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ストラトキャスター改造(レインボートーンとブレンダー)

先日、セッションにストラトキャスターを持っていったらファンクやソウルっぽい曲は当たらず、ジャズ系ばかり演奏することになったんてすが、回路を改造したおかげで、良い感じに演奏することができました。改造内容の備忘録的な意味を込めて、その経緯からどういう改造をしたのかをまとめます。


1.ストラトキャスターの紹介

僕が所有しているストラトキャスターは Fender Custom Shop Classic Player Stratocaster の2001年製で、購入したのは2002年です。
21歳の若造がよくCustom Shop を購入できたなぁと思われるかもしれませんが…、実はあり得ないようなキズ物になっていたため、かなり安く購入できました。

打痕


2.クセの強い楽器屋

購入から数年後、かなりクセの強い店長がいてる楽器屋を知りました。その店主は、初めて訪れたお客さんには如何に既製品のギターがダメで、その店舗に置いてあるギターが良いギターかを語るような人でした。たしかに弾かせてもらうと良いギターばかりでしたが、「お前の持っているオモチャとは違うやろ!」とかなり煽ってくるので、素直に「確かに置いてあるギターよりは少し劣るが価格差を考えると妥当な範囲ですよ」煽り返しました。笑

当然、後日にストラキャスターを持っていったら、「た、確かに、コレはオモチャではないな……」とのこと。店主以上に性格の悪い僕はメーカーと購入した値段しか伝えてなかったので、キズ物を安く購入した経緯を話ながらも、クチは悪いけど正しいことを言ってるし間違いはちゃんと認める人だと感じました。
そんな店主さんが言うには、「ナット交換して、ウチで調整させてくれれば、もっと良くなるで!」とのこと。今度は信用して、ギター預けました。その結果、抜群に弾きやすく、整った音がなるようになりました。コレがストラトキャスターの最初の改造ですね。その後、ピックアップも LINDY FRALIN に交換しました。 
※この店主の人はもう引退されて、今は落ち着いた人が店主になってます。

ナットの交換は特に違いを感じましたね


3.贅沢な悩み

かれこれ20年近く経つと、演奏するジャンルがブルースからジャズに以降していくにつれて、後に購入した辻四郎製のES-335TDタイプのセミアコが良すぎたため、ストラトキャスターの出番がどんどんなくなっていきました。
ただ、やはりソリッドギターはストラトキャスターしか持っていないため、欲しい場面はたま〜にありました。そして、ストラトキャスターを使用して舞台に立つとセミアコの質の高さが頭をよぎってしまうようになっていました。
そこで、2023年東京に行く用事が出来たので、予算は度外視して、ストラトキャスター試奏しまくることにしました。

イケシブ

4.試奏した結論

Fender Flagship Tokyo にて、マスタービルダー製のストラトキャスター(166万円)をはじめ、Suhr, James Tyler, Tom Anderson, Dragonfly, Momose, Fujigen, K.Nyui, Sago などなど様々なメーカーのギターを、またコンポーネントギター(ビンテージジャズマスターのネックに別のストラトボディを組み合わせたもの)まで、弾きまくりました。

結局今まで弾いたことのあるギターで1番良かったのは、10年以上前に弾かせてもらった62年製のストラトキャスターでした。ビンテージギターの良さを改めて思い知らされました。ただ唯一、ビンテージギターと対等だと思えたのはマスタービルダー製のストラトキャスターでした。それ以外も、僕の持っているストラトキャスターよりかは良い感じはしましたが、わざわざ買い換えてまで……という感じでした。

そして、改めて家で自分のストラトキャスターを弾いてみると、生音はそこまで悲観するようなレベルではない?むしろ、他のメーカーのギターとも甲乙付け難いレベルだと感じました。

そして、この数年、エフェクターをイジったりしていた僕は、配線材や半田による音質の変化を体感していました。これは配線材などを交換して、良い半田でつなげれば解決するのでは?!

そして、さらにどうせ配線を変えるのであれば、もっと使い勝手が良いように改造することもできる!という結論になりました。
(試奏させていただいた多くの楽器屋さん、ごめんなさい!)

Fender Customshop Masterbuilt シリーズの1本


5.基礎となる改造

ストラトキャスターにはポットが3つ付いていて、通常は上から「ボリューム」と「フロントP.U.とセンターPiU.のトーン」と「リアP.U.のトーン」となっています。(機種によっては異なるパターンもあります)
これを「ボリューム」「マスタートーン」「ブレンダー」に変更し、マスタートーンのつまみはプルスイッチ付きのポットに変更します。

左から「ボリューム」「マスタートーン」「ブレンダー」


6.レインボー・トーン

マスタートーンのプルスイッチをONにすると、フロントP.U.を並列で常時ONにします。通常5wayのピックアップセレクターであれば、フロントP.U.とリアP.U.のハーフトーンを鳴らすことが出来ません。しかし、この改造を行いプルスイッチをONにすると、フロントP.U.が常に並列でONになるため、その状態でセレクターでリアP.U.を選択するとロントP.U.とリアP.U.のハーフトーンというテレキャスターのようなことが可能になります。そして、セレクターでセンターP.U.とリアP.U.のハーフトーンを選択すると、3つのP.U.のハーフトーンを鳴らすことが出来ます。このように、新たに2つのトーンが追加されレインボー・トーン(7通りの配列)と呼ばれる配線になります。
詳しい配線などは下記HPを参考にさせていただきました。


7.ブレンダー                                 

ブレンダーのポットを回すとミドルP.U.の音を直列配線でブレンドされます。つまり、ブレンダーを全開にするとハムバッカー風のサウンドを出すことが出来ます。つまり、いわゆるHSHのストラトキャスターに近いサウンドを再現できます。
詳しい配線などは下記HPを参考にさせていただきました。


8.まとめ

配線や半田などを交換したことで音質が確実にアップして、回路の改造でいろんな音色が出せるようになりました。元々のシングルコイルの良さはそのままのこしつつ、ジャズなどでも問題なく使えます。ジャズカルテットのバンドでは今までセミアコとフルアコで演奏していましたが、ストラトとフルアコなどの組み合わせで演奏してみるのも面白そうで、音楽的な可能性が広がりました。


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