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「シンドラーのリスト」映画感想

製作 1993年 米
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 リーアム・ニーソン
   ベン・キングスレー
   レイフ・ファインズ

あらすじ
ナチスの党員でもあるドイツ人実業家オスカー・シンドラー(リーアム・ニーソン)。彼は戦争を利用してひと儲けすることを目論み、潰れた工場を買い取ってホーロー容器工場の経営を始めた。
有能なユダヤ人会計士イザック・シュターン(ベン・キングスレー)に工場の経営を任せ、安価な労働力としてゲットーのユダヤ人を雇い入れ、また持ち前の社交性でナチスの将校に取り入って自らの事業を拡大させていった。
しかしやがて冷酷なナチス将校アーモン・ゲート少尉(レイフ・ファインズ)がクラクフ・プワシュフ強制収容所の所長として赴任して来る。ゲートとその部下のナチス隊員達は、ゲットーや収容所においてユダヤ人を次々と殺戮していく。シュターン初め、シンドラーの工場で働くユダヤ人たちにも危機が迫る中、金儲けにしか関心がなかったシンドラーの心境に変化が生じていく
(Wikipediaより)

シンドラーはたった一人で
ユダヤ人600万人のうち1100人を救った。
全体からすれば0・00018%。
しかもそのリストは公平性に欠ける。
自分の会社の社員とその家族。そこから広げた友人知人。
タイタニックの船長に例えるなら
身内を先にボートに乗せて一般客を後回しにするような事
常人なら、その行為の正当性、大義に疑問を感じるであろう。
では600万人を分け隔てなく公平に救おうなどと考えだせば、
結局は不毛な夢物語と初めから諦めるだろう。
そういう苦悩と葛藤の中で
とにかく不公平だろうが身内びいきだろうが、
目の前の人間をどうにか救おうと、行動に移した事がただただ凄い。
それに尽きる。
あとは戦い方。
悪を批判攻撃するのではなく
巧みに懐に飛び込み、仲間になりすまし
時には本気で悪の心理を思いやり理解する。
そうやってあの鬼畜な収容所の所長からも譲歩を引きだした
戦い方も凄いことだ。
結果、一個人で1100人の命を救った、実話。
それはホロコースト全体の悲劇からすれば針の穴のような光の部分かもしれない。
よくこの映画の名言として取り上げられている
「一つの命を救える人は世界も救える」
小さな一歩だとしても踏み出す行動力が大事だという事が
心に響く。
そして、またこの物語の背後では
いつか、この悲劇も終わるはずという儚い夢を抱きながら
亡くなった多くの命があるという事も忘れてはならない。

2019・4・30