3年1組~エピローグ~
今日は学校に図書室の本を寄付しに来た。次男のクラスを覗くと、発達障害の子は静かに授業を受けている。少しそわそわしていたけれど、以前と比べて状況はかなり改善されていた。
近い内に補助支援員が派遣される可能性が高いと、この前教頭先生や他の保護者から聞いた。先生も以前とは違い、凛とした姿勢になり、クラス全体が様変わりしている。
あの後、先生は今まで自分が押し付けてきた教育により、次男をないがしろにしていたことを心の底から謝罪してくれた。我が家にわざわざ訪れて、深々と頭を下げた。次男はまだ少し許せない気持ちはあると言ったが、謝罪を受け入れていた。
いま、先生も生徒たちもとても生き生きとしている。私はその様子を見て、胸に込み上げる感謝と安堵の気持ちを噛み締めた。
図書室の先生から欲しいと要望のあった本を10冊渡し、少し談笑してから家路についた。そろそろ職場の昼休みが終わるので家に戻らないと仕事に間に合わない。子どもたちは休み時間になり、思い思いに駆け出していった。
発達障害の子はサッカーをしている子どもたちを見かけて、自分も入ろうとサッカーの中に入ったが、ふと立ち止まり、きょろきょろと何かを探している。それに気づいた次男の友達A(以前スローガンを破った子)とその友達が、発達障害の子が困っている内容を聞き出し、サッカーをしている子にその子を入れても良いか聞いているようだった。それを聞いてサッカーのメンバーは快く発達障害の子を迎え入れ、一緒に遊び始めた。
「一緒にいーれーてー」と言えて偉いねと周りの子たちも褒め合っている。私たちが取り組んだことは、もしかしたら失敗するかもしれないし、成果が出るかもしれない。でも、少しずつ成功に近づけていければいいなと希望を抱いている。
エピローグ
この話を読んでいただき、ありがとうございます。この物語は、ほぼすべて私の息子のクラスで実際に起きた出来事に基づいています。学校や個人の特定につながらないよう名前は伏せ、また少しひどかった被害や叱責の言葉についてはまろやかな表現に変えています。
この話を読んで「あっ、あそこの学校だ」と気づく方もいらっしゃるかもしれませんが、どうか学校名や個人名が思い当たってもそっと口を閉ざしてください。
話を書かなければいいのではないかと思われるかもしれませんが、多くの人と話し合い「公開しよう」という話になりました。同じように苦しんでいる先生や保護者、子供たちへの何かのきっかけになることを望んだためです。
どうか、これからの日本の未来で子どもたちが明るく元気に過ごせますように。
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