たゆたえども沈まず
原田マハさんの小説「たゆたえども沈まず」
図書館で借りて読み終えました。
毎度の事ながら、史実に基づいたフィクションで
「ほんまにあった話?」と勘違いしてしまうほど、
登場人物の様子が有り有りと浮かびました。
孤高の天才画家、ゴッホ
ゴッホの才能を誰よりも信じ、また苦悩した弟、テオ
ゴッホの才覚を一早く見抜た画商、忠正
忠正に師事し、テオとかけがえの無い友人となる、重吉
画家として、画商として、孤高の存在であり、審美眼を持つゴッホと忠正。
異国の地で画商として奮闘する、どこか似たような性格の、テオと重吉。
尊敬する兄を応援したい気持ちに反し、支援に苦しむテオ。
忠正の真意が分からず困惑するも、忠正をパイオニアとして師事する重吉。
違う登場人物だが、それぞれ置かれた環境や境遇が似ている者同士。
だから互いに惹かれあい、信頼していくのだろう。
セーヌ川はこれまで氾濫を繰り返しているが、それでも復興し栄えるパリは、
嵐や洪水が来ても、たゆたい沈むことの無い舟のようだと例えられてきました。
時代という川にたゆたう、登場人物たち。
それぞれに苦しみながらも、それぞれの意志は現代までたゆたい続けている。
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やー!読了感半端なかったーーーーーー!スッとした気持ち!
国語の授業のノートばりに、考察したもんね笑
先日の心療内科で
「しんどい時は「嵐が過ぎ去るのをジッと待つように」するのが大事。
頑張ってる時って「嵐に逆らうように雨風に打たれる」のと一緒。」
と主治医に言われました。
晴れの日も、曇りの日も、雨の日も、
「たゆたえども沈まず」でゆったりいたいものだ、と感じました。