イオン導入・エレクトローポーション・超音波導入は金ドブなのか
今回はイオン導入、エレクトロポレーションなどの
「経皮導入治療」について私なりにまとめました✍🏻
経皮導入とは美容成分を肌に導入する治療法のことです。
ざっくり言うと…
\手で塗るのに比べると肌の奥に美容液を届けれる👐🏻/
という治療です。
代表的なものにイオン導入、エレクトロポレーション、超音波導入があります。
導入治療はどうしても補助的な立ち位置になりがちで
巷では…
😠「導入治療は意味無い!金ドブだ!」
という意見も見受けられます…🥹
個人的にはそんなことはなく…!!
"肌の状態や治療のタイミングによっては良い治療"だなと思っています。
なぜ金ドブじゃないかを理解するには
「導入治療とはどういった仕組みなのか!」
を知る必要があります。
経皮導入の種類
導入の代表的な治療は主に以下の3つがあります。
①イオン導入
▶︎微弱電流で美容液を浸透
②エレクトロポーレション
▶︎電気パルスで皮膚に隙間を作り美容液を浸透
③超音波導入
▶︎振動で細胞間に空洞現象を起こし美容液を浸透
1つの機械でエレクトロ×イオン導入など2つの技術を組み合わせている機械もあります。
※直接注射するメソセラピー、ポテンツァ、メソガン、水光注射なども美容成分を導入しますが、今回は侵襲がないものだけ導入治療として書きたいと思います。
(侵襲がなくダウンタイムがないのも良いところです🐼)
肌はバリア機能で守られているので美容液は浸透しにくい
私たちの肌は普段バリア機能によって守られています。汚れやファンデーションなどが肌の奥へ入っていったら恐ろしいですよね…🥹
なので美容液だけが都合良くスルスルと皮膚の奥へ浸透していく訳がないのです。
このバリア機能を乗り越え、美容成分を届けやすくするのが「経皮導入治療」です!
″どうやって美容成分が浸透するのか”
を細かく理解することで導入治療について理解できるだけでなく、皮膚の解剖生理で大切な”バリア機能”や”スキンケア”にも繋がってくる知識なので美容ナースさんは押さえておくポイントです🐼🔖
押さえておくべき2つのポイントは
①バリア機能により守らているので美容液も浸透しにくい
②美容成分の種類によって浸透のしやすさが変わる
このバリア機能を担っているのが表皮の1番上「角質層」です。バリア機能を理解する上でこの角質層の解剖生理が重要となります。
▫️角質層の解剖生理
角質層を一言で表現するとしたら何と表しますか?
「死んだ細胞」「垢となって剥がれ落ちる」
と理解している人も多いと思うし、こう表現しても正解ですよね◎
⬆️このイメージが強いのは、スキンケアや美容治療で不要な古い角質を除去するといったものがある影響かなと思います。
でもこんな表現だったら
何で存在してるのって感じです🥺www
角質層の大事な機能は「バリア機能」です。
バリア機能は
☑️外からの刺激から守る
☑️水分や体液が外に出て行かないように守る
という2つのバリア機能で私達は守られています。
角質層は(平均)0.02mmの死んだ細胞が積み重なった構造です。
0.02mm!!なんだか弱そう( ᷇࿀ ᷆ )
サランラップと同じ薄さ( ᷇࿀ ᷆ )!!
と思っちゃいますが!!角質層は死んだ細胞が積み重なっているだけではなく、特殊な構造になっています。
角質層のバリア機能のポイントは3つ!
☑️レンガ状に積み重なっている
☑️ラメラ構造
☑️細胞間脂質
この特徴のおかげで角質層はバリア機能として働きます。これ以上は話が長くなるので
角質層はバリア機能で守らているので美容成分はそんなにスルスルと肌の奥へ入らないと覚えておくと◎
▫️分子量500までしか通らない
「分子量が大きいと肌の奥に浸透しない!」
ということは聞いたことありますか?
これはなんとなくイメージしやすいと思います💭
ヒアルロン酸のトロッとした美容液は肌の表面でぬるぬるして奥に浸透している感じはしないですよね…!
逆にサラッとしているビタミンCの美容液は肌の奥にスっと入る感じがします。
ヒアルロン酸は分子量50万~200万。
ビタミンC(アスコルビン酸)の分子量は176。
かなり大きさが違います。
表皮は分子量3000以下、真皮は分子量500程度までの分子を通します。
真皮層の血管壁は分子量100より小さくなくては入り込めないようになっています。
「イオン導入」「エレクトロポレーション」「超音波導入」それぞれの経皮導入の機械がどうこのバリア機能を乗り越えているかはまた別の投稿で書きたいと思います🐼ྀི!
経皮導入を理解する為にはこの皮膚の「バリア機能」について覚えておきましょう✍️
☑️角質層のバリア機能により美容液は浸透しにくい
☑️表皮は分子量3000以下、真皮は分子量500程度までの分子を通す。
3つの導入方法の違い
▫️導入できる深さの違い
イオン導入:表皮まで
エレクトローポレーション:真皮まで
超音波導入:真皮まで
▫️導入できる成分の違い
イオン導入の場合、イオン化できる"水溶性"で"分子量500以下"でなければいけません。比較してエレクトロポレーション・超音波導入は油溶性や分子量の大きい成分も導入できるので幅広い美容成分が導入できます。
この3つの比較であなたは思ったハズ!
「イオン導入の強みは?!メリットは?!」
( ᷇࿀ ᷆ )
そうなんです!導入できる美容成分の多さも皮膚へ届くと深さも、他の2つに負けてます。イオン導入のみの導入機械を取り扱っているクリニックも減ってきた印象です。
だからといって「イオン導入の仕組みは理解しなくてよいや~ദ്ദിᐢ- ̫-ᐢ₎」とはいきません。
なぜなら、エレクトロ×イオン導入、超音波×イオン導入というイオン導入の技術を使った機械は多いのでイオン導入の仕組みは理解必須です🥺💡
また家庭用の美顔器にもイオン導入が含まれていることが多く、患者さんも使っていることもあります!
導入治療の代表的な機械
美容クリニックで主に取り扱われている代表的な機械です。2つの技術を組み合わせている機械も多く、同じエレクトローポレーションだとしてもスペックが違います。
【導入治療の代表的な機械】
2種類の導入方法を組み合わせている機械
先程の代表的な機械の表を見て頂いても分かるように2種類の導入技術を組み合わせている機械もあります。
メソナJ 「エレクトロ×イオン導入」
エレクトロ=隙間を作る、イオン導入=美容成分導入
イオン導入は電流の力で美容成分を肌の奥に押し込む治療です。エレクトロポレーションは電気パルスで皮膚に隙間を開けて美容成分が導入しやすくする治療です。
ということは、エレクトロポレーションで皮膚にすき間を作って、イオン導入で浸透させるとより効果的ということになります。
イオンソニック、イオンザイム「イオン導入×超音波」
イオンソニック07、イオンザイムもイオン導入と超音波導入が組み合わさった機械で同時出力も可能です。
イオンソニックはサンソリット、イオンザイムはエンビロンという美容クリニック御用達のスキンケア会社が出しています。
金ドブにしない!導入治療のベストタイミング
美容成分の導入なので、悩みがない人でもメンテナンス目的で受けることも多いです。ただせっかくお金かけるなら、ここぞというタイミングで治療したいですよね🥹
メンテナンスとしてもオススメですが、ここぞというタイミングで施術をしないと、効果実感が薄く満足度も低くなるのかな〜と思います🥺💭
▶︎導入治療がおすすめなタイミングを紹介していきます🐼
▫️ピーリングとの組み合わせ
ピーリングは肌の汚れを落としターンオーバーを促進する効果があります。肌の汚れが取れた状態だと美容成分の浸透が更に良いので導入治療との組み合わせが良く、相乗効果が期待できます。
せっかく美容成分導入するなら汚れの取れた後が良い.ᐟ.ᐟ
ということです。またピーリング後に気になる乾燥に対しても良いです!!
▫️肌がダメージを受けているとき
日焼け・乾燥など、美容成分をダイレクトに届けて肌を回復したい時もベストタイミングです。
※あまりにもダメージを受けていると治療自体が刺激に感じる可能性もあるので医師の判断を仰ぎましょう◎
▫️レーザーやIPL治療との組み合わせ
レーザー治療後の敏感な肌に導入することで炎症を落ちつかせる効果があります。
私の勤め先のクリニックではピコレーザーで顔全部のシミ取りされた方は強い炎症が起きる為、メソナJを同時にオススメしています。レーザーでかなりヒリヒリ炎症してるお肌でもエレクトロポレーションをするとかなり落ち着きダウンタイムや色素沈着のリスクも軽減することができます。患者さんからも好評です。
▫️ニキビ治療
ニキビ治療ではピーリングとセットで導入治療は行われることが多いです。先程のピーリングとの組み合わせによる相乗効果もあります。ニキビ治療で代表的なピーリングとニキビに効果的な成分(ビタミンCなど)を導入するのは昔から行われている治療法です。
▫️色素沈着
特にレーザー治療だとリスクが大きい場合
ニキビ跡や火傷後の色素沈着などにも導入治療が使われます。色素沈着はメラニンが増えた状態ですが、炎症性の色素沈着の場合、レーザーでメラニンを破壊しようとすると炎症を強める・白斑になるリスクもあり安易にレーザーを使えない場合があります。レーザーを安易に使えない。そんな時の治療法として色素沈着に効果的なビタミンCやトラネキサム酸などの有効成分を低侵襲で導入できます。
炎症が強まる理由は、まだ炎症が残っているのに追い討ちを掛けてしまうからです。白斑になる理由はメラノサイトごと破壊される可能性がある為です。⬇️
▫️肝斑治療
難しいと言われる肝斑治療
難しい肝斑治療にも導入治療が使われます。肝斑に効果的と言われている「トラネキサム酸」を導入できるからです(※導入する成分はクリニックによる)
肝斑の対敵と言われている摩擦に気をつけながら導入を行います。肝斑治療は難しい為、単体で行うよりトーニングなどと組み合わせて行うと◎
【結論】 導入治療は金ドブではない!
🪩金ドブではないが、効果をしっかり理解する
以上のことから導入治療は金ドブではないと思います。
ただ、シミは導入治療では基本的には消えないし、毛穴治療では他の治療に比べると大きい効果は期待出来ないです。
「導入治療 = 手で美容成分を塗るよりかなり浸透する」
ということなので、効果は導入する成分に左右されます。
例えば、ビタミンCをイオン導入する場合「シミ・美白・ニキビ・毛穴」など色々効果が書かれていると思います。
効果は間違ってないですが、詳しくいうと「シミや美白に良い美容成分を手で塗るのに比べると20倍浸透します」ということです。シミの原因のメラニンを破壊するにはレーザーやIPLの方が効果があります。
こんな風に言ってしまうと
「じゃああんまり効果ないんだね~」
( ー̀ωー́ )
と思われがちですがそんなことはありません。
少しでも美容成分を低侵襲で導入したい場合やレーザー治療ができない状態のときには導入治療は活躍します。
(先程お伝えしたベストタイミングの状態です💡)
「導入治療5回通ったけどシミが消えなかった!
毛穴も引き締まらなかった😭😭!」
と思ってしまえば金ドブだと思うと思います。(ほとんどのクリニックでは効果や機序を詳しく説明してくれると思いますが)
近い例えだと、美容室でカラーやブリーチしたらダメージを抑える為にトリートメントをするような感じです。
導入治療は肌状態や使うタイミングによっては本当に良い治療だと思います🐼