故郷は人なのですね。
叔母が危篤だとの知らせを受けて、今月も田舎に行きました。
こんこんと眠る叔母の手を握りながら声をかけます。
薄く目を開けそうな様子に、皆で一喜一憂します。
傍ではひ孫が遊びながら声をかけています。
主治医の
「家に帰るなら今しかない」
との薦めで病院から叔母を自宅に連れ戻したのは二人の娘でした。
こうして、自宅での介護が始まったのです。介護休暇を取りながら、母親の在宅介護は大変だけど、代え難い時間を貰ったと言う従姉妹らは満足そうでした。自分の子育ては故郷を離れていたので、母親との密な時間を大切にしているようでした。
誰もがこんな看取りは出来ないでしょうが、子や孫に後ろ姿を見せられると話していました。濃密な時間が半日でも、一時間でも長く続く事を祈りながら叔母宅を後にしました。