音楽は思い出のボトル
音楽が好きだ。好きな音楽ジャンルは全部だ。
クラシックもジャズもロックもポップもラップもEDMも
全部いいと思うし聴く。
好きなアーティストは相対性理論、安藤裕子、Perfume、澤部弘之、久石譲、ラフマニノフ、チャイコフスキー、Queen、Avicii、Zedd、Clean Bandit、カシミアキャット、ポーターロビンソン、haruka nakamuraだが、アーティストの追っかけはしたことがない。曲ベースではまることが多いからだ。私はずっと、ハマった曲を気が済むまで1曲1曲繰り返し聴いては、その曲に当時の思いを封じ込める作業をするという楽しみ方をしていた。
小さい頃はチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が好きだった。毎朝母がビデオを流してくれた。心が洗われる気持ちになった。今でも聴くたびに実家二階のあたたかい日差しと、何度も起こしに来てくれた母の姿が浮かぶ。
小4で初めて買ったCDは平原綾香のJupiterだった。脳内で再生できるようになるまで何度も何度も繰り返し聞いた。聴くたびに意識が宇宙に放り出される感覚で、火の鳥を初めて読んだときの気持ちを思い出す。その次に買ったのはNARUTOのED曲ハルモニアだった。調和が心地よくて、サクラになった気持ちでずっと聴いた。NARUTOは小2の頃から大好きな作品でOPEDはどの曲も大好きだったが、ハルモニア以外で特に好きだったのはAkeboshiのWindだった。ナルトの孤独感が胸に刺さる曲だった。母親と行ったうぐいすホールのコンサートで聴いたハープはとても美しくて、その場でサイン入りCDを買ってそれもよく聴いた。ハープの音は魂の回復音だと思った。今でもハープの曲は結構聴いている。
小5の時に姉から借りたモンゴル800のCDの中に入っていた反戦ソング琉球愛歌はハマった。アルバムの中でその曲だけ聴いていた。私の姉は大の音楽好きであらゆるジャンルを聞いていたので私と真逆でいつも色んなCDを買ったりMDに焼いたりしていたが、彼女のようにオリコンチャートを追ったり、好きな歌手を追ったりしたことはなかった。
中学に入ると皆それぞれが好きなアーティストだったりとかの話で盛り上がっていたが私はその波に乗れなかった。私には好きな曲はあったが好きなアーティストはいなかったのだった。当時の模範的オタク中学生らしく、好きなアニメのOPED曲、ボカロ曲、ニコニコ動画組曲や流星群の曲は全部網羅した。かっこいいアイドルにはまったりは一切しなかった。三次元のアイドルとの恋愛は想像(創造)できない。
テレビは超流行りのドラマ以外はほぼ見ずにずっとネットサーフィンしていたので、知っている曲がオタク方面に大分偏った。カラオケに行き始める年ごろだったので、親友の歌う曲から好きな非オタク曲はリストは増えた。おかげで大学以降の非オタクの友人達とのカラオケは困らなかった。特に小~中の親友がカラオケで良く歌っていたRADの有心論とチャットモンチーのハナノユメは私もハマった。その子の小6の誕生日には雑貨屋「清水」で買った変な顔のりんごのCDケースを渡した。好きなアーティストは?と聞かれたら当時はチャットモンチーと答えていた。真夜中遊園地もよく聴いていた。
私の居た中学校は合唱に気合いが入っていたので、好きな合唱曲が増えた。特に好きだったのがCOSMOS、大地讃頌、そして虹だった。
大地讃頌は中3の学年合唱だった曲だ。みんなで歌うと文字通り大地が震えた。最近も思い出したように何度もリピートして聴いている。虹の「ぼくらの別れを誰かが出会いと呼んだ」という歌詞を聴くたび、小学校~中学の親友の顔を思い出す。RADとチャットモンチーを私に教えてくれた子だ。虹は中三の時その子のクラスが歌っていた曲だった。私たちはじゃんけんで負けて虹を歌えなかった。代わりに親知らず子知らずを歌った。
高校に入ると私は陰キャに磨きがかかった。中学時代はバレー部部長で陽の要素が大きかったが、バレー部が厳しかった反動で美術部に入ったのだった。町医者にもその受付のおばちゃんにもシャキッとせんかいと怒られるほど、当時の私は暗かった。運動しないと人は魂が濁るようだ。高2病真っ盛り、私は相対性理論の小学館とアーバンギャルドの水玉病にハマった。相対性理論が好きなアーティストに加わった。あとは一生銀魂のOPEDメドレー聴を聴いて、エルレのThe Autumn Songをずっと聴いてた。エルフェンリートのLiliumもよく聴いてた。そんな感じで高校1、2年は過ぎていった。
受験時代はひたすらYUIのGloriaとPerfumeのDream Fighterを繰り返し聴きながら勉強した。つい最近ハイエンド人材会社がCM曲にGloriaを起用していてオッわかってんなと思った。当時進研ゼミのCMで使われていたからだ。
大学に入って、留学してからEDMの良さを初めて知った。Avicii、Zedd、Major Lazer、カシミアキャットの曲は狂ったように聴いた。調子に乗ってクラブにも行っていたがナンパ目的ではなく音楽を純粋に聴くためだった。Aviciiで特に好きな曲はWaiting for LoveとLet's be Lonely togetherだ。今でも聴きながら目を閉じるとマドリードのバラハス空港にワープできる。
私は音楽のことを思い出のボトルだと思っている。当時どんな気持ちだったか、どんな香りでどんな服着て、何にハマっていたのか、誰と遊んで付き合っていたか、全部その曲を聴くとぶわっとボトルの蓋があいてそのときの色んな情景が色付きで飛び込んでくる。なんか4年前にも似たような記事を書いたな。まあいいや。
思い出をその歌に封じ込めるために、私は今日もハマった曲を繰り返し聴いている。
最後に最近ずっと聴いている曲を紹介する。
進撃の巨人を観終わった後だと余計に余韻がすごいです。おすすめです。
この世の美しさが心にしみる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?