ねこむら

「ねこむら学習帳」 これはねこむらの学習帳。

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最近の記事

焼き鳥

焼き鳥が飛んだ。もわもわと空気の溜まった店内から逃れるように、その身は窓から飛び出した。 先週から気がかりになっていた少し面倒な仕事を片付けてとりあえず身軽になった私は、デスクから離れることが許される時間まで、先月から思考の何割かを占めていた問題について確認をしていた。ぜったい今日こそ話す、と誰にも聞こえない声を発したのと同時に、私の頭の周りに飛んでいたのは焼き鳥だった。ねぎまとせせりとかわ、どれも塩味。3本が友達のように楽しく走り回っていた。 大事な話をするのに焼き鳥屋か

    • #最近何聴 240210 セットリスト

      どうも、ねこむらです。 今月また清荒神のFLATで「#最近何聴」を開催しました。 「#最近何聴」は持ち寄った音楽をシェアするご機嫌な会です。 宝塚ではもう6回目の開催だったみたいです。 前回のセットリストはこちら Spotifyのプレイリストはこちら Spotifyにない曲もあるので、以下イベント当日に流した全曲とYouTubeのリンクを貼っておきます。 1. Salmon Pink - What Gets Me #実は日本産 #フリッパーズギター #時空が捻れる #

      • Podcast再開のお知らせ

        お久しぶりです、ねこむらです。 一時期「文章楽しい〜」となってここにいろいろ書いてましたが続かなかったですね…。 寒くなってからあまり元気なかったんですが、最近体調が安定してきてきました。 興味が広がって言葉にしたいことも増えたので久しぶりにPodcastをひとり喋りで再開することにしました。 気が乗れば文章も書くかもです。 Podcastでは今まで扱ってた映画や最近ハマってる文学とかについて気軽に喋ってみようと思っていますのでよろしくです✌️ 追記:上記リンクはSpoti

        • #最近何聴 231118 セットリスト

          お久しぶりです。ねこむらです。 先週、清荒神のFLATで「#最近何聴」を開催しました。 「#最近何聴」は持ち寄った音楽をシェアするご機嫌な会です。 宝塚では5回目の開催です。 前回のセットリストはこちら Spotifyのプレイリストはこちら Spotifyにない曲もあるので、以下ではイベント当日に流した全曲とYouTubeのリンクを貼っておきます。 だいたい3ヶ月周期なので次回は2月頃かな〜。 インスタとかで告知するのでまたぜひ〜。 1. Say Sue Me - S

          小津的な

          引っ越してきた部屋についてのフレッシュな気づきを残しておきます。 段差がある床 玄関を抜けて廊下からリビングへ入る時、リビングからベランダへ出る時、リビングから和室へ抜ける時、和室から洋室へ抜ける時、洋室から廊下へ出る時、それぞれに段差があります。それらの部屋は通り抜けができてぐるぐると回れたりもするのでエッシャーの絵にあるようなペンローズの階段のように感じます。カヒミ・カリィのまるちゃんのオープニングのようにひとりで追いかけっこをしてみたくもなります。しかしどこかで何回

          街中のコミュニケーション

          マンションの白い壁にカメムシが目立つようになりました。 週末に引っ越したばかりの私は「このマンション、多いな」と思ってたのですが、ガスの閉栓作業立ち合いのために元いたマンションに行くと茶色い壁でも何匹か視認できました。もうそんな季節、一夜にしてがらっと変わるのですね。 引越しのバタバタで余裕がなかったのでここになかなか書くことができていなかったのですが、書きたいことはいろいろあります。でも、前にも言ったようにストックはしません。今日は街中で経験した、聞こえた、見たコミュニケ

          街中のコミュニケーション

          殺気と普段聴こえない音

          みなさんは体調によって音の聴こえ方が変わることはあるでしょうか。私は仕事で疲れた時、特に身体の疲れというよりも神経をすり減らして帰り道すれ違う人全員に殺気を放出しながら歩いている時に、あります。 以前も少し書きましたが疲れているときはバンドサウンドを好み、特にドラムの響きがいつもと変わるような気がします。具体的にいうと、そういう時に聴くアルバムとしてナンバーガールのベストがありますが、手数の多いドラムとシャンシャン鳴るシンバルが疲弊した脳に気持ちいいのです。もちろんナンバー

          殺気と普段聴こえない音

          アレの日、私は

          9月14日木曜、出社後喉の違和感を感じ最近また身近に増えているコロナもしくはインフルエンザの可能性を上司に漏らしながらも熱はないのでそのまま外勤へ。まだコロナの検査もしたことがないのでそうなったときにどうすればいいのかスマホで調べていると、目的地のひとつ前の駅で降りてしまいました。乗り過ごすことはあってもひとつ前ってのはなぜ?それは行き慣れない場所で「寝屋川が見えたら」をなんとなくの目印にしていたから。そんなことを考えつつ、今日はもうだめだなと思いながらもなんとか一日やり通す

          アレの日、私は

          どこまでもシネマティックな時代

          先週末、ラグビーワールドカップフランス大会が開幕しました。 日本代表の初戦は「近年実力をつけてきている」と紹介されるチリ。テレビは「チームもファンも情熱的」と伝え、インタビューに答えながらチリの国鳥のタトゥーを入れた腕を見せつけるキャプテンの笑顔が印象に残ります。 私は中学からラグビー部に入っていて、もうかれこれ20年くらいテレビでラグビーを見ています。まあ「テレビでやっていれば」程度の熱なのでそこまでファンでもないのですが、近年の日本代表の成長には興味があり、今回もできる

          どこまでもシネマティックな時代

          ふたつのアルバムが出た日②

          オリヴィア・ロドリゴのセカンドを聴いた日、家に帰ってSNSを開くとThe xxのロミーがファーストアルバムを出したことを知ります。 遅くまで仕事があって疲れていた私はその日はすぐに寝て、翌日も午後に3,4時間昼寝をしました。起きたら夕方、図書館の本を返しに行く予定だったことを思い出します。歩いて数分の距離なのですが、いつものルーティン、イヤホンを耳につけて聴くものを選びます。17時を過ぎてもまだ外は明るいですが暑さはだいぶ和らぎ、風が気持ち良い頃合いです。ロミーの新作はそん

          ふたつのアルバムが出た日②

          ふたつのアルバムが出た日①

          先週の金曜日、時差出勤でやや空いた通勤電車の中、配信が開始されて間もないオリヴィア・ロドリゴのセカンドアルバムを聴いていました。前作から2年経って雰囲気が変わったところもありながら、変わらぬポップパンク調のアゲな感じと沁みるバラード(と書いて気づきましたが私には音楽を表す語彙が少ないようです)の数々に、いやでもファーストアルバムを聴いていた頃を思い出します。 2年前の夏、無職になって2ヶ月ほどの私はカフェで過ごすことが多くなっていました。春から夏にかけては在宅ワークのノリで

          ふたつのアルバムが出た日①

          あと2週間の景色

          最寄駅に着くとホームが濡れていました。小さな水たまりもいくつかできていたので、よほどの量が横殴りに降ったことがわかります。職場の窓からも雨は少し見えましたが、こちらではどっと降ったようでした。 地面は全面が濃い色になっていますが、あまりムッとはしません。朝夕の風は心地よくなってきています。少し先にJRの高架をくぐる道が見えた時、電車が通過する轟音に負けじとバチッバチッという音がします。カナル式イヤホンをつけてPodcastを聴いていてもその異音に気づきます。目線を上げると架

          あと2週間の景色

          ひとり流しそうめん的言葉のすくい方

          昨日、noteのネタになりそうなことをメモ書きして「頭から切り離した」わけですが、ルーティンになっていた「文章を考える癖」までも切り離されてしまっていて、今PCを前にさて何書こうかな〜という状態です。バランスって難しい。 でもメモがあるじゃないかと昨日書き残したネタを使おうとした刹那、今日の朝に駅まで歩いているときに「いいフレーズが浮かんだ」ことを思い出しました。いいフレーズなんていっても私は歌も歌わないし詩を書くわけでもなく文章も最近アウトプットするようになったところなの

          ひとり流しそうめん的言葉のすくい方

          深夜の叫び(とメモ)

          今週は(というか今月は)仕事でやらなきゃいけないことが多く、昨日今日とタスクをばばばっと、速さを意識しながら片付けていっています。仕事がのってくると退勤しても頭がよく動いていて、昨日はnoteの下書き(といってもタイトルだけ)をいくつか考えました。 このnoteは下書きなしでその日思ったことを帰り道や風呂場でなんとなく考え、頭に残っていることをPCの前でえいやっと文章にまとめるスタイルでやってきました。といってもまだ2,3週間なので「そうやって始まりました」って感じです。そ

          深夜の叫び(とメモ)

          「この顔は絶対にどこかで見たことある」という特技

          土日に1本ずつ映画を観ました。Amazon映画の『サスペリア(2018)』とNetflix映画の『ロスト・ドーター』です。どちらも配信会社映画なのはたまたまですが、この2作品には他にも共通点があったことについて書きます。 私の特技として「一度見た役者の顔はだいたい覚えている」ということがあります。些細な脇役であっても「あ、この顔は絶対にどこかで見たことある」と90%以上の確信を持って言えます。どの作品で見たかまでは思い出すのに時間がかかる(のでだいたいネットで調べる)のです

          「この顔は絶対にどこかで見たことある」という特技

          安全な場所

          『HEARTSTOPPER ハートストッパー』のシーズン2を完走しました。 あらゆるシーンで胸がキュッとする良いドラマなのですが、最終話で気づきがあったので忘れないうちに書いておこうと思います。 まず、恋愛対象の可能性について考えました。話数が進むごとにあの人もこの人も性的マイノリティなのか、と若干現実離れしたように感じますが、それこそが主題というか、誰しもが誰かを愛する(もしくは愛さない)可能性が開けている世界である、と受け取りました。画一的でない、可能性に溢れた社会。そ

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