二兎を追うものは一兎も得ず。一石二鳥
私は二兎を追うことを辞めた。
失恋と激務により私の心が壊れて1年半。
暗いくらい暗闇の中でもがき続けた。
愛する人も、仕事も全てが私の思惑通りに手に入りそうになった時に、まるで全ては砂で出来ていたかのように跡形もなく崩れ去っていった。
真っ新になった私は、また新しい砂のお城を建てる気にはならなかったが、どうにかしようと建てては崩し、建てては崩しと、まるで賽の河原でずっと石を積んでは崩されるようなそんな日々を過ごしていた。
だけど、遂にそこから脱出する事を心に決めた。