パパ活嫌いの「中目黒 カッシーナ・カラミッラ」レビュー/感想 〜"中"目黒のさんま祭り〜
飲食店レビュー6軒目は中目黒にあるイタリアンレストランの「Cascina Canamilla(カッシーナ・カラミッラ)」。
今年初めて訪れた中目黒はさまざまなジャンルの飲食店激戦区。駅から徒歩5分。目黒川沿いに大きな看板。
イタリアンって当たり外れが結構激しい印象。本件とは関係ないけれど去年のクリスマスに行った店は酷かったな……。
予約した時間より10分程度早くの到着。4名で個室に通していただき、落ち着いた雰囲気のテーブルセットにまず一安心。
ちらっと奥を見ると電気暖炉が。金持ちの家にあるやつだ。私も家を買う機会があればぜひ置いてみたいものだ。
席について少し落ち着いてドリンクの選択だ。
あー、ドリンクメニューに値段が書いてある。
いずれにせよペアリングを選ぶんだけど、ドリンクメニューに値段が書いてあると個人的にはとても嬉しい。無粋っちゃ無粋だが、庶民はこれで良いんだ。
ドリンクはペアリングワインを注文し、早速コースに入る。
さて、最初のワインはこちらのスパークリング。色味はロゼと言わずともほんのり赤く、ハチミツのような甘みときめ細かい泡。
今回はホールスタッフがとても良い。
ワインの説明がわかりやすく、実際に飲んでみるとおっしゃる通りといった感じだ。すでに気分は上々。
料理が来る前に、食事中にハムハムするフィンガーフードが登場。口淋しいタイミングでこいつを摘めるのはまたまた嬉しいね。パリパリでおいし。
前菜はパンのラスクを使った冷たいサラダ。アボカドのソースがかかっていて具材にもアボカドが。
カリカリで香ばしいパンとトマトの酸味もアボカドがまろやかにしてくれるので強すぎず。まとまりが良い。
続いてのペアリングはhauner iancura。なんか前にどっかで飲んだことがあるような無いような。
先のスパークリングと比べてすっきりとした優しい味わいに果物っぽい香り。
本日の魚料理は「"中"目黒のさんま祭り」ということで変わったお皿に落語「目黒のさんま」をプリントしたものを挟んでサーブ。ちょっとしたサプライズ演出もあったりして場が盛り上がる。
炭火で炙った秋刀魚にグレープフルーツなどの柑橘を添えたものと秋刀魚のベッカフィーコ。
焼いた秋刀魚にレモンというジャパンでは定番の秋の味覚がイタリアンで出るとこうなるのか。はぁ、幸せ。
ベッカフィーコって初めて食べる。調べてみると本来はイワシで作る料理のようね。先ほどの焼き物もそうだけど和洋の調和が楽しい。
秋刀魚って和食のイメージが強いけど、ヨーロッパでも食うんかな?
さて、次のペアリングワインはこちら。基本的には白ワインだけど、皮も使って作っているんだっけな。ややオレンジワイン的な感じで、少し渋みを感じた気がする。
本日のパスタ1皿目は蕎麦粉を練り込んだパスタに栗のローストと栗のソース。
まずはあまり混ぜずに1口食べてみると少し硬めのパスタに蕎麦の風味。野菜もシャキッと感をキープしつつも柔らかい。
そしてソースをよく混ぜてからもぐもぐ。
あまっ!すぎないっ!うまい!
栗の香りと甘すぎない甘味が蕎麦粉のパスタと絶妙にマッチ。栗のローストもパリパリで食感も楽しい。
本日1本目の赤ワインでございます。透明度が高めの赤が照明で照らされて綺麗ですねー。
パスタと合わせるということもあり、軽め。すっきりした味わいでワインが苦手な人にもおすすめできそう。
2皿目のパスタはカッシーナ カラミッラのスペシャリテである15種類の肉野菜入りのラビオリ。こちら、2,000円強の追加課金で追いトリュフが可能(仕入状況によるのかな)。
メニュー表で「アニョロッティ ダル プリン」の文字を見て、途中でプリンが出てくるのかと想像していたが、そうじゃない。詰め物のパスタだった。
餃子とかハンバーグのように中身がわからない混ぜ物系に幼少期から苦手意識があるので、わざわざその手のものを食べる事は無いのだが、ラビオリだけは好き。
大人になってから初めて食べたラビオリが美味しかったおかげかもしれないな。
さて実食。
ンンンー。口腔内の入り口から上顎あたりまではバターソースのコクとラビオリの旨味が、喉を通る辺りになると一気にチーズの香りが広がる。
こりゃスペシャリテだ。
追いトリュフをするのが正解だったかどうかは私にはわからん。
トリュフが強すぎてこのチーズの香りを潰すのであれば勿体無いけど、調和するのであれば、ぜひ試したい。
最後はガッツリフルボディの赤ワイン。メインディッシュの羊肉を支えてくれるのはお前だけだよ。
メインディッシュはバナナの皮と一緒にローストした仔羊。お父様の仕事の都合でベネズエラにルーツを持ち、イタリアンレストランを日本で営むシェフの想いが詰まった一品。
ダッチオーブンを一度テーブルに運んできてた。
嬉しい。
さて、メインディッシュは先ほどのバナナ皮と仔羊のロースト。備え付けは白インゲン豆のトマト煮込みとインゲンのバター炒め。
一口頬張るとラム臭さをある程度残しつつ、脂肪が少ない赤身に閉じ込められた肉汁の旨味が広がる。
バナナの葉っぱの効果がいまいちわからなかったものの、大満足の一品。
そしてペアリングの赤ワインでしっかりと押さえ込む。
んー。うまい。
デザートは葡萄。メニューに「葡萄」と書いてあって、葡萄がそのまま出てくるのかなと思っていたら、しっかりとデザートが。
上にかかっているのはバルサミコ酢。
日本人として初めてイタリア・モデナの地で伝統的な製法のバルサミコ酢醸造に携わり、バルサミコ酢のA級鑑定士となった堂内あかねさんが手がけたもの。
デザートの味はというと、葡萄がとにかく美味しい。ジューシーで香り高くて、甘酸っぱい。
あと、食感がプリっとしていて舌触りが良い。
甘すぎないアイスとバルサミコ酢の特有の香りがマッチしていて、他ではなかなか感じられない味わいが。
食後にはコーヒーとお菓子が。
ご馳走様でした。
中目黒 「カッシーナ・カラミッラ」レビュー/感想まとめ
時間 :ランチ
お値段 :15,000円(ペアリング込み)
コスパ :GOOD
カッシーナ・カラミッラ。料理全体のレベルが高く、ホールスタッフのサービスが良かったです。
ワインや料理に関する知識はまだまだ疎いので、ホールスタッフの説明を聞くことで料理の理解を深めながら食事を楽しみたい私としては、ここが結構重要なポイントなんだなと実感。
最も記憶に残る料理はスペシャリテの「アニョロッティ ダル プリン」。
桜の咲く季節になると目の前の通りが桜並木になるということで、春にまた訪れたい。今度はディナーかな。
普段ラム酒などはあまり飲まないけれど、度数に合わない飲みやすさ。
甘みと香りが素敵でした。
バイバイ。