月が綺麗ですね

拝啓、過去の僕へ

今の僕から捧ぐ。
君が苦しくて生き生きしていた過去は
現在の幸せに飲み込まれて戻ってきやしない
思い出になっています。
もちろん今でもあの人を思い出します。
でも、彼は僕を選ばなかった。
それが事実なのです。

過去のように恋をしていた僕はもういません。
そして、恋することの楽しさを教えてくれた彼も隣にいません。
いるのは僕のことを120%で愛してくれる人です。
僕の気持ちは過去も未来も変わりません。
こんなにも努力して可愛さを勝ち取っている
僕ではない。
全然可愛さのアップデートをしない彼女を選んだあいつはバカだと。

君に言いたかった「月が綺麗だね」は
雲に隠れた月に対して「月、見えないね。満月だったら言えたのに」だった。

どうか、僕の記憶から離れてください。
また連絡なんてしないでください。
どうか、幸せで生きてください。

初恋の貴方へ

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