『街とその不確かな壁』に隠された、女の子の鎮魂、そして継承の主題
村上春樹の新刊『街とその不確かな壁』を読んだ。単行本未収録の短編小説「街と、その不確かな壁」も読んでいた身としては、タイトルが発表された時さすがに「おおお」とどきどきして、発売日に書店に走り、ちょっとずつ読むつもりがなぜか最後まで読んでしまった……のであった……いやこんな一気に読むつもりはなかったんだ、信じてくれ。
というわけでせっかくなので感想を書く。
ネタバレせざるをえないのだが、さすがにまだネタバレしていい段階だとは思わないので、感想は有料に置いておきます……以下ネタバレします(大声)。
1.『ねじまき鳥クロニクル』以後の村上春樹と「父」
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