報い
私は、あまりにも優しすぎた。
慈愛に溢れていた。無垢だった。
だけど、もうやめるのだ。
この世界にはどれだけ愛情を持って接しても受け取ることが出来ない可哀そうな人たちがいる。
私は、そんな彼らも同じ「human」だと思っていた。
だけど、違うのだ。彼らは人ではない。
同じ動物というカテゴリーに属していても、どう頑張ったって犬は人間に進化することが出来ないー。
要は、そういうことなのだ。
彼らは動物でもあるし、また雄でもある。
それは事実だ。しかし、彼らは「人」ではないのだ。
人であれば過ちを犯し、反省をすれば二度と同じような事は犯さないように努めるだろう。
なぜならば。
同じ過ちを犯すことは、人として恥ずかしい事であり、自分は低レベルな人間なんですよ。と自らをアピールして歩いているようなものだからだ。
しかし、彼らは動物であり雄であり、また唯一神なのである。
反省をするということを知らない。恥ずかしいということも知らない。
何を犯そうとも、間違っているのは俺ではないからだ。
さようなら。
だから、彼らに私がどんな制裁を与えようとも彼らは変わらないだろう。
もしかしたら、万が一の可能性として彼らが改心することもあるかもしれないが、そんな天文学的な確率の中でなぜ、私が彼らの改心を手伝う必要があるのだろうか?
私の命は有限なのだ。
女神に憧れるけど、私は毎秒心臓を打ち鳴らし、喜び・悲しみ・愛し・許し・笑い・お腹がすき・生理現象を伴う「人間」なのだ。
何も自らどっぷりと闇に入り込み、自分で自分の輝きを抹消することなんてしなくていいだろう。
彼らには報復を与える価値もない。それが最大限の報いだ。
と、いうことで私は先に生き続ける。
さようなら。