えりアルフィヤさんに声援を送る
この4月23日(日)に、各地で衆議院議員の補欠選挙が行われます。その中で私が注目するのは、千葉県の浦安市・市川市で行われる補欠選挙に出る予定のえりアルフィヤさんです。昨年2022年夏の安倍総理が暗殺された参議院選挙にも出ましたが残念ながら落選されました。
昨年の夏の選挙で高市早苗さんも応援動画も作っています。
外国をルーツに持つ国会議員は貴重(当選すればの話ですが)
私がえりさんを推すのは、外国をルーツに持ち、外国語も達者で、国連や日銀で働いた経験を活かして欲しいからです。特に中国語、ウイグル語、ウズベク語、トルコ語の4つともできる人は外務省でもいないと思います。
私自身も外国語を学び仕事に活かしていることもあって、英語だけでなく話者も少ない外国語の使い手を大切にすることが日本の外交力の強化だと思います。
もちろん英語もですが。かなりイケてます。
特にウクライナの情勢からロシアと中国の関係や資源の問題からも中央アジアの国々に対するアプローチの重要性も高まっています。
また中国の人権問題、在外邦人の安全の問題、日本にいる在留外国人の問題などにとりくんで欲しいと思いました。当事者ならではの感覚で外務省や法務省入管庁に尻を叩いて具体的な改善策を進めて欲しいところです。
三河の今枝宗一郎さんも入ってライブしています。今枝さんの軽いノリがいいだら。
ツイッターで出自に対する罵倒や残念な反応が多数見られた
そこで応援がてらツイッターで、がんばれの一言でも送ろうかと、ツイッターを見たところ、見るに堪えないようなものが多数ありました。今回 noteを書こうと思った問題意識はこれです。
百田尚樹氏は「バカの元外国人」とまで言いました。言論人として最低限のの良識を逸脱した発言です。
正直言って、見ていて愕然としました。政策の批判や反発なら理解できます。しかし、出自を理由にここまでのツイートを見てちょっと衝撃です。本人も怒っていますが、とても残念です。
ルーツや履歴を公表しウソはないのに、痛罵が続いている
えりさんもホームページでも帰化の経緯などについては説明されています。2022年夏の参議院選挙の際には、帰化の経緯についての説明の仕方も悪かったのか、訂正をされました。この点で彼女にも問題はゼロともいえません。しかし、もっと問題はこの訂正をした後でも、罵声が続いていることです。
蓮舫の二重国籍の問題が出たときは、私もかなり怒りを感じましたが、これは事実関係を隠し詐称があったからで問題の本質が異なります。
この他にも帰化実績を隠している国会議員がいるような情報もネットで見ます。えりさんはそれとは違い、ルーツを初めから明確にしています。
私も、政策や理念が違う政治家には異論や反発を言ったりしますが、出自を理由には罵倒しません。蓮舫の場合は隠蔽と詐称があったからです。最低限のルールではないでしょうか。
自分の周囲(勤務先など)にも帰化された方もいるだけに、帰化を公表している方に対する根拠のない差別的な罵倒が多数あることが、非常に残念で不安です。
えりさんの政策に全部に賛成ではない
しかし私は、声援を送るとはしていますが、政策の全部が全部に賛成と言うわけでもありません。例えば、彼女の夫婦別姓の議論には賛同しません。彼女が「姓を選んだ」ということにこだわりがあるのは理解できても、問題の本質と異なるのではと思いますが、ここでの重要な論点ではありません。
また夫婦別姓が彼女の全部の政策ではありませんし、自民党内でも議論の分かれている問題でもあります。その議論に賛同しないから支持しないというものでもないと私は思います。国民の中にそういう意見もあるのに自民党でそういう議論があって不思議でも何でもありません。
別姓賛成派は自民党内でも多くいます。反対派も多くいます。両方いるのにえりアルフィアさんだけが、この問題で猛攻撃受けるのは理解できません。
もともと、政治家や政党の主張と100%一致賛同することがあるのでしょうか。「全部一致しなければ全部ダメ」という思考は自由で開かれた議論のできる民主社会とは相容れないものです。私も支持していた安倍総理でも100%賛成でもありませんでした。
人はそれぞれ価値観や考え方が違っていて当たり前です。その中で他人の意見も尊重することが議論の前提だと思います。
それ以前の出自を理由にこれだけ罵声が続くのが、民主主義や自由を奉じる世界の大国・日本の風景としてふさわしいとは到底思えません。今回のツイッターでの「騒ぎ」は、少なくとも他人を尊重するという最低限のラインを逸脱しています。
意見の相違はあってもなぜ声援を送るのか、それは日本にとって使える人材だからです。
えりアルフィヤを「使いこなす」ことを考えよう
岸田総理が「多様性のある社会」「人権外交」を国連でも説明しています。しかし、えりさんが国会議員として国連に行き、自分の出自を30秒話すだけで、もっと簡単に明確に国際社会にアピールできます。これは便利です。岸田総理が100回演説するより効果あります。
そもそも政治家は私たち有権者が使うものであって、使われるものではありません。えりさんが、政治家としての地位を得たなら、もっと「こき使う」ことを考えたり、注文を付けることの方が大事だと思います。選挙は遊んで高給取りをするだけの人を選ぶのではありません。ある意味で道具を選ぶのと同じです。
罵倒より批判。批判より注文。注文より提案。罵倒からは何も生まれません。細かく注文してえりさんをこき使う方が建設的です。
リベラル派は自民党の候補者だから問題に沈黙するのか
私がもっと残念に思ったのは、えりさんが自民党の候補者ということもあってか、日ごろ「人権」を大事にしていてリベラルを自称する方々が、罵声などに対して、やめましょう、の一言も言わないことです。
選挙があるからという理由も分かるし、候補者への批判はあって当然と言うのもあるなど理由はあるとはいえ、余りにひどい状態への沈黙は何なのだろうと考えてしまいます。
批判はいいけど、それは言い過ぎだよ、そういう言い方はやめようよ、それ言ったらおしまいだよ、お互いに簡単なブレーキが言い合えない社会で世界の大国日本と言えるのでしょうか。
「祖国」という言葉の重み
えりさんのツイートに「国に帰れ」と言うような罵倒もあったようです。これに対してえりさんは回答しています。
「祖国」という言葉が何も考えずに言えるのは、世界でも選ばれた特定の大国だけで、幸運なことだと改めて思います。その幸運は無償ではないし、私たちが守ってきたものです。
だからこそ、私はこの祖国に誇りがあります。
それゆえ他人を尊重せず、出自に罵声を浴びせる残念な風景は、私の祖国であり、世界の大国・日本にはふさわしくないと思うのです。
えりアルフィヤさんに注目してみてください。