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「ドライヴ」映画感想

製作 2011年 米
監督 ニコラス・ウェンデング・レフン
出演 ライアン・ゴズリング
   キャリー・マリガン
   ブライアン・クランストン

あらすじ

天才的なドライビングテクニックを持つ寡黙な“ドライバー”(ライアン・ゴズリング)は、昼間は映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手という2つの顔をもっていた。ある晩、仕事を終えたドライバーは、同じアパートに暮らすアイリーン(キャリー・マリガン)と偶然エレベーターで乗り合わせ、一目で恋に落ちる。次第に親しくなっていく2人だったが、ある日、アイリーンの夫スタンダード(オスカー・アイザック)が、服役を終え戻ってきた。アイリーンは、ドライバーに心を残しながらも家族を守る選択をし、ドライバーも一旦は身を引き、家族から距離を置く。しかし、ある晩、ガレージで血まみれで倒れているスタンダードを発見。服役中の用心棒代として多額の借金を負ったスタンダードは、マフィアから妻子の命を盾に、強盗をするよう脅されていたのだ。絶体絶命のスタンダードは、ドライバーに助けを求め……。(Filmarksより)


なんだろう・・・。
ゴズリング扮する主人公は目の奥に深い諦観を漂わせ、クールな運び屋をやっている。
あんまり楽しそうでもなく、ホントはそんな仕事はしたくなさそうでもあり。
家族もいないようだし。特にお金に困ってるわけでも、何か夢があるわけでもなさそうだ。
ではなぜ、そんなことをしているのか?
なんて考えるのは無粋だ。
刹那の美学・・・なんていうのも陳腐だ。
意味も、目的も、夢も、愛も・・・別にない。
ただ、静かに生きていたいだけ。
いや、生きる事すらどうでもよいのだろうか・・・。
そんな人が、不毛なバイオレンスの連鎖に巻き込まれる話だ。

まあ昔からよくあるタランティーノ系シュールバイオレンスもの
とくくればそれまでだけど・・・。
そんな中でも映画としてのクオリティは高いと思う。
美しい映像と音楽。出演者たちの雰囲気。演技というよりも存在感。
クールとかスタイリッシュとかカッコイイとか
そんな言葉は使いたくない・・
また、キャリー・マリガン扮する人妻との抑制のきいた交流が
いいエッジとして効いている。
単なるスタイリッシュ&クールバイオレンスではない温かさみたいなものがある。
かといって、あれを純愛とも呼べぬだだろう・・・。
まさに、最初の1行に書いた
なんだろう・・・に帰結する。
この、なんだろう、のバランスが絶妙な映画なんだよな~。

結局、誰でも、人間死ぬときには、自分の人生何だったんだろう・・・
と思うんだろうな。でも、それでいいのよ。
と、決していじけた諦観ではなくて。
前向きな希望として、そう思わせてくれるような・・・
不毛なバイオレンスの果てに・・・妙な温かさが残るのでした。