欧州旅行記①「嵐の中の旅立ち」

オーストラリア旅行の半年後、西ヨーロッパに旅立つこととした。なぜ、欧州を選んだかはあまり覚えていない。しかし、この欧州バックパッカー旅行は本当に「嵐」という感じだった。余談ではあるが、当時まだユーロが施行されておらず、各国に通貨があった時代。今思えば貴重な体験をしたと思う。

この度はなんといってもスタートが嵐だったのだ。台風直撃である。当時乗る便がキャセイパシフィック航空香港経由パリ行きであったのだが、出発当日にきた連絡が台風の接近により飛ばないかもしれない、ということだった。ただ、それより2時間ほど出発が早い、成田発台北行きがあり、その便にのって台北→香港のコースならいける可能性大、とのことである。可能性にかけるしかない(それでも台風超接近のなか、飛び立つことには変わりないのだが)。私は成田に急いだ。しかしのちにわかることだが、急いだせいでパンツを忘れてしまったのだ。痛恨の極みである。

成田に到着後手続き。他の大部分の飛行機が欠航になるなか、なぜか私の台北行きは無事(?)離陸したのである。実はお恥ずかしい限りだが、当時はキャセイパシフィックがどんな航空会社かも知らなかった。台湾も行ったことがなく、完全に冒険である。結果として、無事台北につき、その後の乗り継ぎもうまくいき、無事香港に着くことになる。当然、香港も初。そしてパリへ。パリ行きの便に乗ったころにはすっかり疲れ切り、眠りに落ちてしまった。

そしてパリ到着。花の都、パリ、である。しかし行ったことがある方ならご存知かもしれないが、パリは結構汚い。暗い。人が冷たい(気がする)。意外に暗雲たる雰囲気がある(ちなみに当時行ったのは夏です)。まさしく光と闇である。到着直後、何が困ったって、地下鉄からなかなか地上に出れないのである。パリの地下鉄はなかなかに複雑であり、深いのだ。朝6時位到着した記憶があるのだが、最終的に地上に出たのは朝9時か10時頃だった。

オーストラリアでの経験を活かし、早めに宿探しである。ユースホステルをすぐに予約できた。また余談ではあるが、当時はネットも碌にない時代でネット予約などほぼない。ホテル・ホステルに行って、部屋ありますか?である。当時に比べると、本当に今はよい時代になったな、と思う。予約できたのはいいのだが、この後泊るパリのドミトリーはそんなに良くなかった。なんというか汚いのである。のちにドイツなども訪問するのだが、宿に関してはドイツが一番きれいだった気がする。

かくして、欧州旅行記始まります。

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