東京ラブストーリー(漫画)
コロナの自粛要請で、やることなさ過ぎて東京ラブストーリーを読んでみた。
今から30年近く前の話だから、どれだけ時代遅れなんだろうな。
なーんてちょっと上から目線で馬鹿にした気持ちだったけど、全然時代遅れなんかじゃなくって、むしろ私が生きている今の感情を全て代弁してくれたような話だった。
そうか、私は赤名リカだったのか。そして、彼は三上健一だったのか。
全てが腑に落ちた。
私には、痛いほどリカの気持ちがわかる。
彼女はずっとずっと日本に戻ってからどこにも居場所がなかったのだ。
そして、ようやく見つけた永尾完治という居場所。
心底彼の事を愛していたのだろう。彼がアフリカだったんだろう。
だけど、アフリカも所詮他人だ。残念ながら変わらないと願ってもアフリカが都市化したように、時とともに変わっていく。
彼女が妊娠発覚して、アフリカである完治の子供ではなく社長の子供だと知った時、どれほどショックだっただろう。
もちろんわかってる。自分が悪いのだと。
アフリカである彼が変わっていくことに耐えられずに別のアフリカを求めてしまった自分の弱さなのだから。
だけど、そのおかげで彼女は気づくのだ。
アフリカは変化しようとアフリカであると。そして、アフリカ自身を愛している自分がいることに。
赤名リカは変わらぬ愛を求め続けた。
それが彼女を苦しめた。
だけど、本当に愛している人の子供ではない人を身ごもることで、変わらぬ愛は人に求めるのではなく、自分の中にあるものだと気がつく事が出来たのではないだろうか。
そして、その変わることなく愛し続けられる存在を彼女は「アフリカ」と名付けたのだろう。
三上も、完治も、さとみも皆それぞれのアフリカを探し求め続けていたのだ。
彼らのように人間は誰しもきっと一生をかけてその母なる大地、アフリカを求めて彷徨いつづけるのではないのではないだろうか。
答えは誰にもきっとわからないけど、そんな事を思った土曜日でした。
ちゃんちゃん。