豆彩々
豆料理が好きです。乾燥豆を戻して水煮してから、料理する。手間だけど、手間をかけただけのものがある、滋養のある味わいが好きです。
ガルバンゾーとソーセージの煮込みを食べていたら、子供が「ひよこ豆っていうけど、本当にひよこの形しているね」と感心していました。 ガルバンゾー、ひよこ豆、チックビーンズ、皆同じ豆です。インドでも、中近東でも、欧州でも食べられています。
豆と肉を一緒に取ると、たんぱく質の吸収率が上がるというのですが、欧米のものは、肉と一緒に料理することが多いです。ベジタリアンも多いインドでは、肉無しで料理することも多いですね。ベジタリアンにとって、豆は大切なたんぱく源ですから。
イタリア料理も豆を使います。特にトスカーナの人は豆好きのようで、「トスカーナの豆食い」と、イタリア国内では呼ばれているそうです。イタリアのスープ、ミネストローネにも正式には豆が入ります。
有名な豆料理といったら、なんといってもブラジルのファイジョアーダでしょう。元は、貧しい人々が豆と豚のしっぽや内臓といった安い食材を煮込んだもの。とても精が付く料理らしく、血気盛んなブラジルの人の騒動を避けるため、レストランで提供していいのは週に2回で、曜日も決められているというのを読んだことがあります。毎日提供したら、毎日がカーニバルのような騒ぎになってしまうのでしょうか・・・。
緑豆も、生活に結び付いた豆です。緑豆春雨も、もやしも緑豆が原料です。インドでは、ムング豆と呼ばれ、カレーに使われています。マレーシアの料理だったと思うのですが、緑豆を戻してゆでて、殻を取り、ココナッツミルクで煮込み、シロップをくぐらせる、というのがあります。見た目は地味ですが、大変おいしいそうです。手間をかけるだけのことはある、ということですね。
日本で生活に必須なのは、大豆でしょう。味噌、醤油、納豆、豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんもどき、すべて大豆が原料です。味付けの基本素材のうち、2つも大豆に依存しているのですから。
日本は大豆製品が多く、冷ややっこや、あぶった厚揚げなど、手間のかからない形で、豆料理を食べることができます。大豆は日本人のたんぱく質の補給を担ってきたのです。大豆に感謝。そしておいしい豆製品と豆に感謝。
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