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※追記あり【企業分析】6727 ワコム

はじめに

 2019年の目標であるアウトプットを増やす!について、企業分析をアウトプットすることで自分の理解を深めたいと思います。
(※noteにまとめることに着手し始めたのは2019年年明けくらいですが、さぼったり構想がまとまらなかったりで、数字にタイムラグがだいぶあります)

注目した経緯

 家電量販店で試し書きしたことがきっかけです。紙に書いているような書き心地に感動し、頭の片隅に入れていたのですが、なぜウォッチするに至ったかは忘れました・・・。

どんな会社?

 言わずとしれたデジタルペンの会社ですね。

社長さんは?

 現在の社長さんは井出 信孝さんです。後述の経営陣刷新により2018年4月にワコムの社長さんになられました。1995にシャープに入社し、2013年よりワコムに入社しているみたいですね。動画配信でしか見たことがありませんが、クリエイティブな見かけでワコムの強みである「手書き」でしか伝わらないものというのを大事にされてる印象でした。社長さんが出ている動画や記事があまり出回っていないのであまり深くは観察できませんでした。

会社の歴史

↑こちらにワコム製品の歴史が分かりやすくまとめられています。

【沿革】
●1983年7月 株式会社ワコムを設立
 電子機器事業(現ブランド製品事業)及びECS(Engineering Collaborative Solutions)事業(現エンジニアリングソリューション)を開始
●1985年6月 本社を埼玉 県北葛飾郡鷲宮町(現久喜市)に移転
●1988年4月 ドイツ連邦共和国にワコムコンピューターシステムズ(現ワコムヨーロッパ)を設立
●1990年7月 埼玉県北埼玉 郡大利根町(現加須市)に豊野台工場を竣工
●1991年7月 アメリカ合衆国にワコムテクノロジーを設立
●1993年1月 本社を埼玉県北埼玉 郡大利根町(現加須市)(現在地)に移転
●2000年3月 中華人民共和国にワコムチャイナを設立
●2002年4月 ペン・センサーコンポーネント分野(現テクノロジーソリューション事業)へ進出
●2003年4月 日本証券業協会JASDAQ市場上場
●2004年4月 大韓民国にワコムデジタルソリューションズ(現ワコムコリア)を設立
●2004年12月 日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ市場)に株式を上場
●2005年4月オーストラリア連邦にワコムオーストラリアを設立
●2005年12月 東京証券取引所市場第一部上場
●2006年3月 国際環境規格ISO-14001の認証を取得
●2006年4月 中華人民共和国香港特別行政区にワコムホンコンを設立
●2006年5月 シンガポール共和国にワコムシンガポールを設立
●2006年12月 ジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ市場)への上場を廃止し、東京証券取引所市場第一部へ市場を一本化
●2008年9月 台湾にワコムタイワンインフォメーションを設立
●2010年8月 アメリカ合衆国にワコムテクノロジーサービスを設立
●2010年10月 インド共和国にワコムインディアを設立
●2017年12月 エンジニアリングソリューション事業を日 東工業株式会社へ譲渡

どんなビジネスモデル?

 大きく分けて2つの事業があります。①自社製品を売る「ブランド製品事業」と②OEM事業である「テクノロジーソリューション」事業です。ちなみにワコムはファブレス企業で自社で工場を持ちません。製造は外注です。

業績の推移

 2017年3月期の赤字はブランド製品事業の円高、需要の減少、競争の変化などですべての製造ラインの売り上げの落ち込んみ、テクノロジーソリューション事業のgalaxy note 7の生産中止による影響によるものです。
 ↓↓↓
 これを機に新規顧客開拓、経営陣刷新へ。(windowsやgoogleとの協業に力を入れたのもこれがきっかけ?)

 ↑こちらにワコムのファイナンシャルデータが詳し~く掲載されています。

 ファイナンシャルデータで抜粋したものを下記に掲載します。

 最近の短信にも記載しておりましたが、ブランド製品事業は軟調です。恐らくテクノロジーソリューション事業が今後伸びていくと思います。

 他に差をつけるにはやはり技術を磨くしかありません。研究開発費は頭打ちになっておりますが、今後の推移に注目したいと思います。

限界利益率

 2018年3月期の決算を使って限界利益率を計算してみましたが、変動費・固定費の仕分けに自信がありません・・・。(単位は百万円)


DCFで分析してみた

 ネットに無料掲載されているDCF法のエクセルシートに見よう見まねで入力したの図が以下になります。本当は下の方に減価償却費や運転資本の数値が書かれていますが割愛してます。ワコムは2022年に売上1000億、営業利益率10%を目標に中期経営計画を立てているので、それを参考にしました。

 FCF成長率とWACCの感応度分析です。

PER×EPS

 2009年からのある地点のPER×EPSの散布図です。黄色の面積が今の状態を反映してます(2019/2/28時点)。EPSは15前後、PERは15~30でこれまで推移しており株価は面積ということになります。青の面積が今後3~5年でこれくらいは伸びるであろう私の予想図です。

縦軸:EV/EBITDA、プロダクトのニーズ、時価総額、PEGレシオから想像
→こちらは今の状況から激しくは変動しないであろうと予想。
横軸:EPSは今後の需要に伴い伸びると予想。

外部環境(Opportunity)

 デジタルペンというのは周りを見回してもまだまだまだ普及しておりません。しかし、「PDFにちょっと書き込みたい」、「医療画像の病変部位に書き込みたい」「スマホの写真に少し書き込みたい」「地図に書き込みたい」というニーズは必ずあると思っています。でも、今は書き心地の良いペンがないから太い指で写真を加工してみたり、書き込まずにメールの本文に書いてみたりという具合です。そういった意味で外部環境は良いと考えます。
 将来、PCやスマホはもちろんのこと、冷蔵庫に、ドアに、デジタルホワイトボードにワコム製のもしくはワコムOEM製のデジタルペンが使われる日を妄想しております☺

外部環境(Threat)

 ワコムは「強い相手とは競争しない」という戦略でマイクロソフトやグーグルにOEMという形で技術を提供しています。私はそこら辺の事情に詳しくはないのですが、OEMが解消されるリスクはあるのでしょうか・・・?ここらへんはIRに聞いてみないとですかね(;^ω^)
 また、安い中華ペンも性能が追いついている予感がします。私はファーウェイのMペン(筆圧感知式)を普段使っておりますが、使い心地に文句はありますが、数年前のスタイラスペンよりは断然書きやすいです。

内部環境(Strength)

 2017年度のギャラクシーによる痛手で経営陣を刷新しました。これは立派な判断ですね。中期経営計画では「利益重視」ということですが、今後の財務の体質等に注目していきたいと思います。

内部環境(Weakness)

 とても高い技術を持っていることは確かです。技術を守るための労力を相当かけているという話もありました。しかし、ブランド製品事業は弱く、私はブランド製品事業の盛り上がりにはtoBだけでは厳しいと感じております。とはいえ、toCに浸透するにはやはり価格が高すぎます。ワコム製のデジタルペンを普及させるにはやはり価格を下げないといけない気がします・・・😿また、現在の利益率もまだ5%以下で財務体質は強いとは言えないですね。目標の「営業利益率10%」に前進しているか、今後もウォッチです。

さいごに

 株式投資という目線で見た時に、今の株価が400円~600円ほどですので、大化けするような企業ではないなと思っております。しかし、1.5倍~3倍になる期待値は固く、高いのではないかと思いホールドしております。また、今はデジタルペンが普及していない「0」の状況です(言いすぎ?)。何よりも、「0」の状況から拡大していく様子を株式投資をすることで一緒に体験してみたいです。10年前は電車の中で殆どの人がスマホにかじりつく姿なんて誰~も想像できていないはずです。10年後に

「ボールペン?なにそれ?デジタルペンのこと?」
「360色出せるデジタルボールペン!発売!」
「VRで空間に文字を書いてみよう!(←これは今開発中)」
「ホワイトボードなんてもう古い!デジタルボードに書いて自由に拡大・縮小もできる!」

みたいな未来が来てもおかしくないと私は本気で思っています。

 まとまりがない企業分析かもしれませんが、こういう風にアウトプットすることで改めて気づく点も多々ありました。「あれ?自分はワコムのここをまだ調べていなかったな」とか「IRにもう一度確認しよう」とか。今後もブラッシュアップし、企業分析をアウトプットしていこうと思います。
 アドバイスがあれば是非ともコメント頂けたら嬉しいです。

2019/5/9 追記

 本日を含めワコムの株価が9連続陰線で、2018年クリスマスの世界的な急落の水準まで来ていました。ヤフー掲示板によるとどうやらサムスンの大幅減益を懸念している感じです。そこで、2018/6/25発出の有報を見ると以下のように記載されています。

2.【事業等のリスク】④特定の販売先への依存
当社グループの販売先は多岐にわたっておりますが、テクノロジーソリューション事業における主要販売先であるサムスングループに対する販売実績は、総販売実績に対し、前連結会計年度で18.8%、当連結会計年度で15.4%
と比較的高い水準にあります。

無視はできないですね・・・。ただ、2017年3月期の経験をもとにサムスンへの依存から脱却しよう!と動いておりましたので、決算を見てみないと影響力がわかりません・・・。





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