見えなくてもメイクアップ
数年前視覚障害者向けのメイクアップ講座と言うのに参加した。
講師は全盲の女性で見えなくても使いやすい化粧品などを紹介してくれた。
彼女は基礎化粧はもちろんマスカラやアイラインもてのかんかくで見事にやってのけていた。改行改行
それはもう熟練した匠の技であった。
彼女はこの技を体得するためにどれほど血の滲むような努力をしてきたのだろうか。
考えただけでも頭がクラクラしてきた。
わたしはそんな事に時間と労力を費やすならうまいもの食べてゴロゴロしていたい。
わたしは化粧をすることをスッパリ放棄した。
見えないと何をやるにも普通の人の何倍も努力しなければならない。
そこで何を優先するかは人それぞれである。
マスカラが変な所についてしまっても修正できないし、見えなすぎてすでに焦点が合わなくなってしまっている目をわざわざ目立たせてどうする。
化粧をサボる理由を色々考えて自分を納得させる。
いやいや、ただ物臭なだけだろう。
お洒落じゃないだけだろう。
そんなこんなで今ははみ出しても被害が甚大にならない口紅くらいを適当につけて誤魔化している