C-C-B楽曲レビュー㊵「Rainy Farewell…アメノチワカレ」
関東も梅雨入りしたとの事で、雨っぽい曲を・・。
「Rainy Farewell…アメノチワカレ」いってみましょう〜 。
一番最後のアルバム「信じていれば」に収録されている曲です。
作詞は渡辺さん、作曲・編曲は米川くんですね。
ボーカルもこの二人が担当しています。
この曲、米川くんの作曲・編曲のわりには、
あまりギターの印象がないんですよね。
間奏で一応入ってはいるのですが・・。
全体的にはキーボードの音色が立っているイメージです。
音楽に詳しくないのですが、
こういう曲はフュージョンっていうんですかね?
後期C-C-B、米川くん曲らしい
シティポップ的なサウンドとなっています。
この曲はですねーー、サウンド的には軽快なんですが、
内容は暗めです。
ドライビングシーンを歌った曲としては、
同じくよねちの作った曲で「風のラリー」がありますが、
「風のラリー」はこれから始まる恋の予感を歌った
トキメキ系の初々しくて爽やかな曲で、
「Rainy Farewell…アメノチワカレ」とは兄弟曲のようでありながらも、
明暗がぱっくり別れて全然違います。
と、出だしからおどろおどろしい雰囲気が漂っています。
活動後期の渡辺さんの歌詞っぽいですね。
この頃は他の曲の詩を見ても完全にダークサイドに寄っていた気がします。
曲に出てくる別れを予感させる二人の心模様が胸に痛いですね。
すでに冷めてしまった彼女の心を取り戻そうと、
ドライブに誘うのですが、
そこで自分に対する気持ちがもうない事に気付いてしまう。
そんな歌です。
「ほんの少し Volumeを下げてよ キミと話が出来るように」
「ほんの少し 期待をしてたのさ ここへ来れば戻れるかと」
私はこのアルバム発売当時はファンを離脱していたので、
この曲も聴いていませんでしたが、
おそらくその頃聴いても「切ないなー」とは思っただろうけど、
そこまで共感はしなかったと思います。
でも、大人になって聴くと、この歌詞のような場面、
どちらの立場も経験している人が多いのではないでしょうか?
自分が冷めてしまっているのに誘われてしまって、
でも話したい事もなく、無駄に話を弾ませて
相手を期待させてもなという気持ちから無口になる。
逆に楽しかった頃のあの場所に行けば、
きっと相手もまた当時の気持ちを
思い出してくれるんじゃないかというすがるような想い。
いやー、痛いっすね・・。
C-C-Bはこの前のアルバム「走れ☆バンドマン」から
それまでの明るく楽しいC-C-Bはなりを潜め、
暗めのトーンに変わりますが、
「信じていれば」のアルバムも暗さは少し緩和されてはいますが、
ポップさは消えています。
(かろうじて「Helter Skelter」がポップ寄りではありますが)
今聴いてもマニアックかなぁ。
全体的に。
その中では「Rainy Farewell…アメノチワカレ」は
聴きやすい方ではあります。
それと最後のアルバムともなると、
米川くんの歌声が格段にレベルアップしているのがわかりますね。
「ハートブレイク・カラー」の頃は、
歌うだけで精一杯な感じでしたが、
最後のアルバムでは色気が出てきて
「まだ少年みたいだったよねちもすっかり大人になって・・」と
親戚のおばちゃんみたいにしみじみしてしまいます。
歌に感情を乗せるようになってますね。
くるま停めて 口づけまでならば〜
の「ばぁ〜」がため息まじりでほんと色っぽい。笑
ボーカルの練習もしていたみたいですね。
米川くんはポーカーフェースで感情があまり外に出ませんが、
自分がメインボーカル(しかもフルコーラス)の
シングル(「抱きしめたい」)が出るとなったら、
やっぱり相当なプレッシャーだったと思うのです。
そんな事はおくびにも出さない感じでしたけどね。
関口さんが抜けた後は、作曲・編曲作業も増えて、
歌もやらないといけなくなって、相当忙しかったようですね。
こちらもそんな事は全然感じさせませんでしたが。
「Rainy Farewell…アメノチワカレ」は、
タフなよねちが時々歌う繊細な曲の一つです。
そしてそれは詩を書いた渡辺さんの心模様も
反映しているのかもしれないけど。
(解散間際はいろいろ思う事あったんだろうなぁ)
「ハートブレイク・カラー」や「青いブランケット」の頃からすると
だいぶ大人モードになったメンバー最年少のよねちを味わえますよ。
しっとりと雨の季節のドライブのお供に、
よかったら聴いてみて下さい♪