症状が出る ”ぎりぎり量” じゃなくても良い
”ぎりぎり”の量じゃなくても良い
おさらい
食物アレルギーは「症状が出ない程度の少量」を食べたほうが治りが良い
以前、食物アレルギーは「完全除去」が基本でしたが、近年の研究で「症状が出ない程度の少量」を食べ続けると治りが良いことがわかっています。
閾値(いきち)
食物アレルギーで「症状が出てしまう最小の食品量」を『閾値(いきち)』と呼びます。食物傾向負荷試験などで、症状が誘発されたギリギリの量が『閾値』になります。
食べ続けるのは「閾値の1/10量」でもOK
上記のように、食物アレルギーの治癒には「症状が出ない量を食べ続ける」のが大事です。しかし、閾値ギリギリの量を毎日食べていると、その日の体調などにより、症状が出てしまうことがザラにあります。
では、もっと少ない量を食べるのはどうでしょう?
あまり少ないと「食物アレルギーを治す手助け」にならないんじゃないかと疑問視されていました。
でも、最近の学会発表で「結構少ない量でも良い」ことが報告されたんです。
切り抜きなので正確なデータは載っていませんが、『閾値の1/10量』を食べ続けていれば十分に治っていくという発表です。私も長らくアレルギー診療をしていて肌感覚で感じていたことなのですが、ついに研究発表として出てきました。
自宅での少量摂取は無理しちゃダメ
私の外来に通院されている食物アレルギーの方で、「ごく少量」を食べてもらっている方がたくさんいらっしゃいます。「早くたくさん食べさせたい」と焦る気持ちはわかりますが、”少量摂取を続けていても治り方には大差がない”です。負荷試験時はともかく、自宅での練習摂取で無理は禁物ですよ!
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