安楽死をめぐる陰謀論
人の安楽死に関する問題は人の生死に直結するイシューの一つであり、その議論には慎重さと丁寧さが必要不可欠です。
しかし実際には優生思想を持つ者が安楽死賛成派のなかに紛れ込んでいるほか、賛否両派のなかで陰謀論が蔓延しています。
私は安楽死賛成派の陰謀論については、旧Twitter (X)でもこのように暇アノンに類比しながら批判しました。
なお、ここで引用した「むふむふチャンネル」の行っていることは、ゲームシリーズ「東方Project」の二次創作ガイドラインで禁止されている「その他過剰な性的表現や、特定の個人、団体、人種などを中傷する内容等、社会通念上著しく不適応だと判断される行為」に該当する可能性が高いものであることも指摘しておきます。
私は安楽死反対派の陰謀論に対しても警戒しています。Bluesky上で「安楽死ツイデモの裏側にはツイデモを支援するスポンサーがいる」という陰謀論が唱えられたとき、私はこれを批判しました(リンクを貼れずすみません)。
確かに維新の会の議員の一部などが重度障害者の安楽死を議論すべきだなどという重度障害者差別を含む暴言を吐いたことはありますが、SNS上でのハッシュタグを用いたツイデモ(ポスデモ)自体は安楽死賛成派のコミュニティから発生したものでしょう。
優生思想だけでなくこうした陰謀論も蔓延した現在の日本社会では、安楽死法制化の是非や具体的な制度を議論する際に必要な慎重さや丁寧さが不足しているのは明らかです。
私は、希望者に限った安楽死には賛成しており、いずれは実現するべきだと考えていますが、このような状況下で安楽死について国が議論することには反対です。
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