10月に読んだもの
小説
裏世界ピクニック
ネットロアとSFを凄い上手く絡めていてしっかりSFやりつつストーリーも立っているから読みやすい、ライトSFとしてとんでもない完成度の作品でこりゃ大ヒットするわなって感じの作品でした。とても面白かったです。
ネットロアって面白いものが多いですが、それらって大体単品でちゃんと面白いから逆に材料として使うのは難しそうって印象あったんですけど、そこいらへんがSF絡めることでちゃんとあくまで材料とされているものになっているのが良かったなって思います。
全てのアイドルが老いない世界
伴名練の短編小説。アイドルって言うのは大なり小なり人間じゃない存在で在ることを求められる存在だと思うけど、この作品は思いっきり人間じゃない存在にしてしまって居るのが面白かった。
虚構の関係性と実際の関係性だとか、人になる事と偶像であり続けることとかを短いながらもちゃんと描いていて良かったです。
われはロボット〔決定版〕
ロボットを生み出し、ロボット工学を発展させ、やがてロボットにより人類が管理され永遠の安寧を手に入れるまでの流れが本当に美しく見事だった。
ロボット三原則を構成する三つの原則が物語の最後には全て同一のものとなったのがとてもぞくぞくして素晴らしかった。
物語の前提として提示した原則に基づいて複数の短編を編み、更にそれらを一つの大きな流れとして一冊の本としてまとめる、言うは易く行うは難いこれを完璧な形でこなした作品でした。
新しい世界を生きるための14のSF
伴名錬って変態的だなぁとつくづく思うアンソロジー。
ベテランの作品は一切なくて、新時代のSF作家の作品のみを集めた短編集ですけど、どの作品もちゃんと面白いのだからすごいと思う。
個人的には大江戸しんぐらりてぃが一番面白かったと思う、一番好きなのは九月某日の誓い。
シービスケット
映画版を見て久しぶりに読み返した。
映画だとどうしても飛ばしちゃっていた描写だとかがある以上、こちらの方が熱量があって感動出来るなと感じる。
映画の持つ映像表現だからこその躍動感というのは無論あるわけで、どちらが優れているというものではないかもしれないが少なくとも自分としてはこっちの方が好き。
ある程度の誇張表現はあるのだろうとは思うけど、どんなフィクションよりも熱いノンフィクション作品の一つだと思う。
ライトノベル
犬と魔法のファンタジー
ファンタジーらしく無いファンタジーライトノベル。就活に苦労する就活氷河期inファンタジーって感じの作品である意味一発ネタ的なノリなんだけど、人類が未踏の地が存在するのとそこを冒険する冒険者の存在がファンタジーになってる。
道なき道を行くか社会のレールに乗って行くかって言う話なんだけど、結構そこに思想性とか熱みたいなのを感じて、多分冒険者はクリエイターを作品にそって置き換えた存在なんだろうなって、エロゲのシナリオライターなんていう不安定な道を選んで戦ってきて勝利した人だからこその熱さみたいなものはありました。そこそこ好き。
漫画
ルリドラゴン
日常ものってキャラが命なわけですけど、登場人物がちゃんとみんな生き生きしているから読んでいて退屈しなくて良いですね。
日常ベースで進行しながら変わってしまった体について調べたり対策したりする独特な雰囲気がすごく良くて結構好きな感じです。
ただこの設定と雰囲気で週刊はそりゃ大変だよなぁとも感じますね、勢いとかお色気とかで誤魔化し効くわけじゃないので毎回しっかり考えないとすぐに面白さが去っちゃうタイプの作品でしょうし。
無理しないで続いて欲しいものです。
ぼっち・ざ・ろっく
行動力は人一倍あるコミュ障ってのが今時のインフルエンサーって感じでぼっちちゃん好き、まあ僕は行動力も無いコミュ障なわけですけど。
たまにかっこいいところ魅せてくれるけど正直ダイナミックにダメ人間しているシーンの方が好き、なのでかっこよくなったと思ったらすぐにダメダメになってくれるのは大変良いと思います。
虹夏ちゃんかわいい。
チェンソーマン
第二部に入ってデンジ君の出番減るとどうしても失速しちゃう印象あるんですけど、その分だけデンジ君やチェンソーマンが登場した時めちゃくちゃアガっていいですよね。
アサちゃんたちはそこそこ好きですけどやっぱデンジ君が好きなのでもっとデンジ君が見たいなぁ。
かぐや様は告らせたい
そろそろ完結するっぽいのでまた最初から読み直すなど。
個人的には時間の流れを感じさせてくれて、人間関係が明確に変化していく方が日常モノの作品は面白くなるよなって思います。
本当に1から読み返すとどの人間関係もすごい変化していて、感慨深くなってきますね。
最終巻が読みたいような読まずにいたいような不思議な気分。
ニセモノの錬金術師
無料で読めていいのかって聞きたくなるめちゃくちゃ面白い作品でした。
個々のキャラクターにちゃんと行動原理があって役割に動かされているキャラクターが居ないですし、世界観や能力についてもちゃんと組まれていて読み応えのある作品ですね。
ネームで描かれているので若干の読みにくさはありますけどそれでも読みたくなる面白さはありますし、ちゃんと理解できるように描かれているので漫画に読み慣れているなら苦にならないかと。
後書き
10月の中旬くらいからアホほど忙しくなって全然本読めなかったので11月はもうちょい読みたいなって感じですね。
まあ正直11月も10日くらいまではアホ忙しそうなのであまりたくさん読むのは難しそうではありますが。
あともうちょっと忙しさが解消したら見ているアニメなりなんなりの感想記事とかも書きたいなと思います。
なんにしてもまずは忙しさを乗り切っていかないとなぁって感じです。