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【楽曲レビュー番外編】 山下達郎「僕の中の少年」
先ほどラジオから流れて来た曲にはっと耳を奪われました。
私は山下達郎さんも好きでかなり聴きこんでいた時期があり、
その中でも「僕の中の少年」という曲が好きだったのですが、
ラジオでもテレビでもあまりかかる事のない曲なので、
突然飛び込んで来たその旋律に、思わずボリュームを上げました。
C-C-Bにはまっていたのは中三から高二くらいまででしたが、
達郎さんはその後ですね。
細く長く聴き続けていました。
「風の回廊」とか「土曜日の恋人」、「RIDE ON TIME」、
なんかも好きでしたねーー。
でもやっぱり当時は達郎さんは大人すぎて、
周りの友達には好きって言えませんでした。(苦笑)
C-C-Bは懐かしいのは同じなんだけど、
もっとワクワクすると言うかアガる、
「嬉しい楽しい大好き!(©︎ドリカム)」って感じで、
達郎さんの曲は当時のもっとリアルなその頃の悩んでいた事とか
感情がぶわっと蘇る感じがします。
特にこの「僕の中の少年」は、自室で勉強していた中、
夕方くらいにラジオCMで流れていた記憶があり、
これを聴くと心がその時にタイムスリップします。
YouTubeでこの曲のCM見つけたけど、
車のCMだったとは思ってたけど、
ホンダのインテグラのCMだったんだね。
↑「風の回廊」「僕の中の少年」「マーマレイド・グッドバイ」
ここで使われている三曲とも大好きだーー!!
「僕の中の少年」は何とも言えない憂いと美しさと疾走感と、
切ないような、でも希望に満ち溢れた曲。
聴くたびに胸がキューンと締め付けられる感じがするのです。
曲の歌詞をそのまま受け止めると、
長年片思いしていた女性がやっと振り向いてくれた、
過去の切なさも全て昇華されて
これから彼女とともに前に進む的な曲ですが、
実はこの曲には裏の意味もあるのだとか。
達郎さんはこの曲を書いた頃に、お子様が生まれたそうなのです。
この曲の真の意味は、これまでの立場から
ひとつ大人の責任ある立場に移っていく自分の
決意表明的な曲だという事を何かで見ました。
それを踏まえて歌詞を見ると、
「人知れず想い出の中に住む少年よ
さようなら もう二度と振り返ることはない」
「ひとときの夢の中 駆け抜けた少年は
今はもうあの人の眼の中で笑ってる」
という所は、バカやってふざけてた若い頃にはもう戻れないけれど、
この先は大人としてのまた別のステージでの幸せがあるという
メッセージが込められている様に思います。
この曲は表向きの片思いが実ったストーリーも、
この主人公の思いの強さ、熱量にぐっと来るし、
(単に好きとか愛とか言うんではなく
「心は君の名前を呼ぶよ」という表現は今でも鳥肌が立ちます。)
裏に込めたれた大人になることは怖くも悲しい事でもないよという
メッセージの表現は「さすがヤマタツ!」と思うのでした。
(こちらも単に大人の良さを主張するのではなく、
少年を脱ぎ去る切なさも織り込んでいる所が胸熱。)
また、子供が産まれた時に曲を書くアーティストは少なくないですが、
ストレートに子供の事を歌うのではなく、
こういう視点で子供が産まれた時の自分を曲にするのは、秀逸すぎる。
サウンド的にも出だしは
少し憂いを帯びた落ち着いたトーンで始まりますが、
そこからぐわっと盛り上がって全体的には疾走感のある、
まさに今少年から大人になる主人公が
好きな人の元に走っていく様なサウンドになり、
最後はキラキラと銀色の風に包まれていく様な美しさで終わっていく。
音からもストーリーを感じますね。
久しぶりに聴いて、また胸がキュンとしてしまったな。
達郎さんのコンサートは3回行きましたが、
ずっと「僕の中の少年」やってくれないかなー!?と思っていましたが、
まだライブでは聴けていないですね・・。
いつか聴けるといいなぁ。
「僕の中の少年」はアルバムのタイトルにもなっていますが、
このアルバムは少年から大人に変わる時を歌っている曲が多く、
それがとても良いのです。
その中でもアルバムタイトルのテーマそのものでもある曲、
「僕の中の少年」、良かったら聴いてみて下さい。