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女に金を要求する男は全部偽物/ワンダーエッグプライオリティ

ママがひとつだけ正しいことを教えてくれた。
女に金を要求する男は全部偽物だって!

ワンダーエッグプライオリティ

死の誘惑
10代の私にもあった
生が強く輝く10代だったからこそ
死はその輪郭をより一層はっきりさせた

元ジュニアアイドルで母子家庭のりかちゃん
自分と重なる部分が多くて
すごく好きになった

底抜けに明るくてハツラツとした少女なのに
抱えている問題はとてもシビアで
強い女の子だなと思った
けれどその強さは自分を傷つけることで
ギリギリを保っている危うさをはらんでいて
昔の自分と重なった

表面で明るくいることは
意外とエネルギーを消費してしまって
家に帰って現実に戻るとどっと疲れてしまう
友達と会っている時の自分が
まるで夢だったように、もう1人の自分がいたみたいに

1人になると急に全てが嫌になって
その苛立ちをそのまま自分にぶつけた
そうやってバランスをとらないと
生きていけなかった

そんなギャップにもがきながらも
強くあろうとするりかちゃんが
すごくかっこよくて、切なくて泣いた

どんなことも笑い話にして
あい達に嬉々として語るりかちゃん
パパに今すぐ会いたいと涙を流すりかちゃん
そういうギャップが好きだった

母親に いつかりかも私を捨てるんでしょ と言われて
うん、でもそれは今じゃない と突き放す

親なんて憎むべき存在でしかなかった

今は違うけど10代の私にはそうすることしか出来なかった
りかちゃんもきっとそうだったんだ

いつか絶対お前を捨ててやるって
私も思ってた

自分の中にある消化しきれない憤りを
親にぶつけていた
単に手軽だったから
理由が欲しかっただけ

自分にはカッターを向けて
親には憎しみを向けて
そうやって生きてきた
そうしないと生きていけなかった

どうしても自分と重ねてしまうりかちゃんが
愛おしくてたまらなかった

私もりかちゃんも必死に駆け抜けたんだ
死の誘惑を感じながら

生きててよかったね。

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