ワインのソースだ。俺は赤ワインソース系の味をフレンチと感じていたんだということを実感。
酸味や苦味、甘味をそれぞれ演出する果物やくるみ、エスプーマを楽しみながら、このラビオリとの出会いに感謝。
あぁ、ここで酸味から解放されたかと思いきやペアリングワインに酸味が…。
くぅーーー!さっきまで「もう酸味は勘弁してくれよ」状態だったのに、ラビオリとワインがマリアージュ。
こんなことあっていいのだろうか。
出された美味しいフォカッチャでソースをぬぐい、完食。
ここまでに下がり切ったテンショングッと持ち上がる。
さぁ、早く次の一皿を。
ペアリング4杯目。
シャトー勝沼のワイン「菱山」。ここに来て日本のワイン。
5品目は焼きなすのパスタ。アルデンテ手前で引き上げて蛤の出汁を吸わせたものに生姜や穂紫蘇をトッピングした感じかな?もう、料理の説明に関しては諦めて自分でなんとか食材を見出していく。
あぁ。またしても味が優しい……。
蛤の出汁の味わいはうっすらとあるものの、薬味と一緒にいただくと薬味の味しかしなくなってしまう。
ここに来て俺以外のメンバーとの情報乖離が。
焼き茄子を感じられない!
「焼きなすの香りが〜」という仲間。
「焼きなすの香りが全く感じられない」という俺。
そういえば、焼き茄子って人生で食ったことなかったな。
20代前半に居酒屋のキッチンで働いたことをきっかけに多少改善されたものの、幼少期からの野菜嫌いがここに来て足を引っ張っていたのか。
もう好き嫌いは良そう。全てを愛し、味を知らない食材をなくします。
ペアリング5杯目。
ここにきてまさかの日本酒「風の森」。
正直ワインに関してはまだまだ無知も良いところだが、日本酒は日頃から飲みまくっているので、流石にわかる。
うんうまい!(何もわかっていない)
6品目は焼き魚。ノルウェーサーモンの皮をパリッと、身をふっくらと焼き上げたものにいくらなどのリゾット。下には牛蒡のソースを。
ナイフとフォークでいただきましょう。
余談ですが、sioのカトラリーは机の右下から引き出すタイプです。
お、美味い。
サーモンを包んだ葉っぱが苦味を出し、サーモンが柔らかく、皮からこんがりとした風味が。
いくらと蓮根かな?のリゾットも相性良し。
そして牛蒡。牛蒡って根菜の中でも味が強くて、土臭いんだけど、美味しいよね。
苦味のある葉っぱとサーモンと牛蒡の相性が素敵な逸品。
ラストペアリング。
GEVREY CHAMBERTIN DIX CLIMATS 2019年。
メインの鳩が力強い野生の味わいということで、しっかりと受け止められるボディの効いた赤ワイン。
コイツァボディが効いてるぜ。
7品目は本日メインの小鳩。低温調理した鳩を直火焼で香味をつける。椎茸をソテーしてサンド。サーモンを食べている時に漂ってくる直火焼の香りが鼻口をくすぐり、期待値が膨らんでいる。
運ばれてきた皿を見て一番に思ったのは
ガラムマサラかけすぎじゃないか!?もうこれ鳩カレーじゃん!
てな感じにスパイスがかかっており、またしても不安になったが、まぁ一口食ってみよう。
んまい!
椎茸と鳩を一緒に切って頬張るのだが、いずれも食感はぷりぷり。
懸念していたスパイスが強すぎるということもなく、しっかりとハトの味と椎茸の香りが楽しめる。
椎茸とハトの食感がそっくりだな。
初めて鳩を食べたけど、特に癖があるわけではないが、鳥として一般的なチキンの感じではなく、どちらかというと新鮮な牛レバーに近い感覚かな?
来月鹿や鴨を狩りにいく予定だが、ハトも発見し次第確保しよう。
しっかりとボディの効いた赤ワインで鳩を受け止めて、マリアージュ。
ナイスなメインでした。
8品目はsioの塩ラーメン。〆の品はしらす丼、ラーメン(+1000円)、トリュフパスタ(+???円)の3択。ラーメンに絶対期待してはいけないという神のお告げがあったのでしらす丼をチョイスしたかったが、ここは好奇心旺盛なマイフレンドに付き合ってラーメンを食すことに(グループで個別に選ぶことができない)。
先日の「すしや宣」のそばのように、本業とは離れたところに驚きのうまさを出してくる例もあるので、一概に地雷とは言えない。
さぁ、sioの塩ラーメンのお出ましだ。
フレンチの締めのラーメンというと、1~2口程度のものが期待されるが、どんぶりで来た。
透き通ったシンプルな出汁と刻んだ白ネギのシンプルな塩ラーメン。いざ実食。
味もシンプル。
コースの最初に来たスープにオリーブオイルをぶちまけたような感じ。
一言で言うと「やっちまったな…」。
丁寧な味わいっていうものが分からん味音痴の口には合わなかったようだ。
9品目は口直しのシャーベット。レモングラスのパンナコッタを敷いて、なしときゅうりにジンのシャーベット。
口直しのプチデザートというより、ジンベースのカクテルって感じかな。美味しい。
きゅうりがこのテンションで出てくると、スイカと親戚であることを思い出させてくれる。
とはいえなんとなく違和感の残る食後感。
おっと、デザートは別にくるのか。
10品目はチーズのアイス。下に砕いたクッキー生地みたいなものを敷いてある。
あー、舌触りが滑らかで素敵だね。
クッキー生地と一緒にいただくと、チーズケーキを食べている感覚に。
ごちそうさまでした。
sio レビュー/感想 まとめ
お値段 :2.5万(ドリンク&サービス込み)
コスパ :いまいち…同価格帯なら別の店を選ぶかな…
パパ活注意報:気にならない!
sio。好きな料理と苦手な料理の差が激しすぎたので、美味しくないというよりも俺の口に合わなかったのかなという感じ。
特にラビオリに関しては同価格帯のその他の店舗と比較しても目立った美味しさだったものの、酸味が強い系(馬のタルタル、アジのタルタル)と優しい味系(スープ、茄子パスタ、ラーメン)に関しては全く理解ができなかった...。
また、ドリンクメニューや食事メニューの解説も"伝える"というより"暗記したものを急いで読み上げる"ように感じて、途中から聞くのを諦めた。
行ってみたい店リストに入れて友人と楽しみに訪れたものの、結果としては少し残念だったかな。
もう少し繊細な味わいを楽しめるように舌を鍛えてからリベンジしたい。