見えなくてもランドリーム
コロナ禍になってほとんど家から出なくなった。運動もしなくなった。まずいとは
おもいつつ、どうしたらいいものかと思っていたところ、視覚障碍者の有人がランニ
ングの伴走をしてくれるという人を紹介してくれた。
私は持久力を母のお腹に置いてきたのではないかと思われるほどとにかくマラソンだ
けはできなかった。
だから時々お誘いは受けていたものの、迷惑かけても申し訳ないので徹底的にお断り
していた。
でもこうなったら背に腹は代えられない。これも何かのご縁だとお願いすることにし
た。
それから週1回くらいのペースで一緒に走ってもらった・・というかちまちまジョギ
ングしてもらっていた。
Noteの記事で、ランニングを初めて数か月で10km走ったとかハーフマラソンに出場し
たとか読むとどんな魔法を使ったのかとか、盛ってるんじゃないかとか思ってしまう
。
でも水泳のコーチが言うには、大人になってランニングを始める人はもともと何か運
動をやっていた人が多い。私のように全く運動経験がないインドアオタク(・・とは
言わなかったが)がいい年になってから始めること自体偉いらしい。
うんうん、そういう事にしておこう。
更にランニングを始めてよかった事はいい仲間ができたこと。
先日、その中の一人、家が比較的近いという事で紹介いただいた看護師をやっている
素敵マダムに「今度埼玉でランニングのイベントがあるから来ない?」と誘っていた
だいた。
ランドリームというイベントで埼玉の別所沼公園で1周1km弱のコースをリレー形式で
フルマラソン走るらしい。
日本各地でやっているようで、寄付金を募り、難病ASLや障害のある人を支援するチ
ャリティープロジェクトだそうだ。
参加することに意義がある系なので、速さは要求されないし、しんどかったら歩いて
もいいよという話だった。
私はまた彼女に会えるならと二つ返事でOKした。
ラン仲間で視覚障碍者のお兄さんも、一緒に走ってくれる伴走者を紹介してくれた。
これでバッチリだと当日を楽しみに待っていたら、不穏なラインがぽつりぽつり入っ
てきるようになった。
当日は34度の予報。帽子、サングラス、着替えはもちろん水は最低3本は持ってくる
べし。お昼ご飯も各自用意するように。
私はいつも涼しい部屋の中でアニメを見たりゴロゴロしているので今が夏なのをすっ
かり忘れていた!!
そのあともランドリームに参加予定の友人から連絡があり、「走るところは沼が近い
のでミストサウナの中を走る感じ」だとか、道が凸凹して走りにくいとかいろいろ怖
い話を聞いた。
彼女曰く、マダムもお兄さんも雨が降ろうが槍が降ろうが40度だろうが、とにかくフ
ルマラソン3時間台で走る勇者たち。100kmくらいある山越え谷超えのレースも完走し
ている。
要するに村人Aの私とは別次元の人たちなのである。
全日にはもうすっかり恐怖のずんどこ。見えないだけで迷惑なのに熱中症で救急車な
んてことになったらさらに迷惑千万。
しかし積極的に行くと言ってしまったし、伴走の人もお願いしてしまっているので今
更断れない。
もう自衛隊の訓練か何かに行く心持だった。
そしていよいよ当日。最寄り駅でマダムに拾っていただきいざ埼玉へ!!
休みの日にこんなに早く起きるのはスキーの時くらいだ。いや、スキーほどは早くな
いか。
駅から公園まで20分とか言われていたけれど、10分も歩かずに到着。とりあえずホッ
とする。
まだ9時前だったのであまり暑くもなくこれなら行けるかもという感触。
参加者30人を3つのグループに分ける。
見えない人と見える人が一組になって5ペア1チームになりいざスタート!!
ほとんどの人は公園を2周走っていたが、無理をしてつぶれるよりは堅実に行こうと
私は1周にした。
交流がメインで競走にはこだわらないという事だったが、一応タイムも計るみたいだ
から、あまり足も引っ張れない。涼しいうちに走っておこうと初めは走ることにした
。
リレー形式なので他のペアが走っているときは休憩できたので、それもかなり助かっ
た。
そこらへんで座っていると、いろんな人が食べ物を差し入れてくれるのもうれしかっ
た。
暑いことで有名な埼玉、しかも沼地でサウナ常態という話を聞いていたけれど、木が
たくさんあって日陰もあるので思ったほどの過酷さはなく、むしろ気持ちいいくらい
だった。
それでも昼頃になるとかなり熱くなってきた。でも伴走の人と走っていると何となく
走れてしまうのが不思議。
私のターンは6かい回ってきたので結局トータルで6km弱走ってしまった。
終わった後は皆で打ち上げ。体育会系の飲みはやはり豪快。
差し入れのお惣菜なんかもあって。食べたり飲んだり喋ったり。
終わってみるとあの心配は何だったのかというくらい楽しかった。
誘ってくれたマダムや伴走者を紹介してくれたお兄さん、そして当日何やかや面倒見
てくれた伴走のお姉さん、そしてイベントをコーディねーとしてくれたスタッフの人
たちには感謝してもしきれない。
埼玉遠いし私はヘボくて迷惑をかけるかもだけど、また機会があったらぜひ参加した
い。
最後に主催の人がランドリームのイベントを47都道府県で開催するのが夢だとおっし
ゃっていた。
たくさんの人と交流できるし私のようなへぼも受け入れてくれる間口の広さもある。
そして何より楽しい。
全国にランドリームの輪が広がったら、私のようなインドアオタクもランニングを楽
しめるようになるかもね。
ランドリームス↓
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楠田代表↓
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