大型自動二輪免許
33歳にして、大型自動二輪の免許を取得する為、自動車教習所に通っております。
普通自動二輪の免許を取得したのが確か21か22歳くらいの時
普段乗っているバイクはホンダのリトルカブ(75cc)と、ファンティックのキャバレロスクランブラー(250cc)の二台。
正直この二台で超遊べるし、満足してる。250cc以上のパワーを欲しているかというと全くそんなことは無い。むしろ手に余っている。
大型自動二輪の枠で欲しいバイクがあるのかと問われると、今は特に思い浮かばない。
「じゃあなんでよ」ってなるわけですよ。
僕もそう思う。
なぜ大型自動二輪の免許を取得しようと思ったのか。
・「ちょっと乗らせて」が出来ない
例えば知り合いが大型バイクを所有していて、そのバイクの傍らで楽しそうに「このバイクのここがこうで…」とかいう話をされた日には出てくる言葉は世界共通で「えー、ちょっと乗らせて?」である。
相手の返事はどうあれ、それが出来ないのが寂しかった事。
・資格所有欲のようなもの
モトクロス、オフロードバイクというジャンルに携わってきた人生において、この世に(公道で)乗る事が出来ないバイクがある。という事実が何となく悔しかった事。「とりあえずこれ取得しておけば2000ccだろうが50000000ccだろうがタイヤが二つ付いてる乗り物に乗れるで」というお墨付きがちょっと欲しかった。
・来る電動化に向けて
去年、イベントにて初めて電動バイクに乗り、その時の完成度に驚いた。
自分の生きているうちに電動化はきっと進んでいくと仮定した場合、エンジンバイクでは「〇〇cc」という排気量の制限から「〇〇kW」になるかもしれん。その後の法改正でどうなるかは全くわからないけど、とりあえず大型取っとけば電動バイクも最大までイケるっしょ。という考え。
「やっとモーターのコイルが温まってきたぜ」とか言いたいのである。
・タイミング
常々「いつか取ろうかな」と思ってきた。私、結婚もして、これから色々人生のイベントも待ち構えている中で、どのタイミングがベストなのか。やれ歯医者に通っているから。やれ仕事が忙しい。やれ今日は仏滅で縁起が悪い。人間、やらない理由はいくつでも浮かぶくせに、やる理由はなかなか掴めないもの。こりゃーいつまで経ってもいけない。ならもう今行こう。
いざ自動車教習所に電話をしてみると「ただいま大変込み合っておりまして…。入校日が2カ月先になります」との返答。いままでの僕なら「じゃあしょうがない。空いてくるまで待つか」となるところを、グッと堪えて入校。コロナ禍特需でバイクが売れてる。免許を取得する人が増えている。聞いてはいたけど本当らしい。
・試験場一発取得
「平針(愛知県の運転免許試験場)一発行けばいいじゃん」
諸先輩方からよく聞く言葉。
経験としてやってみてもいいけど、落ちた時にいちいち凹みそう。毎回緊張しちゃいそうで嫌だし、平針って名古屋の絶妙な位置にあるし、混むし、仮に2,3回で合格できるとあっても通いたくないのだ。
しかも一発試験でも予約待ちが発生していると風の噂で聞いたもんだからこれは無し。やらない理由、めっちゃ出るなー。
という事で、地元の教習所に通う選択を取った。卒業生割引¥15,000もでかい。
・モトクロス国際A級ライセンス保持者が自動車教習所に通う
一応、モトクロス国際A級(以下MXIA)ライセンスを所持している私。とはいえ、全日本モトクロス選手権で特に目立った活躍が無かったのは誰の目にも明らかである。
MXIAの中では下の下。
頭良い大学の成績下位のやつ。って感じ。
ただ、紛いなりにも30年ほどバイクに乗ってきた自負はある。正直、自動車教習所で初めて乗るバイクでも簡単に乗れてしまうのだ。
モトクロスライダーあるあるじゃないけど、二輪免許を取得する多くのモトクロスライダーは自前のモトクロスヘルメット持参で教習所に通う事になります。貸出用ヘルメットもあるけど、他人が被った後のメットには少し抵抗がある為。私も普通自動二輪免許取得の際は自前のSHOEI VFX-Wで通っていました。それを見た教官が
「なに、モトクロスやってんの?」
「はい。」
「あのー、先に言っておくけど、ここでは速く走る必要ないからね。カッコつけて速く走っても何のポイントも付かないから。むしろパイロン触ったら一発アウトだからね。」
「…はい。」
という、ちょっと苦いやり取りがあった事を覚えている。
僕も若いし「そんなつもり無ぇよこの野郎」とか思ってたけど、当時の教官も注意の意味を込めて言ってくれたのはわかる。ただ、ちょっと目を付けられたというか、そんな印象を受けた。
今回、モトクロスで使用しているBELLのMOTO10は、競技専用ヘルメットであるという事もあり、公道走行可のジェットヘルメットで教習に通う事にした。
なるべくモトクロスライダーとバレないようにしたいけど、バレたとしても教官はそんな所で忖度はしないはず。
バレたらバレたで「わかっちゃいました?実は、自分、そうなんすよ」とか言って満更でもない自分も想像できる。
実は心の奥底ではバレたいのかもしれない。
どうしよう、できればオーラ的な、走りからどうしても滲み出ちゃう的な感じが理想なんだけど、多分無理だからいきなりモトクロスヘルメットで行ってみようかな。
波状路をフロントアップでハダダダダダ!!!!って通過してみようかな。
やんないけど。
教習所で苦労している方には少し嫌味に聞こえてしまうかもしれない話。実際MXIAが教習所に通うとどんな感じなのか。
ゲームで言うところの"強くてニューゲーム"を地で行く感じ。
S字・クランク
一本橋
40km/hからの急制動
スラローム
(大型自動二輪なら)波状路
これらの課題、大体一発目から全部クリアすることが可能。
大型自動二輪に関しては普通自動二輪を普段乗っている人が大多数だから、結構難なくこなす割合も多いみたい。
ただ、バイクの操作自体は難なくこなせるけど、やはり"教習所での模範的なバイクの乗り方"や"安全に走る事"というのは別問題。
例えば、ブレーキ、クラッチ握るのは4本指で。ここは何キロで急制動。ブレーキは前後同時に。ここは何速で。ほぼ全てがマニュアル化されており、ライダーはロボットの如く課題をこなしていく。
そして、公道では安全に走る事が一番。
教官によると、通常の教習時間数を最速で卒業する人は最近あまりいないらしい。
以前より良い意味で、軽い気持ちでバイクに乗ってみたいと思う人が増えたからじゃないか。と話していました。
実際に教習所で走っていると、転倒している人や、エンストしまくって憔悴した顔で教習を受けている人を一日に一回は見かける。でも教習所ってそういうところだし、怪我の無い程度に存分に転倒、エンストをしまくってもいいと思う。上手く走るに越した事はないけど。
事前にある程度練習したいのならモトブンブンはいいかもしれません
オフロードバイクの体験走行が出来ます。バイクに乗ったことないけど、乗ってみたいなーって人が気軽に参加できます。
「免許取得の練習で来ました」という人もいるみたいです。地面がアスファルトじゃなくて土っていうのもちょっと安心。
一緒に乗ってくれる鈴木友也さんも顔は怖いけど、人に教える、というか伝える事がとても上手なおじさんなので心配ご無用ですよ。なんなら僕に声かけてくれても大丈夫ですよ。
本当なら教習所で苦労されている方にも直接お声掛けしたい。でも変な勧誘だと思われたくないから今んところしてません。
とか偉そうに語っておりますが、まだ第二段階の途中です。こういうやつに限って卒業検定でパイロン当てたり一本橋で落ちたりするんだよな。公道で無茶しちゃったりね。
これがフラグにならないように、自動車の運転も気を引き締めて安全運転を心がけるようにします。