[ファンタジー小説]メア・イノセント~夢と瀬踏み その8
登場人物
あらすじ 双子と一緒に〈瀬踏み〉をする事になり
いま、始まる所・・・
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この風景には見覚えがある
歪んだ空
童話を思わせるような牧羊的な風景
うん・・・これは僕が見た夢の風景にそっくりだ
『あ!おにーさん、こっちこっちー!!』
手を振りながらこちらに来るフェティ
もちろん、いっしょにミーディットもいる
・・・あれ?でもなんか違和感が・・・
【お兄さん・・・なかなか来ないから
瀬踏み、上手くいかなかったのかと思ったけど
・・・よかった】
『そうそう、おにーさんの言う通りだったよ!
ほら!犬になっちゃったわん♪』
そういいながら、可愛らしく自分の頭の上の、耳をアピールする
あぁ・・・違和感の正体はこれか
2人共、犬の耳が生えてる
それに尻尾も・・・かわいい
『めずらしくミディちゃんもニコニコしてて嬉しいな♪』
【・・・別に・・・笑ってないよ・・・?】
あ!そうか・・・今は少し犬っぽいから
口角が上がって見えるんだ!!
・・・じゃなくて
「僕の言う通り・・・っていうのは
夢で犬になったって話の事?」
【うん・・・瀬踏みは
〈ストーリーテラー 〉の
夢が・・・強く反映されるから】
ミーディットがとても真面目な話をしているのは
分かるんだけど
ぴこぴこと動く耳の愛らしさで
いまいち話が入ってこない・・・
【あ・・・ごめんなさい
〈ストーリーテラー 〉っていうのは・・・
夢の話をしてくれたヒトの事なの・・・】
「そういう呼び方をするんだね
えっと・・・つまり僕の夢で起こった事が
これから起こるかもしれない・・・のかな」
【うん・・・そんな感じ・・・かな】
『おにーさんの過去みた夢も、どんな感じで
混ざってくるか楽しみだね♪』
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とりあえず辺りをうろうろしてみる・・・
『 せっかくならおにーさんも
イヌ耳になればよかったのになぁー
ね?ミディちゃん?』
【ふふ・・・そうだね
かわいいお兄さんも・・・
見てみたかったかな】
この世界に来るタイミングが
彼女達よりも遅かったせいか
僕は、犬耳にならなくて、すんだみたいだ
残念・・・って程でもないけど
若干の仲間はずれ感・・・
『あー!見てみて
アヒル!おにーさんの言ってた子!』
少し遠くに池が見える・・・
確かにアヒル・・・・だけど
実際のアヒルじゃなくて
僕が書いたへんてこな鳥だ・・・!
『アヒルの池にれっつごー!!』
【あ・・・!お姉ちゃん・・・】
早々に駆け出していくフェティ・・・
「僕達も、追いかけよっか」
【・・・うん】
続く(↓におまけがあります)
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『ねぇねぇ、私ミディちゃんが
わん♪っていう所見てみたい!』
【え・・・そんなこと言われても】
『おにーさんだって見たいよね?』
「まぁ、見たい見たくないなら ・・・見たいかな?」
【お、お兄さんまで・・・仕方ないな・・・】
【 い・・・犬になっちゃた・・・わん・・・・♪】
『かわいい!!』
「・・・かわいい」
続く
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