実感が湧かない・・・検査結果が出る・・・
紹介先の病院で新たに検査を行った。CT(造影剤使用)、MRI、血液検査・・・なんでもない検査だが、恐怖しか感じることが出来なかった。
そして、ついに結果が出た。
悪性腫瘍の肝細胞癌である。この病院では、悪性腫瘍の大きなものが2個あるので、手術での物理的治療が不可能だという結果であった。抗がん剤などを使用して延命するしかないと・・・
そこで、ぶっちゃけ聞いてみた「正味の話、僕の命はあとどれくらいなんでしょうか?」と・・・「抗がん剤治療をしてあと一年半くらいです」と言われました。
目の前が真っ暗になって、奈落の底に落とされた感じがした。だが、あまり実感が湧かなかった。
「どう致しますか?」という話になり、とりあえず、セカンドオピニオンしてみたいということを先生に伝えた。快く了承してくれた。セカンドオピニオン先は、大阪市内の公立大学の医学部の附属病院にすることにした。ネットで調べたら肝細胞癌では、全国3位の実績だったので、そこに委ねることにした。
命を考える・・・
余命宣告されたが、正直、全く実感が湧かなかった。とりあえず、親に伝えた。そして、会社を辞めることにした。
余命宣告をされた日はあまりにも突然で、実感が湧かなかった。日が経ち、味覚が徐々におかしくなるのと、背中の痛みが激しくなるのを感じることで、自分が癌であるということを認識することになった。
こういう状態になって初めて、命を実感することができた。生きているということは、それだけで素晴らしいということである。
こんな負け犬のくだらない人生、いつ死んでもええわと思っていたが、実際、死を目の前にすると、とんでもない恐怖が襲ってきた。もっと一生懸命生きるべきだった・・・やりたいことを優先してやるべきであったと・・・海外旅行にもっと行きたかった。次のワールドカップを実際スタジアムで見たかった。ドラクエ12をやりたかった等、まだまだやりたいことがたくさんある。
まだ死にたくない・・・本気でそう思った・・・