髪型の話 

こんにちは。 
愛知県 名古屋市出身 河村広志と申します。
モトクロスの国際A級ですが、特に目立った活躍もせず、のんびりとバイクのある生活を楽しんでいる33歳です。

 同じくモトクロス国際A級の鈴木友也さん(こちらはちゃんと目立った活躍をした人)と一緒に、第3ヒートというオフロードバイクの話題を中心とした(そうじゃない事も多い)座談会を2014年くらいから配信しています。


 3か月前、変な髪型にしました。飽き性なのか髪型がコロコロ変わる方だと思います。そう言われてみれば自分の周りを見渡しても、髪型が頻繁に変わる人ってそんなにいないのかも。パーマかけたと思ったら短くして、伸ばしたと思ったらさらに伸ばして。去年、32歳にして人生最長まで伸ばしてみました。

2021年 第3ヒート 81周目より 向かって左が私 右が鈴木友也さん

理由は「伸ばしたらどうなるか気になったから」

  伸ばしたら伸ばしたで色々面倒くさかったけど、髪の長い自分も面白かったし、髪が長い自分に対する人の反応も面白かった。清潔感だけは常に一定のラインを超えないように意識しながら。
  肩より下まで伸びてきたあたりでロン毛に飽きてきた。パーマをかけても重力で伸びちゃう。あと「どこまで伸ばすの?」って聞かれるのが面倒になってきた。ただ今度は切るのがもったいなく感じるようになりました。

  次はどんな風にしようかと考えていた時に、長さを活かせる髪型にしようと思って、まず浮かんだのがドレッド。ただドレッドは時間もかかるしお金もかかる。ろくに洗えなさそうなイメージだから維持も大変そう。で、やってみたのがスプリングドレッド。

  針金パーマとも言うらしい。ドレッドはドレッドでも"洗えるドレッド"。かなりボリュームも出ます。ヘルメットを被ってみたら頭のサイズ感が1.5~2倍くらいになった感覚。こいつはこいつで解けてきたりしてまあまあ面倒。

 この髪型にしてから三ヵ月。もうだいぶ慣れてきたけど、目線を感じることが多くなりました。自分でも変な髪型にしている自覚は多少あるので、それで嫌な気持になったり「何見てんだコラ!」とも思わない。
 僕は帽子をよく被るのですが、神社仏閣とかで脱帽しないと失礼にあたる場面では
「一応脱帽するけど脱帽したとて失礼な髪型かもしれません」と心の中で一言断りを入れてから脱帽しています。

 髪型とかどーでもいいじゃん。て思ってたのがいつの間にか色々遊んでみたくなったのには何か理由がある気がする。


 思い起こせば髪型に対する意識を持ったのは幼稚園の頃。当時は髪が伸びてきたらご夫婦でやられている近所の床屋さんで刈り上げてもらっていました。幼稚園の卒業アルバムを撮影する直前、ふざけて前髪をセルフカットしてしまう事件が発生。リアス式海岸みたいになった僕の前髪を見かねた母親はすぐに行きつけの床屋さんへ連れていき、応急処置的にカットをしてもらったそうです。しかし、ズタズタになった前髪を逆U字に整えるしかなく、あえなく激ダサな前髪で卒園アルバムに写ることになりました。

 その時の出来事がトラウマになったのか、小学生時代の僕はやたら前髪を伸ばすことに精を出します。何となく、無意識に「髪が長いとなんかカッコイイ」と思っていた時代。ちょうどキムタクとか江口洋介なんかがロン毛にしていた頃。小学生ながらも寝癖が付いたらキチンと整えてから学校へ行く子どもでした。ちなみにこの頃は髪をスイてもらう事を知らなくて、ただひたすらボーボーに伸びた髪は家族からはひんしゅくを買っていました。

 奇しくも卒業アルバム撮影の前日、ボサボサ頭を見かねた母親が知り合いの美容室へ強制連行。なんと自然に整っていた(ハズの)大事な大事な前髪をいとうせいこうのようなパッツン前髪にされてしまったのである。これには小6の広志大ショック。正気を失い6年ぶりのセルフカット。リアス式海岸再びである。

 こうして髪型との格闘を繰り返していく中で、自分の髪型を少しずつ意識していくようになりました。また、この頃、周りの大人達から「広志は将来禿げる」という話を念仏のように言い聞かされます。理由は、「髪質が柔らかい。俺の昔とそっくり。」と禿げのおじさんにくどくど言われた説と「おじいちゃんが二人とも禿ているから隔世遺伝で禿げる」説。

 今思うと大人達は嫌がる僕を面白がって言ってたんだろうけど、当時の僕からしたら禿げる事への嫌悪と恐怖心をここで思い切り植え付けられたように思う。二世帯住宅に禿げた祖父も一緒に暮らしていた事も大きかったのかもしれない。

 ある日、お風呂に入る為にいつものように浴室へ入った僕は衝撃を受けた。

棚にじいちゃんの頭が置いてある。


じいちゃんの頭が棚に置いてあるのだ。

 あれには心底驚いた。お気づきだろうが祖父は浴室にカツラを置いていたのである。子ども心に大変なショックを受けた。

 カツラなんてテレビの世界でしか見た事ない。志村けんとか、ごっつええ感じで芸人さんが使うやつだ。世界まる見えのおもしろホームビデオで風で吹っ飛ばされてワハハなやつ。それがこんなに身近にあるなんて。カツラを使用してまで禿げというものに抵抗している。抵抗しなければいけないものなのか。大人は禿げがそんなに嫌なのか。

 中学生に上がると、知り合いのイケてるお兄さんからナカノ スタイリングワックス4を授かります。ここから意識的に髪型をカッコよくしたいと思うようになっていく。次第に自分はクセ毛で、どう頑張ってもクルンっとなってしまう部分がことに気付き、それを逆手に取ってパーマをかけるようになる。パーマをかけると「若いうちからパーマかけてると禿げるよ」と、またしても禿げの恫喝を受ける。この頃から開き直って「もうどうせ禿げるんなら好きな髪型、やりたい髪型にして潔く禿げよう」と思うようになりました。

  子供の頃は「大人になったらきっと禿げに効く良い薬が開発されているさ」と思っていたけれど、気付いたらもう33歳。まだ毛根は頑張っているけれど、モウコンな歳に。

いつまでもあると思うな親と髪。

 そんな思いがあって髪型に関してはやれるうちにやっておこうっていうのが僕のある種のこだわり。次はどんな髪型にしよう。