「素敵なおばあちゃん」漫画の流行に、カウンターパンチー『今度生まれたら』(内館牧子)
『今度生まれたら』(内館牧子)と『ガラスの50代』(酒井順子)を続けて読んだ。どちらも「女性の老後」を考える小説とエッセイ。先週〜今週は芥川賞直木賞候補作を読んだり行き詰まっている原稿のための資料を読んだりあれこれ読むものが多かったので、逆に趣味の本としてはなんか全然自分の年代と違う場所にいる人のものを読みたかったのかもしれない。が、結果としては「(当たり前すぎることだが)自分がおばあちゃんになることって、今と地続きの話なんだな……」としみじみ感じたのだった。
正直、最近の「理想のおばあちゃんブーム」というべき流行に対して、楽しみつつ、ちょっとしたうさんくささを感じている自分がいた。が、『今度生まれたら』は、当事者たちから生まれたそういった文脈への強烈なカウンターパンチだなあ、と感じたのだった。
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