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最高裁国民審査で宮川美津子裁判官に×を!(Twitter杉田水脈中傷投稿「いいね」訴訟)

衆議院総選挙と同時に、最高裁国民審査があります。

NHKのサイトでは「憲法の番人」にふさわしいのは との記載がありますが
制度としては「憲法の番人」にふさわしくないのは、の誤りでしょう。

今回、最高裁の国民審査ではいくつかの主要な判決が列挙されていますが、私は余り話題になってはいませんでしたが、納得のいかない判断があったので、これをもとに×を付けることにします。

納得できない「ツイッターいいね!訴訟」での最高裁判断

納得のいかない判決は、ツイッターでの「いいね訴訟」です。事件と訴訟については概要は以下のNHKのサイトから確認できます。

東京高裁で東京高裁は「いいね」に至る前後の文脈と経緯を考慮して名誉毀損を認め、杉田氏に55万円の賠償を命じました。これを不服として杉田氏は最高裁に上告しましたが、最高裁は2024年2月8日第1小法廷(安浪亮介裁判長)が杉田氏側の賠償不服の上告を棄却しました。

私は杉田水脈氏を支持しないし、誹謗中傷を是とはしない

前提として、私は杉田水脈氏を支持するスタンスではありませんし(積極的に否定もしませんが、地方行政に関する行政改革の実績もあると思います)、この誹謗中傷を是とする立場ではありません。杉田氏の軽率なのは批判されてもやむを得ないでしょう。ましてや誹謗中傷内容に賛意・同意するわけでもありません。この点は重々書いておきます。

私としては、基本的に1審の東京地方裁判所が「いいね」を押す行為について「非常に抽象的でさまざまな意味を持つ表現行為で、特段の事情がないかぎり違法とはならない」と判断したことと同じです。軽率の批判はあっても賠償まで確定させることに異議を強く申し立てたい。

気軽に「いいね」すら押せない判例を作っていいのか?

要するに、気軽にいいね!すら押せない判例を作ってしまったことの重大性があるからです。判断そのものではなく、判例が独り歩きしだしてどうにもならなくなった前例も多く、以下の著作が参考になります。

単に杉田水脈が気に入らないからいい気味だぐらいに思っている人がいるかもしれません。しかし、この判例が独り歩きしだすと、いいね!もメモ代わりにも使えないことになってしまいます。最高裁・司法が、Twitterの「いいね」が持つ性格を規定し、賠償まで確定させていることに違和感があります。なぜ司法にSNSの用途を制限されるのか疑問です。

そもそも、いいね!を誰が推したのか、本人以外に誰がチェックするのでしょうか。かなり探さないと分からないです。繰り返しますが、誹謗中傷そのものの投稿はダメだと思いますが、「いいね」にまで賠償を求められるのは明らかに行き過ぎと思います。

判断を下した「第一小法廷」の構成(安浪亮介・岡正晶・堺徹・宮川美津子・中村慎)

判断を下した当時の第一小法廷裁判長の安江亮介裁判官以下3名は、今回の国民審査対象外です。辞めさせたくても、できません。

中村慎裁判官については2024年9月からの就任ですので、この判断とは無関係で除外します。ただ、9月11日に任命されて、どう判断するべきなのか。東京高裁はじめ地方の裁判での判断の履歴は一切マスコミも報道していません。中村慎裁判官以外も情報をなぜ報道しないのでしょうか。

この最高裁の判断(Twitter杉田水脈中傷投稿「いいね」訴訟)に関し、私たちの国民審査で「やめさせる」ことができるのは宮川美津子裁判官だけです。

もし「誤爆」なのであれば、情報を開示しない最高裁とマスコミに問題がある

私も詳しいわけではないのでネット等で調べて、この最高裁の判断が気に入らないと思ったので、宮川美津子裁判官に×を付ける判断をしましたが、もしかしたら私の情報不足で、宮川美津子裁判官は無関係なのかもしれません。

しかし、問題はここからです。最高裁がほとんど情報を出さないこと、マスコミも表面的な情報に終始しているからです。

米国の最高裁は「誰がどう判断した」のか詳しく報じている

欧米出羽守ではないですが、米国の最高裁は詳細に報じられます。日本ではそうではありません。マスコミが最高裁を匿名で守っているからです。

要するに最高裁裁判官は「裁く側」の頂点に位置していながら、事実上の匿名性に守られ、厳しいチェックから逃れているのだ。

牧野洋『官報複合体』

アメリカの大手メディアは最高裁の内側についてびっくりするほど詳細に報じている。トランプ政権時代には最高裁判事の指名が大統領選挙の材料に使われたり、新判事候補をめぐって性的暴力疑惑が浮上したりしたため、例年になく大騒ぎをした。

牧野洋『官報複合体』

日本の最高裁判事の名前を一人も言えない東大法学部生は珍しくないが、
連邦最高裁判事の名前を一人残らず言えないハーバード・ロースクール生も
これまたほとんどいない。

山口真由『リベラルという病』

「裁判所に殺されかかった」袴田さんへの言及に当事者意識が全く感じられなかった。

さらに今回怒りを感じたのは袴田さんの事件について、裁判所が問題の当事者であるのか疑わしいようなアンケート回答しかなかった点です。警察、検察に問題があったはもちろんですが、それをチェックするべき裁判所ができてなかった点をどう反省するのか、一言もありませんでした。袴田さんの死刑判決を下した裁判官の名前も公表されません。暗黒裁判です。再審も延々何年かかっても誰も責任とらない。今回のお気楽インタビューを読んで、怖くなりました。「裁判所に殺されるかもしれない。」

裁判所が権力機関であることの自覚が本当にあるのか、疑わしいと思いました。

マスコミのアンケートでは大谷翔平の呑気な話の一方で、袴田さんには「真摯に受け止める」。こういうアンケートを許すマスコミに問題があります。

政治家は「落選」と言う形で責任を取らされます。裁判官は匿名に守られ、三権の中で制度上最も身分も保証された形で責任を一切取りません

袴田さんには、公民権復帰した直後の今回の最高裁国民審査で全員×をつけるように教えてあげたいです。

私は問題提起の意味も含め、今回は特に宮川美津子裁判官に×を付けます。

最高裁国民審査で、今も印象に残るのは山浦善樹氏。

批判的なことばかり書くのも良くないので。最高裁国民審査の公告は毎回読んでいますが、国民審査と真摯に向き合っている、と今も印象にのこるのは
山浦善樹氏だけ
です。


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